Interview

得意分野に磨きをかけて、周囲へのサポートにつなげていきたい

ミラトレ横浜

K.Hさん

社交不安障がい
うつ病

通所期間
約9カ月
職業先企業
野村ビジネスサービス株式会社

就職までの道のり

利用開始
利用当初から週5日通所
3カ月間
自身の障がいと向き合い、生活リズムを整える訓練に取り組む
4カ月目
就職活動に必要な応募書類などを作成
6カ月目
本格的に就職活動をスタート
9カ月後
就職内定!ミラトレ卒業

自身の障がいへの理解が追いつかず、無理を重ねていた

就労移行支援制度を知るまで、一般雇用枠での就労しか考えられなかった

現在は、「野村ビジネスサービス株式会社」に勤務しています。野村グループ社員の人事データや福利厚生を扱うHRサービス部に所属し、主な業務として社員の社宅のデータ処理や資料作成を担当しています。

前職では、メーカーとソフトウェア会社の2社でシステムエンジニアとしての経験があります。1社目ではソフトウェアの基礎を学び、プリンターの開発で機能追加を担当。2社目では航空システムのデータ関連チームに所属し、データベースの開発に携わりました。

障がいを認識したのは1社目の在職中です。業務上、人前での発表の場やグループやチーム内でのコミュニケーションの場が多く、人前での発言に対し不安や緊張を強く感じる機会が増えていました。チームメンバーとのやり取りの中で、「自分の考えをうまくまとめられない」「しっかり伝えられない」といったコミュニケーションの取りづらさを感じるように。周囲から求められることへの不安や、仕事に対する億劫な気持ちが大きくなり、塞ぎ込むようになりました。

会社を休みがちになり、心配した当時の彼女(現在の妻)の勧めで心療内科を受診。医師から「社交不安障がい」との診断を受けました。通院しながら就業を続けましたが、抑うつ状態が悪化し「うつ病」を発症。直属の上司や同僚には自身の状況を相談できず、保健師の方に相談し、休職期間を経て退職に至りました。

転職した2社目も一般雇用枠だったため、理解や配慮がない状態での就労により無理を重ねることに。今振り返ると、自身の障がいへの理解や知識が追いつかず、一般雇用枠での就労しか考えられていませんでした。2社目でも症状が出てしまい、すぐに退職してしまいました。

ミラトレに出会い、就労に向けた訓練に取り組むことを決意

私の障がい特性は、人前で自分の考えをうまくまとめられず、伝えることが難しいこと。自身の障がいを理解できていない段階での就職活動は難航し、再び体調を崩すきっかけになります。

当時の彼女(現在の妻)が「就労移行支援」という制度について調べてくれ、私も一緒に調べる中でミラトレを知りました。就職活動は自分の力だけでするものだと考えていましたが、就労移行支援制度を利用しながら、自分一人で抱え込む必要はないのだと実感。障がいと向き合いながら、就労に向けた訓練に取り組むことを決意しました。

通勤と通所をリンクさせて生活の基盤を整えることからスタート

求める条件がすべて揃っていたのがミラトレだった

就労移行支援に求める条件として挙げたのは、「生活リズムを整えられる環境」「平日・日中の就業を想定し、同時間帯での訓練ができる」「通勤のイメージがつかめるよう、自宅から電車を使って通える場所」という3点です。

別の就労移行支援事業所も見学・体験利用しましたが、ミラトレには自分の求める条件が揃っていると実感できたため、入所を決意。中でもミラトレは、「事業所の雰囲気がオフィスのようで落ち着いている」「疑似就労のプログラムで実際の仕事を想定した訓練ができる」点が大きな魅力でした。「通勤と通所をリンクさせて生活の基盤を整えていきたい」との思いにもマッチしていたのが決め手です。

支援員のサポートにより、安定的かつ継続して通所できた

ミラトレに通所していた期間は、2020年2月から2020年10月末までの約9カ月間です。利用当初から週5日通所しました。1年を目処に就職することを目標に掲げ、最初の3カ月間はミラトレのカリキュラムに取り組みながら、生活リズムを整えることに注力。まずは電車通勤を継続することを目指しました。4カ月目からは就職活動に向けた取り組みをはじめ、応募書類の作成などを開始。半年を過ぎた頃には、就職を希望する企業への応募や模擬面接の訓練など、本格的に就職活動をスタートしました。

ミラトレの利用期間中に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による緊急事態宣言が発令。通所の予定を在宅訓練に切り替えたいと相談をした際は、支援員の方が通所のためのフォローをしてくださったこともあります。支援員の方の支えがあり、安定して通所することができました。

実務に活かせているミラトレでの学び

ミラトレの講座で印象に残っているのは、「メンタルケア講座」の“リフレーミング”です。“物事を違った視点でとらえることにより、ポジティブな印象に変えることができる”といった考え方がとても新鮮でした。

実際の業務に最も役立っているのは「Excel講座」です。前職でも表の作成や文書作成などでExcelを扱った経験はありましたが、関数について深く学んだことはありませんでした。ミラトレでは、講座や疑似就労の中で関数を基礎から習得。訓練を通してデータや数字を扱う作業が得意だと気づけたことが自信にもつながり、事務職を目指すきっかけになりました。

支援員や仲間に囲まれて「一人じゃない」と実感

就職活動の原動力は支援員と仲間の存在

私はもともと悩みや不安を自分だけで抱え込んでしまい、体調を崩すことが多くありました。支援員の方々がそんな私の特性を理解した上で、一緒に不安を解消できるように寄り添ってくださったことに感謝しています。

就職という同じ目標に向かう仲間の存在が頑張る原動力となり、他の利用者との交流によって新たな発見も得られました。ミラトレを卒業した今でも、「一人じゃない」と仲間の存在を実感できた経験が「安心感」や「働くモチベーション」につながっています。

企業のスローガンに共感し、入社意欲が向上

現在勤務している会社の求人情報は、障がい者を対象とした就職エージェント( dodaチャレンジ)に登録して見つけました。企業研究に取り組む中で、「目指すのは、"今"以上の"未来"。」というスローガンに出会い、共感。「今までの経験を活かして、ここからより良い人生にしていきたい」という当時の自分の気持ちとリンク。「この会社に入社したい」との思いが強まりました。

就職活動で一番苦労したのは、面接で自身の考えを整理して伝えることです。まずは伝える内容を整理するために、自己理解を深め、企業研究などの準備を徹底して行いました。伝え方については、支援員や妻にも相談し、自分の言葉で伝えられるように何度も練習を重ねました。毎月模擬面接と面接練習の訓練を受け、自宅では妻を相手に練習。言葉の表現や伝え方に関してアドバイスをもらうなどサポートしてもらいました。

1次面接を振り返り、しっかり準備して臨んだ最終面接

当時入社した野村證券には、1次面接と最終面接を経て採用されました。面接官の方は丁寧に話を聞いて、私のことを理解しようとしてくださいました。和やかな雰囲気の中で落ち着いて自分自身の言葉で伝えることを意識して話せたものの、面接を振り返ると、自分自身の障がい内容や自己PRなどうまく伝えられない部分が浮き彫りに。最終面接には、1次面接で伝えられなかった部分を改めて整理・言語化、しっかり準備した上で臨みました。

就職活動を通して、自分と向き合う時間を持てたと思います。目を背けることが多かった自身の特性や弱みと向き合い、対処法を実践することで、弱みも長所になるという考えに変化。少しずつ自分自身を認められるようになりました。

働きやすい職場環境づくりに取り組み、すべての社員の幸せにつなげていく

今後も業務の幅を広げながら、必要とされるシーンを増やしていきたい

主な業務であるファイル作成やデータ処理、デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に加え、社内イントラネットの管理や、豊洲オフィスと大手町オフィスにあるカフェテリアのPRの一部も担っています。これまでの経験やスキルを活かせる業務に携われていることが嬉しいです。「おかげで業務が効率化できて作業がとても楽になった」「作成してもらった資料がわかりやすかった」といった評価をいただいたときに、やりがいを感じながら働くことができています。

今後の目標として、まずは長期就業、ゆくゆくは現在の有期契約社員から無期契約社員への転換を目指しています。そのためにも、依頼された仕事をこなすだけでなく、自発的に業務の改善点や効率化できるポイントを見つけて取り組むことから意識しています。得意なことを仕事に活かし、自分自身の業務の幅を拡げていくことが、職場の方へのサポートや自分自身の成長にもつながっています。自分から積極的に考えやアイデアを発信することで、周囲の方をうまく巻き込み、今よりさらに働きやすい職場環境づくりに取り組み、私や職場の方の業務のその先のすべての社員の幸せにつなげていきます。

ミラトレは、同じ目標を持つ仲間に出会える場所

ミラトレを利用するまでは、「私はもう働けないかもしれない」と考えていました。ミラトレでの学びや訓練によって、自分の特性を理解でき、自分を認められるように考え方が変わっていきました。

ミラトレには、持っている特性は違えど、同じ「就労」という目標に向かって共に訓練する仲間がいます。自分を理解して応援してくれる支援員の方がいます。「一人じゃない」という環境は、私にとっては大きな安心感であり、モチベーションにもなりました。

就労移行支援を利用して就職を目指すのは遠回りに感じるかもしれませんが、私にとっては近道だったと確信しています。もし利用を迷っている方は、ミラトレの事業所の雰囲気を見学してみてください。プログラムも大事なポイントなので、体験利用もおすすめします。「はたらく未来をあきらめない」ミラトレで、私と同じ悩みや不安を持っている方が一人でも多く笑顔で働けることを願っています。

企業担当者コメント

これまでのキャリアと卓越したITスキルを十分に発揮して、DX推進を担っていってほしい

  • 野村ビジネスサービス株式会社
  • HRサービス部 部長 宇和谷章様

野村ビジネスサービスは、日本で最初の証券バックオフィス専門会社として1985年に設立。野村グループに対してバックオフィス機能を提供しています。2021年4月からは、新たに野村證券の人事関連業務を受託し、昨今のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を活用した業務の効率化、最適化を追求。野村グループのシェアードサービス会社として業務領域を拡大しています。

野村グループでは、障がいのある社員を多く雇用しております。各グループ会社において、障がいの特性に応じて適切な職場環境を整備するとともに、本人のスキルやナレッジ、職務経験などを鑑みて採用しています。

Kさんは、入社時は野村證券人事業務部厚生課で採用されました。その後、当該部署がグループの人事業務シェアードのハブとなる野村ビジネスサービスに移管され、現在は野村證券からの出向で活躍されています。選考時にKさんのキャリアを拝見し、卓越したPCスキルやシステム設計に関するスキルが、求める人材に合致していると確信。世の中の情勢を踏まえてデジタル化やDXを推進している人事部門において、福利厚生を管理している職域でその能力を十分に発揮いただけるのではないかと思い、人事部門での採用を決定しました。

入社後、Kさんは今までのキャリアを活かし、持てる力を遺憾なく発揮されています。今後のDX推進においても、ますますの活躍を期待しています。

※企業の表記ルールに合わせ、「障がい」と記載しております。
※企業の表記ルールに合わせ、「働く」と記載しております。
※所属・役職ほか記事の内容は取材当時のものです

就労移行支援事業所
ミラトレ横浜
所在地 :
神奈川県横浜市神奈川区栄町5-1 横浜クリエーションスクエア 8F
営業時間:
8:45 – 17:45
電話番号:
045-548-9542

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