就職事例

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仕事が長続きしないことから判明した発達障害

事務職/人材派遣・人材紹介
生きづらさを感じている原因は障害だった

生きづらさを感じている原因は障害だった

30代/女性/広汎性発達障害

今回は、広汎性発達障害のある30代女性の就職事例をご紹介します。障害があると知らずに社会人を経験してきたAさんは、これまでどの仕事も長続きしないことが課題となっていました。Aさんがミラトレを利用して就職するまでのストーリーと現在の様子をご紹介します。

どの職場も長続きしなかったAさん。社会人経験を経て自分に障害があることを知る

会社で働く

一般就労の期間が長いAさんは、どの職場も長くはたらき続けられないことが課題となっていました。主に派遣社員としてはたらいてきましたが、契約満了とともに契約終了を迎えることが多く、職歴だけが多くなっていく状態でした。契約が更新されない理由については、はっきりと聞かされたことがなく、思い当たる要因もなかったようです。

そのような折、友人から「発達障害と診断された」という話を聞きます。Aさんは、以前よりこの友人とタイプが似ていると感じていました。このことをきっかけにAさんは、「わたしが感じているこの生きづらさは、もしかすると障害が起因しているのかもしれない」と思うようになります。病院を受診した結果「広汎性発達障害」と診断されました。社会人を10年経験して初めて、Aさんは自分に障害があることを知ったのです。

継続してはたらくために、就労移行支援事業所の利用を決意

就労移行支援事業所

自分に障害があることを知ったAさんは、1つの会社で長くはたらき続けるために、就活の方法を変えようと考えました。そのような中、「就労移行支援事業所」の存在を知り、パーソルチャレンジの就労移行支援事業所「ミラトレ」を利用することを決意。Aさんが選んだ「ミラトレ川口」は、当時「発達障害」特化型の就労移行支援事業所として運営していました。

Aさんはとても話し上手で、コミュニケーション力が高い方です。しかし、トレーニングや実践の中で何か上手くいかないことがあったとき、「できなかった言い訳」を先に伝えてしまうクセがあることを知りました。それはもしかすると、長い社会人経験の中で培った「自分を守るための処世術」だったのかもしれません。職場が「長続きしない」理由について、Aさん本人は特に思い当たることはないと話していましたが、このようなクセが職場での人間関係に影響を与えていたのではないかとも推測できました。

「できない」と伝えてもよい環境があることを知る

「発達障害」と診断を受けて以降、初めて就活をすることになったAさん。「とにかく早く就職したい」という希望を持っていたので、入所直後から就活を意識した訓練を開始しました。Aさんの支援計画では「障害と向き合いながらはたらくこと」を重視し、自身の障害特性を理解するトレーニングからスタートしました。

Aさんは、パソコンの入力や手書きの作業において入力ミスや誤字脱字が多く、気をつけているつもりでもなかなか改善できないことが悩みでした。「同じミスを繰り返す」「物忘れが多い」などは発達障害の障害特性の1つであるということを、理解するまで繰り返し伝えました。自分の障害特性を受容できていなければ、ミスが発生したときに対応できないのは当然のことです。長年の社会人経験の中で、指摘されたことに対して自分の言い分を先に伝えてしまうクセを身につけてしまったAさんですが、トレーニングの中で、まずご自身の障害特性についての理解を深め、課題に対してどのような対応をとるとよいのかを、一緒に考えていきました。

また、「できないこと」は「できない」と伝える必要があること、できないことに対して配慮してくれる職場があることも伝え続けました。一般枠ではたらいた経験があるAさんにとって「できること」は当たり前で、職場では「できない」と言ってはいけないと思い込んでいたのです。できないことに対して配慮を受けられる職場がある事実をなかなか信じられないAさん。実習を通して、「できないこと」を自分の言葉で伝え、できなかったときの言い訳を言わなくてもよい状態を肌で感じてもらうようにしました。

通所開始当初の様子やその後の変化

Aさんは事業所を利用する直前まではたらいていたこともあり、体力的な課題は特になく、利用開始当初から週5日のペースで事業所に通いました。しかし、事業所に通う抵抗感からか、メンタル面の不調により体調を崩したり、急にお休みしたりすることもありました。支援員との面談や日々の訓練を通して、メンタルコントロールを学び、体調を安定させて通所を続けていきます。

「ミスの多さ」に対する対応は、障害特性を理解する過程で徐々にわかってきたようです。支援員からのアドバイスや提案に対しても素直に受け入れられるようになり、一緒にさまざまな方法を模索することができるようになりました。

職務経歴書の作成に試行錯誤しながらも、希望する企業へ就職

履歴書・職務経歴書

Aさんはハローワークへ通ったり、就職サイトに登録して自ら仕事を探したりと、自分の力で積極的に就活ができる人でした。そのような中でも苦労したのは、職務経歴書の書き方です。たくさんの職場を経験してきたAさんは、簡単な記載だけでもA4サイズの職務経歴書に書ききれない程職歴が多かったのです。そのため書類選考で落とされることも多く、その都度支援員やハローワークの担当者からのアドバイスを受け、試行錯誤を繰り返しました。

そういった努力もあり、通所から1年半ほどで障害者のための転職エージェントから紹介された求人に応募し、見事採用。事務職に就くができました。

「はたらく」環境が気持ちを前向きに

定着した就労

就職後のAさんは、はたらくことで体調も安定し、生き生きと仕事ができています。通所時に課題となっていた入力ミスは、対応の仕方を身につけ、徐々に克服しています。入力ミスを減らすための独自のプログラムを作って、対処する程にまでなりました。環境がこんなにも人を変えるのかと思うほど、キラキラと輝いているAさん。事業所に通う以前の習い事も再開するなど、プライベートも充実しているそうです。

Aさんは現在もミラトレの就労定着支援の利用を続けています。不安なことや課題が生じたら支援員に相談しつつ、企業とも調整をし、自分らしくはたらく環境をつくっているようです。

※プライバシー保護のため、事実を元に文章を一部再構成しています。