基礎知識

公開日:2020/9/17更新日:2026/6/30
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就労移行支援事業所の選び方

就労移行支援事業所とは?通所のメリット・デメリットと利用検討チェックリスト

就労移行支援事業所とは?通所のメリット・デメリットと利用検討チェックリスト

病気や障害があることを理由に離職した場合、「自分に合う仕事が見つかるだろうか」「長くはたらき続けられるだろうか」と不安を抱えることもあるでしょう。そのような状況の中で、就労移行支援事業所への通所を検討したことがある方は多いのではないでしょうか。利用を検討する方の中には、どのような支援を受けられるのか、利用することでどんなメリット・デメリットがあるのかを知りたい方もいるでしょう。

就労移行支援事業所とは、障害のある方や難病のある方が一般企業への就職を目指すために利用できる福祉サービスです。ビジネスマナーやパソコンスキルの習得、生活リズムの改善、就職活動のサポートなどを受けることができ、就職後の職場定着支援を行っている事業所もあります。利用期間は原則として最長2年間で、多くの方が自己負担なく利用しています。

そこで今回は、「そもそも就労移行支援事業所とは、どのような福祉サービスなのか?」を軸に、就労移行支援事業所の基本情報から利用するメリット・デメリット、利用を検討する際に役立つチェックリストまで、分かりやすく解説します。

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【この記事で分かること】
●就労移行支援事業所とはどのような福祉サービスか
●就労移行支援と「就労継続支援」「ハローワーク」との違い
●就労移行支援事業所を利用するメリット・デメリット
●自分が利用すべきかを判断するためのチェックリスト

目次

就労移行支援事業所とは

就労移行支援事業所とは、障害者総合支援法に基づき、障害のある方の一般就労をサポートするために運営されている通所型の福祉サービス事業所です。

一般企業への就職を目指す障害のある方や難病のある方に対し、就職に向けた準備から就職活動、職業訓練、定着支援など、就職前から就職後まで一貫したサポートを提供しています。

実際に就職のサポートを行っている「就労移行支援事業所」は、全国で広く運営されています。就労移行支援の対象と利用期間は次のとおりです。

参考:「障害者総合支援法における就労系障害福祉サービス」
関連記事:「就労移行支援とは」

就労移行支援事業所の利用対象者

就労移行支援事業所の利用対象者は、原則として一般就労を希望する18歳以上65歳未満の障害がある方です。精神障害、発達障害、知的障害、身体障害、難病(障害者総合支援法の対象疾病)のある方が対象となります。また、利用には原則として「障害福祉サービス受給者証」が必要です。

関連記事:「【就労移行支援の対象者】就労移行支援はどんな人が利用できるのか」

就労移行支援事業所の利用期間

就労移行支援事業所の利用期間は、原則として最長2年間です。事業所によっては、就職後も最大3年6カ月まで「就労定着支援」を受けることができます。やむを得ない事情がある場合には利用期間の延長が認められることもありますが、あくまでも「2年以内での就労」を目標として取り組みます。

関連記事:「【就労移行支援の利用期間】利用期間の最長と平均・利用期間のリセットや延長について」

サービス利用料は多くの方が無料

就労移行支援などの障害者総合支援法による各種サービスは、利用料の総額の1割を上限として、世帯の所得に応じて月ごとの負担上限額が設けられています。多くの方は実質無料で利用することが可能で、自己負担が発生しない分、費用面での不安が少ない福祉サービスです。

関連記事:「【就労移行支援の利用料金】利用料金と利用時の補助金・自己負担金について」

参考として、パーソルダイバースが運営する就労移行支援「ミラトレ」では、9割以上の方が自己負担なしで利用されています。ただし、前年に就業しており収入があった場合や、一定の世帯収入を超える場合には、所得に応じて自己負担が発生することもあります。

就労移行支援と「就労継続支援」の違い

就労移行支援は「一般企業への就職を目指す方向けの訓練・支援サービス」であるのに対し、就労継続支援は「一般企業での就労が困難な方向けに就労の場を提供するサービス」です。それぞれ目的や対象者、雇用契約、賃金、年齢制限、利用期間などに違いがあります。

「就労移行支援」では、訓練を受けて2年以内に一般企業への就職を目指します。対して、「就労継続支援」は利用期間の制限がなく、現時点で一般企業への就職が難しい方が対象です。就労継続支援はさらにA型とB型に分かれ、「雇用契約の有無」や「年齢・体力」によって選択する型が変わります。
就労移行支援 就労継続支援A型 就労継続支援B型
目的 就職するために必要なスキルを身につける 就労の機会の提供および生産活動の機会の提供 就労の機会の提供および生産活動の機会の提供
対象者 障害のある方、難病のある方で、一般企業へ就職することを希望する方 一般企業での就労は難しいが、雇用契約を結んではたらくことが可能な方 一般企業での就労が難しく、かつ、雇用契約を結んではたらくことが難しい方
雇用契約 なし あり なし
賃金 基本なし
(一部では場合によりあり)
給与が発生 工賃が発生
年齢制限 18歳以上65歳未満 18歳以上65歳未満 18歳以上(条件により15歳以上も利用可)
利用期間 原則2年間以内 定めなし 定めなし

就労移行支援とハローワークの違い

就労移行支援は「障害のある方」を対象とした福祉サービスであるのに対し、ハローワークは「障害の有無にかかわらず求職者全般」を対象とした国の機関です。それぞれ支援対象や内容が大きく異なります。

「ハローワーク」では、すぐに就職を考える人を対象に、求人紹介や求職活動の支援を行う機関です。前段階として、就業に関する知識やスキルを習得できるよう、職業訓練を受けることも可能です。自分の力で定期的に通ったり、申し込みなどを行ったりする必要があるため、通うには自己管理が必要といえます。

対して、「就労移行支援」は、職業訓練の前段階である「生活リズムを整えること」や「集中力を習得すること」、「適性や課題を見つけること」といった職業準備性を整える訓練を受けられます。就労移行支援による総合的な支援を通し、就労の準備が整ったら、ハローワークの協力を得ながら職業を探すといった方法が一般的です。

関連記事:「就労移行支援と就労継続支援の違い」

就労移行支援事業所を利用するメリットは?

就労移行支援事業所を利用する主なメリットは以下のとおりです。
  • 利用するメリット
    ●職務スキルや労働習慣を身につけられる
    ●自己管理能力を高められる
    ●コミュニケーションスキルを身につけられる
    ●就職活動から就職後まで一貫した支援を受けられる
    ●同じ目標に向かって進む仲間ができる

職務スキルや労働習慣を身につけられる

就労移行支援事業所では、基本的なビジネスマナーやスキルを習得するための講座やワークなどのプログラムを実施しています。そのため、一般企業ではたらくために必要な労働習慣を身につけることができるでしょう。

また、事業所によっては特定分野に特化したプログラムを用意している場所もあるため、希望する企業や職種が明確な方は、訓練を通してそれらのスキルを補完・習得できます。自分に合った仕事で活躍するためのスキルを身につけられる就労移行支援事業所を選べば、就職にもつながりやすくなるでしょう。

はたらき続けるための自己管理ができるようになる

長くはたらき続けるためには、日常生活の管理や健康維持が欠かせません。就労移行支援事業所では健康管理や生活リズムを整えるためのアドバイスも行っているので、一般就労に向けた準備を徐々に進めることができます。

また、はたらくうえでは自分の変化にいち早く気づき、障害特性を理解し、自分に合った対処方法を身につけることも大切です。就労移行支援事業所では、自己管理やセルフコントロールの訓練を実施しているところもあります。自分の特性を深く理解し、対処方法を実践できるのは、就労移行支援事業所を利用する大きなメリットといえるでしょう。

コミュニケーションスキルを身につけられる

職場では、はたらく人たちとのコミュニケーションが重要です。受け身にならず、主体的に行動する姿勢が求められます。就労移行支援事業所ではコミュニケーションスキルを身につける、あるいは向上させるためのグループワークをプログラムに取り入れている施設も多くあります。

コミュニケーションスキルは、相手がいないと訓練できません。そのため、グループでトレーニングを受けることができる就労移行支援事業所の利用は有効であると考えられます。

就職活動や就職後の支援を受けられる

就労移行支援事業所では、履歴書など応募書類の作成をはじめ、面接対策、求人選びのアドバイスなど、就職活動全般にわたるサポートを受けられます。さらに、就職後も職場に定着して長くはたらき続けられるよう、継続的な支援を受けることが可能です。「就職できてもはたらき続けられるか不安」という方にとって、就職活動から就職後まで一貫した支援を受けられることは、大きな安心材料となります。

同じ目標に向かって進む仲間ができる

就労移行支援事業所には、一般就労を目指す利用者が通所しています。同じ目標を持つ仲間と出会い、日々を共にすることで孤独感が和らぎ、互いに刺激や励みを受けながら取り組むことができます。通所自体が社会参加の機会にもなり、精神的な安定やモチベーション維持にもつながります。

就労移行支援事業所を利用するデメリットはある?

就労移行支援事業所には多くのメリットがある一方で、以下の点についても把握したうえで利用を検討することが大切です。
  • デメリット
    ●利用できる期間が決まっている
    ●通所の間は収入が発生しない
    ●利用しても就職が保証されるわけではない
    ●事業所によっては自分に合わない可能性がある

利用できる期間が決まっている

就労移行支援事業所の利用期間は、原則として最長2年間と決まっています。ただし、やむを得ない事情が認められた場合、市区町村に申請することで利用期間の延長が認められるケースもあります。「2年で就職できるか不安」と感じる方もいるかもしれませんが、期間内に目標を達成できるよう、事業所のスタッフとともに計画的に取り組むことが重要です。

通所の間は収入が発生しない

就労移行支援事業所は、訓練・準備の期間であるため、給料・賃金は原則発生しません。また、通所中のアルバイトは原則として禁止されています。隠れてアルバイトを行うことは不正行為とみなされ、受給者証の取り消しや返金請求などのペナルティが科される可能性があります。なお、やむを得ない事情がある場合は、事前に自治体に相談することで、例外的に認められるケースがあります。貯金が足りないなど、生活費に困ることがあれば、障害年金や傷病手当金制度を利用するなど、経済的な準備を整えたうえで、利用開始を検討することをおすすめします。

必ず就職できるとは限らない

就労移行支援事業所を利用することで、就職活動の支援を受けることはできますが、就職が保証されるわけではありません。就職率や就職先の業種・職種は、事業所によって異なります。事業所を選ぶ際は、就職実績や支援の具体的な内容をあらかじめ確認することをおすすめします。

事業所によっては自分に合わない可能性もある

就労移行支援事業所は全国に多数あり、提供するプログラムの内容や専門分野、スタッフの支援スタイル、事業所の雰囲気はそれぞれ異なります。自分の障害特性や就職目標に合った事業所を選ぶことが、スムーズな就労移行の第一歩です。見学や体験利用を積極的に活用し、実際の雰囲気を確かめることをおすすめします。

就労移行支援事業所を利用した方がよいかを知るためのチェックリスト

就労移行支援事業所は、就労に向けてのさまざまな訓練や準備を行い、就職につなげるサポートを行っています。
以下のチェックリストで当てはまる項目の多い方は、就労移行支援事業所を利用し、就職するために必要な準備をすることをおすすめします。
項目 チェック
障害や疾患があり、一般企業での就労を希望している ☐
週30時間の労働に向けて、規則正しい生活リズムと体力づくりを心がけている ☐
適度な休憩を取り、集中して作業を行える ☐
通院回数や薬の量などが安定している ☐
自分をサポートしてくれる人(医師・家族・支援機関)がいる ☐
自分の特性と向き合い、自分で課題を解決する力を身につけたいと考えている ☐
困りごとに対して、自分自身で対処する方法を学びたいと考えている ☐
苦手な人やストレッサーへの、主体的な対処方法を話せる ☐
業務指示や指摘に対して素直に受け止め、新しい考え方を取り入れる姿勢を持てている ☐
仕事に対して前向きに挑戦する姿勢、積極的に学ぼうとする意欲を持っている ☐
自分の目指す業界や企業、または職種が明確にある ☐
就職後も長く安定してはたらき続けたいと思っている ☐
一人で就職活動を進めることに不安や孤独感を感じている ☐

就労移行支援事業サービスを利用するには?

先述したように、就労移行支援事業所は広く運営されています。サービスを利用するには、見学や体験を通して実際に通うイメージをつかむことが大切です。「就職後も定期的な面談がある事業所を選びたい」「専門資格を持つ支援員のもとでトレーニングを受けたい」など、自分が通いたいと思う優先順位を決めておくと探しやすいかもしれません。

就労支援事業所に通うための優先順位が決まったら、実際に通える範囲にあるか、以下のような方法で探してみましょう。

市区町村に相談する

市区町村には、障害や難病のある方に対して、国や市区町村と連携して日常生活や社会生活をサポートする「障害福祉課」が設けられています。この障害福祉課は、手帳や支援費制度の受付、訪問などを行うだけでなく、就職に関する相談も可能です。

「自分の住む市区町村や通える範囲に、どのような就労移行支援事業所があるのか」「それぞれの就労移行支援事業所の特徴は何か」などを尋ねてみると、希望に合った事業所の紹介を受けられるでしょう。

専門機関に相談する

障害や難病で通院している場合は、主治医やケースワーカーなどの通院先に相談する方法もあります。また、障害者就業・生活支援センターや、就労支援センター、相談支援事業所、ハローワークなど、専門的な知識をもつ就労支援機関に相談することもおすすめです。自分が目指す業種や職種が明確な場合は、具体的に伝えることで、より理想に合った就労移行支援事業所が選べるでしょう。

検索サイトで調べる

インターネットで検索するのも、自分にマッチした就労移行支援事業所を見つける方法の一つです。検索する際は、「就労移行支援事業所 ○○市」と住んでいる地域を入れたり、「就労移行支援事業所 パソコンスキル」など自分が得意とすることや身につけたいことなどと合わせたりすると、よりマッチしたものが見つかりやすいでしょう。

また、就労移行支援事業所を検索できるサイトや、地域ごとに一覧で紹介しているサイトもあります。パーソルダイバースでも、現在首都圏・中部・関西圏を中心に就労移行支援事業所「ミラトレ」を運営しています。気になる方はお気軽にお問い合わせください。

> 就労移行支援事業所のご案内 

就労移行支援事業所「ミラトレ」の特徴

パーソルダイバース株式会社が提供する「ミラトレ」は、一人ひとりの特性や希望に寄り添った支援を大切にしている就労移行支援事業所です。支援員が利用者の状況や課題を丁寧にヒアリングし、それぞれに適した支援計画を作成するため、自分のペースで就職を目指せる環境が整っています。また、実際の職場を想定した擬似就労プログラムを通じて、強みや課題を把握し、自己理解を深めることが可能です。さらに、就職・転職支援サービス「dodaチャレンジ」と連携し、求人探しや応募書類の作成、面接対策、就職後の定着支援まで一貫して行い、安心して長くはたらき続けられるよう総合的な支援を行っています。就労移行支援事業所の利用を検討している方は、就労移行支援事業所「ミラトレ」にお気軽にお問い合わせください。

関連記事:「はたらく未来をあきらめない就労移行支援ミラトレ」

就労移行支援事業所に関するよくある質問

Q.就労移行支援事業所は誰でも利用できますか?

A.就労移行支援事業所を利用できるのは、原則として就労を希望する18歳以上65歳未満の障害のある方です。身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病などが対象となり、障害者手帳がなくても利用できる場合があります。利用条件は自治体によって異なるため、まずはお住まいの市区町村や就労移行支援事業所に相談してみましょう。

Q.就労移行支援事業所に通いたい場合はどうすればよいですか?

A.興味のある事業所に資料請求や見学を申し込み、実際の雰囲気やプログラム内容を確認することから始めましょう。その後、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口で「障害福祉サービス受給者証」の申請手続きを行います。受給者証が交付されると、サービスの利用を開始できます。

関連記事:「就労移行支援事業所の利用に必要な障害福祉サービス受給者証とは?申請方法とポイントを解説」

就労移行支援事業所選びに迷ったら、まずはミラトレへご相談ください

就労移行支援事業所選びは、今後の就職活動や職場定着にも関わる大切なステップです。どの事業所を選べばよいか迷ったときは、まずミラトレへご相談ください。
就労移行支援は、一般企業への就職とその先の職場定着を目指すための福祉サービスです。就職に必要な知識やスキルを身につけるだけでなく、自身の特性や強みを理解し、安定してはたらき続けるための準備を進められる点が特長です。

ただし、支援内容や訓練プログラムは事業所ごとに異なるため、自分に合った環境を選ぶことが重要です。

ミラトレでは、ビジネススキルの習得はもちろん、擬似就労や職場実習、就職後の定着支援まで一貫してサポートしています。「就職すること」をゴールにするのではなく、「自分らしく長くはたらき続けること」を見据えた支援を提供しています。
「就労移行支援についてもっと知りたい」「利用できるか相談したい」「自分に合う事業所を探したい」という方は、ぜひ見学や個別相談をご利用ください。支援員が一人ひとりの状況やお悩みに寄り添いながら、就職に向けた第一歩をサポートいたします。

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監修者:戸田 幸裕(とだ ゆきひろ)

パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー
上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】
■国家資格キャリアコンサルタント
■障害者職業生活相談員