就職事例

公開日:2022/6/23更新日:2023/3/29
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自分の可能性を広げ、やりがいのある仕事に就けた

事務職/清掃業
知的障害の10代男性Uさんの就職事例

知的障害の10代男性Uさんの就職事例

10代/男性/知的障害

今回紹介するのは、知的障害の10代男性の就職事例です。コミュニケーション面などで課題のあったUさんが、自分の興味につながる仕事に就くまでのストーリーと現在の様子を紹介します。

PCを使った仕事を希望するも、学校からの紹介は難しかった

乳幼児期の病気をきっかけに、知的発達に障害があると診断されたUさんは、3歳の頃に療育手帳を取得します。小学校は特別支援学級に、その後高校までは特別支援学校に進みました。在学中からPCに興味があり、PCを使った仕事に携りたいと話していたそうです。しかし、学校から紹介できる就職先は作業系のみでした。

そのような折、お母様が放課後デイサービスの利用者同士の交流で、ミラトレを活用し一般企業に就職した人の話を聞いたそうです。そして、高校2年生の夏休みに初めてミラトレの体験に来ていただきました。関心の高かったPCに触れる機会が多かったことで、前向きに体験活動に取り組む様子が見られました。高校3年生の冬には、再度体験に来ていただき、高校卒業後にミラトレへ進む道を選びます。

高校卒業後、ミラトレの扉を叩く

高校在学当時、本人には「仕事」という意識はそれほどなかったそうですが、お母様はミラトレを通じて「はたらく」ことを考え、少しでも経験を身につけてほしいという思いがあったと言います。本人の希望する仕事に就くために、ミラトレ支援員がサポートしながら課題と向き合いました。はたらくためのコミュニケーションスキルやビジネスマナーを身につけていきます。

コミュニケーション面の課題もトレーニングを重ねることで変化

卒業後すぐにミラトレを利用いただいたこともあり、体力的にも生活サイクル的にも問題なく、ミラトレ利用開始時から週5日で休むことなく安定通所ができた方でした。誰にでも気さくに話しかける明るい性格の持ち主でしたが、利用当初は空気を読むことが苦手で、距離感が近すぎるなど他の利用者を困惑させることもあったようです。

また、アルファベットの大文字と小文字の区別がつきにくい、漢字が書けないなどの課題もありました。特性に合ったトレーニングを丁寧に行う過程で、Uさんには徐々に変化が見られます。アルファベットや漢字を覚えたり、誰かに話しかけるときは「今お時間よろしいでしょうか」と一声掛けるなどのビジネスマナーが身についたりと、全体的な成長が見られたのです。

新型コロナウイルスの影響で在宅作業になった期間中は、作成したスケジュール表に沿ってトレーニングに取り組むこともできました。在宅支援から通所に戻った際に、仕事と遊びの切り替えができないこともありましたが、今は何をする時間か伝えることで理解し、作業に取り組んでくれました。

障害特性に合わせて工夫された課題にも取り組む

ミラトレでは他の利用者同様に、さまざまな講座や疑似就労に参加してもらいます。基本的なプログラムを受けてもらっていましたが、講座の内容によっては理解が難しい場合もあったため、漢字の書き取り課題に取り組んでもらうこともありました。

アルファベットの大文字と小文字の区別がつきにくく、タイピングの際に混乱してしまうという課題に対しては、PCに小文字のシールを貼って対応し、徐々に大文字との区別がつくようになります。挨拶や基本的なマナーは、支援員が工夫して専用のガイドを作成し、それを見ながら進めることで身につけてもらいました。

仕事の選択肢が広がったタイミングで就職活動を開始

もともとPCを操作する仕事を希望していたUさんですが、清掃や食器洗いなどの仕事にも興味をもつようになりました。きっかけは、ミラトレでの疑似就労の中でコピー用紙の補充や掃除をした時に、相手から感謝されることに喜びを覚えたことだそうです。

通所から約半年が経過した頃、ミラトレ支援員がマッチしそうな求人を見つけます。本人に紹介したところ、前向きな返答があったことから就職活動の準備を進めました。

職場見学と清掃体験を通して「はたらく」ことを実感できた

紹介した求人は、障害のある人もはたらき続けられるよう、マンツーマンでサポートする支援員を配置している病院の清掃業務の仕事でした。実際に職場見学と清掃体験をさせてもらうと、掃除に対する責任感が芽生えたようです。

ミラトレでのトレーニングを通じてぼんやりとイメージしていた「はたらく」ということが、この時身をもって体感できた様子でした。
清掃体験をさせてもらい、はたらくことがより現実的になってきたため、応募書類の作成や面接練習に励むようになります。

履歴書の中には読めない漢字も多く、支援員が話を聞きながら本人の言葉になるように一緒に作成しました。面接の練習では、難しい言葉を理解しにくいことや、自分のことを言葉にして説明することが難しいという課題がありましたが、企業側が汲み取ってくれた部分もあったようです。

そして面接を経て、見学と体験をさせてもらった病院から契約社員としての内定を得ました。ミラトレ通所開始から11カ月後のことでした。

自分の仕事にやりがいと責任感をもち、長期的な就労を目指している

入社から1カ月は、毎日ミラトレ支援員に電話で状況を報告してくれていましたが、困りごとはなく順調とのことです。就職先の支援員の方に指導いただきながら、清掃の仕事にやりがいを感じてはたらいていると言います。

楽しくなってしまうとついおしゃべりに夢中になってしまう場面もあるようですが、支援員の方が声をかけると、すぐに仕事に集中し直せるようです。素直で前向きにさまざまなことを吸収しようとする姿勢が、就職先からもよい印象を持ってもらえています。

人に教えることにも喜びを感じているため、今の業務をしっかりと覚えて、新しい人が入ってきたら丁寧に教えられるようになりたいとも話してくれました。就職後、初めてのお給料で家族にコーヒーマシンをプレゼントするなど充実した様子ではたらかれているUさんは、ミラトレでの経験を活かして長期的な就労を目指しています。

※プライバシー保護のため、事実を元に文章を一部再構成しています。

執筆 : ミラトレノート編集部

パーソルダイバースが運営する就労移行支援事業ミラトレが運営しています。専門家の方にご協力いただきながら、就労移行支援について役立つ内容を発信しています。