Interview

日々の業務に集中し、長くはたらき続けられるように成長したい

ミラトレ尼崎

H.Kさん

左上下肢麻痺
高次機能障害

通所期間
約1年間
就職先企業
コマツカスタマーサポート株式会社 近畿四国カンパニー

就職までの道のり

利用開始
週3日終日利用
3カ月目
リハビリ通院日を除く週4日終日利用
9カ月目
就職活動をスタート
1年後
就職内定!ミラトレ卒業

脳出血の後遺症により、長年勤めた会社を退職

障害の影響で生活する上で苦労することも

2017年8月に脳出血で緊急搬送され、後遺症として左上肢と左下肢に著しい麻痺が残りました。手足の麻痺により、階段の昇り降りや片手運転に苦労しています。両手で荷物を支えられず、一度にたくさんの荷物を運べなくなったことも日々の生活に影響していることです。また、高次機能障害により、以前と比べて多少記憶力が低下し、内容の理解度が鈍くなったことも自覚しています。
脳出血を発症した当時は、服飾雑貨業界で営業担当としてはたらいていました。退院後は復職するつもりでしたが、会社の状況が変化し、手足に麻痺がある状態での復職が難しく、26年間勤めた会社を退職しました。

一日体験利用でミラトレへの期待が膨らみ、通所を決意

充実した訓練内容と支援員のフォローに納得

退職後は、ミラトレとは別の就労移行支援事業所を利用しながら就職活動をしていました。しかし、思うような訓練が受けられず半年ほどで退所。手続きなどで市役所を訪れた際に、市の担当者から渡された就労移行支援事業所一覧で「ミラトレ尼崎」を知り、一日体験利用に参加しました。印象的だったことは、一日の訓練スケジュールがしっかり組まれていたことです。パソコンでの訓練を体験でき、支援員のフォローや就職支援についても期待が持てました。また、ミラトレ尼崎は立地もよく、最寄りのバス停まで乗り換えなしで通えた点も決め手です。

ミラトレ支援員のサポートで多くの気づきを得られた

就職後の通勤を想定し、ミラトレまでは車移動を選択

ミラトレ尼崎に通所していた期間は約1年間です。当初は週3日利用で体を慣らし、3カ月目からは毎週のリハビリ通院日を除く週4日利用に変更しました。ミラトレに通い始めてから起床時間と就寝時間にメリハリがつき、規則正しい生活が送れるようになりました。また、就職後は車通勤を希望していたこともあり、医師に相談の上、警察署で運転の許可を取得。ミラトレへは自家用車で通い、長距離も運転できるようになりました。車で通所できていたおかげで、現在の就職先でも難なく車通勤ができています。

実務にそった訓練で、はたらく意識が向上

ミラトレの講座で特に役立っているのは、メンタルケア講座の「アンガーマネジメント」と、PC講座の「Excel関数」です。Excel関数の知識が増えたことで、仕事が進めやすくなったと感じています。Excelの資格取得を視野に入れ、日々学んでいるところです。また、事務形式の擬似就労では、時間内に書類を作成し、上司に提出するという訓練を受けました。そこでかなり低いスコアを出してしまったことがあり、支援員から「見直しをしないといけない」と指摘されたのを覚えています。厳しくも、寄り添ったフィードバックをいただけたことで、現在の業務にも活かされています。

就職を決めた仲間の存在と支援員に背中を押されて、就職活動をスタート

就職活動をスタートしたのは利用から9カ月ほど経った頃です。なかなか就職活動に踏み切れずにいましたが、他の利用者の皆さんが就職していく姿に背中を押され、支援員がハローワークに同行してくれたことで一歩を踏み出せました。支援員とハローワーク担当者とのやり取りを見て、自身の障害についてどのように伝えればよいかを学べたことも、自信につながったと感じています。その後は一人でハローワークに通い、合同説明会にも積極的に参加しました。
就職活動で苦労したことは、履歴書や配慮事項の書類、職務経歴書の作成です。これらの書類は、応募したい企業へすぐに提出できるよう、早くから準備していました。支援員に添削してもらい、記入方法について「書きすぎると伝わりにくいので端的に」などのアドバイスをいただき、大変助かりました。

長期就労への強い希望を持って就職活動に臨んだ

他市にも範囲を広げて、就職先企業と出会う

就職活動の目標として掲げていたのは、長期就労ができる企業に就職することです。前職を退職してから約4年のブランクがあり、不安に感じることもありましたが、定年までの約10年間は一生懸命はたらき続けたいとの思いが強かったことを覚えています。そこで、職種は内勤業務や事務職に絞り、車通勤ができる企業への就職を目指そうと決めました。
就職先企業は、自身が所属しているハローワークとは別の市が主催している合同面接会に参加していました。市外からも参加できるか確認してもらい、問題ないとのことで応募。面接を受けられることになり嬉しかったです。

初めての面接に向けて、言葉遣いや表現の仕方を改善

初めての面接に向けて取り組んだことは、支援員から指摘された言葉遣いや表現方法、入退室の仕方の改善です。1次面接では支援員の同席が許されていたので、緊張しすぎることなく臨めました。2次面接では面接官の方が話しやすい雰囲気をつくってくださり、スムーズにコミュニケーションできたと記憶しています。反省点としては、障害特性の説明などで話しすぎてしまい、予定時間をオーバーしてしまったことです。

再就職できたことが自信となり、日々の業務に邁進

目標は業務をスムーズに進められるようになること

現在はサービス部サービスセンタグループに所属し、主な業務として各社員の「基幹システムの入力チェック」や「サービス・作業関連の資格管理」を担当しています。周囲に迷惑をかけないようにはたらくことがポリシーですが、まだまだ知らないことも多く、日々上長や周りの方々に迷惑をかけている次第です。不明点はすぐに確認するように心がけ、質問や相談をする際は相手の状況を見て声をかけるようにしています。
2023年1月で就職して一年になりますが、今は目の前の仕事をきちんと進めることに集中しています。そして長くはたらき続けられるように成長していきたいです。定期診察やリハビリで通院が必要な時はフレックス制を利用できたり、休みやすいように配慮いただいたりと、会社には大変感謝しています。

ミラトレは新たな一歩を後押ししてくれる場所

ミラトレでの訓練を経て無事に就職でき、「ようやく無職から抜け出せた」「はたらけるまでに回復した」と精神的にも非常に楽になりました。振り返ると、就職前は外出することも少なかったです。最近は、以前からの知り合いと連絡を取り合ったり、外出する機会も増えたと感じています。
私はなかなか就職活動に着手できずにいましたが、支援員の協力のもと素晴らしい会社に再就職できました。内定の連絡をいただいた時は、まさに思いがけない幸せだと感じました。ミラトレ利用を悩んでいる方には、一度体験利用してみることをおすすめします。私は年齢も高かったので利用者の皆さんと仲良くなれるか心配でしたが、支援員のフォローもあり楽しく通所できました。わからないことや苦手なことも、すべてプロの支援員が教えてくれるので安心ですよ。

企業担当者コメント

中心メンバーとなって業務の推進や改善を担ってほしい

  • コマツカスタマーサポート株式会社
    近畿四国カンパニー
  • サービス部 担当部長
    横谷博様(2023年1月現在)

コマツカスタマーサポート株式会社は、コマツのグループ会社です。主な事業として、日本国内における建設機械およびフォークリフトの販売・サービス・レンタルなどを行っています。
Kさんには入社以来、サービス従事者の技能資格の管理などを主に担当していただいています。前職とは異なる職種でデスクワーク中心の業務ですが、少しずつ業務範囲の拡大にも取り組んでいるところです。業務内容について教育やアドバイスを行う中で、他の社員と同様に半期ごとに目標設定・面談を行い、個人の業績によって評価に差を設けることで、個々が自らの目標をもって業務に当たることを促進。Kさんもただ与えられた仕事をこなすのではなく、自らの目標をもって業務を進めてくれています。
この先Kさんに期待することは、担当業務の中心メンバーとなり、他の社員と協力し合いながら業務を進めてもらうことです。また、業務の中にある課題にも積極的に試み、PDCAサイクルを回しながら業務改善にも取り組んでいただくことに期待しております。

※所属・役職ほか記事の内容は取材当時のものです

就労移行支援事業所
ミラトレ尼崎
所在地 :
兵庫県尼崎市昭和通2-7-1 ニューアルカイックビル 7F
営業時間:
8:45 – 17:45
電話番号:
06-6423-9417