基礎知識

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就労移行支援事業所の選び方

就労移行支援事業所って何?利用を検討する際のメリットと8つの判断チェックポイントを紹介

就労移行支援事業所って何?利用を検討する際のメリットと8つの判断チェックポイントを紹介

一般企業への就職を目指す方の中には、就労移行支援事業所の利用を検討している方もいるのではないでしょうか。利用する上で、どのようなことをする場所なのか、どういったことを身につけられるのか、知っておく必要があるでしょう。そこで今回は、「そもそも就労移行支援事業所とは、どのような福祉サービスなのか?」を軸に、就労移行支援事業所を利用するメリットや、企業の採用担当者が考える利用をおすすめする人の特徴などを紹介します。

1.就労移行支援事業とは、国の法律で定められた福祉サービス

障害者総合支援法

就労移行支援事業は、障害のある方の社会参加をサポートするために制定された「障害者総合支援法」に基づいて運営されている通所型の福祉サービスです。一般企業への就職を目指す障害者に対し、主に「職業訓練の提供」と「就職活動の支援」によって就職をサポートしています。事業所によっては、就職後3年6か月までの「就労定着支援」をサポートしているところもあります。
事業所は全国に約3,000か所あり、対象は18歳以上65歳未満の障害や難病のある方、利用期間は原則24カ月以内とされています。

「就労移行支援」と似た言葉に、「就労継続支援」がありますが、こちらは一般企業ではたらくことが難しい方へ向けて、職業訓練や生産活動を通じてはたらく場所を提供する福祉サービスで、就労移行支援事業とは支援内容・方法が異なります。

障害者総合支援法とは何か?

「障害者総合支援法」(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)は、障害のある方が地域社会で個人としての尊厳にふさわしい日常生活または社会生活を営むことができるよう、総合的に支援を行うことを目的とした法律です。
2006年から施行されていた「障害者自立支援法」を改正する形で、2014年4月に施行されました。障害者総合支援法の制定により、地域の障害福祉サービスの整備が進んだほか、障害の多様な特性や状態に応じて必要とされる支援の度合いを示す「障害支援区分」が創設されるなど、個々のニーズに応じた福祉サービスを受けられるようになりました。

なぜ無料で使えるの?

就労移行支援事業所は、国からの補助を受け、障害のある方や難病を抱えている方の就職をサポートするサービスです。就労移行支援事業所などの障害者総合支援法の各種サービスは、利用料の総額の1割を上限として、世帯の所得に応じて月ごとの負担上限額が設けられています。
参考として、パーソルチャレンジが運営する就労移行支援「ミラトレ」では、約9割以上の方が自己負担なしで利用されています。
 

2.就労移行支援事業所を利用するメリットは?

就労移行支援事業所を利用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。3つにわけてご紹介します。

職務スキルや労働習慣を身につけることができる

ビジネススキル

就労移行支援事業所では、基本的なビジネスマナーやスキルを習得するための講座やワークなどのプログラムを実施しています。そのため、一般企業ではたらくために必要な労働習慣を身につけることができるでしょう。
また、事業所によっては特定分野に特化したプログラムを用意している場所もあるため、希望する企業や職種が明確な方は、訓練を通してそれらのスキルを補完・習得できます。企業が求めるスキルを身につけられる就労移行支援事業所を選べば、就職にも繋がりやすくなるでしょう。

はたらき続けるための自己管理ができるようになる

タイムマネジメント

長くはたらき続けるためには、日常生活の管理や健康維持が欠かせません。就労移行支援事業所では健康管理や生活リズムを整えるためのアドバイスも行っているので、一般就労に向けた準備を徐々に進めることができます。
また、はたらく上では自分の変化にいち早く気づき、障害特性をコントロールするスキルも必要です。就労移行支援事業所では、自己管理やセルフコントロールの訓練を実施しているところもあります。自分の特性を深く理解し、対処方法を実践できるのは、就労移行支援事業所を利用する大きなメリットといえるでしょう。

コミュニケーションスキルを身につけることができる

コミュニケーション

職場では、はたらく人たちとのコミュニケーションが重要です。受け身にならず、主体的に行動する姿勢が求められます。就労移行支援事業所ではコミュニケーションスキルを身につける、あるいは向上させるためのグループワークをプログラムに取り入れている施設も多くあります。
コミュニケーションスキルは、相手がいないと訓練できないため、グループでトレーニングを受けることができる就労移行支援事業所の利用は有効であると考えられます。

3.採用担当者の話から考える「こんな人は就労移行支援事業所の利用がおすすめ」

就労移行支援事業所を利用した方が良いのはどのような人なのでしょうか。障害者の採用業務に携わっている、パーソルチャレンジの採用担当者の話をもとに、採用する企業側の観点から考えてみましょう。

自分と深く向き合い、自身で解決する力を身につけたい方

自己解決

パーソルチャレンジの採用では、採用する際「自分の障害をきちんと把握し肯定的に捉えられているか」「障害受容がきちんとできているか」を最も重視しているそうです。自分自身の得意・不得意を認識し、その上で、不得意なことに直面した際やストレスが発生しそうなときに、自分でどう対応したらよいか知っている人は、就職後にも活躍しているのが実情です。

また、「自ら発信できること」もはたらき続ける上で重視されています。自分一人で解決することが難しい状況に陥った際に、一人で抱え込まず、職場の同僚や上司、必要に応じて支援機関などに相談できるとよいでしょう。就労移行支援事業所を利用することで、自分の特性や個性と向き合い、課題に対して自ら乗り越えられる方法を習得できるとよいのではないでしょうか。

企業の採用ニーズを把握し、情報や就職実績が高い事業所で訓練したい人

ハンズオン

採用担当者の話では、企業側は様々な事業所と連携を取り、自社の採用要件や採用したい人材像を事業所に伝えているそうです。
そのような企業側のニーズを理解し、日々の訓練や就職活動の支援に活かしている事業所は就職実績やマッチング精度が高い傾向にあります。従って、自分の目指す業界や職種が明確な人は、企業とよく連携していて情報を豊富に持っている事業所や就職実績の高い事業所を選ぶと良いでしょう。
また、目指す業界や企業が明確な人は、自分に不足しているスキルや課題を一緒に考えてプログラムを実施できる就労移行支援所であれば、就職に繋がりやすくなるでしょう。

4.就労移行支援事業所を利用した方がよいかを知るための8つのチェックポイント

就労移行支援事業所は、就労に向けてのさまざま訓練や準備を行い、就職に繋げるサポートを行っています。以下に、就労にむけて準備するポイントをチェックリストにまとめました。
この中で「できていないこと」が3つ以上ある人は、就労移行支援事業所を利用し、就職するために必要な準備をすることをおすすめします。

チェックポイント
  • チェックリスト

    (1)体力面:週30時間以上の労働に向けて、体力づくりと生活リズムを心がけ日々実践している

    (2)自己コントロール:適度な休憩を取り、集中して勤務ができる。オンとオフのバランスの取り方を心得、実施している。

    (3)精神安定:通院回数や薬の量などが安定している

    (4)フォロー体制:サポートできる人(医師・家族・支援機関)がいる

    (5)自己理解:自分の発症時の状況や症状、主体的な対策方法を話せる

    (6)ストレッサー:苦手な人やストレッサーと、主体的な対処方法を話せる

    (7)素直さ:業務指示や指摘に対して素直に聞く姿勢や、オープンマインドな姿勢を持てている

    (8)向上心:仕事に対して前向きに挑戦する姿勢、貪欲に学ぼうとする意欲を持っている

5.まとめ

選び方

障害者総合支援法が定める福祉サービスである就労移行支援事業を利用することで、一般就労のための職務スキルやコミュニケーションスキルの習得、生活リズムの改善といったメリットを得ることができます。また、事業所の利用で企業が求めるスキルについて知れれば、より雇用に繋がりやすい就活を行えるでしょう。
今回の記事でご紹介したチェックリストを活用し、就労に必要な準備ができているかどうかを把握した上で、事業所の利用を検討してみてください。