就職事例

公開日:2021/12/23更新日:2023/3/29
  • X
  • Facebook
  • はてなブックマーク
  • LINE
  • Email

苦手な電話応対の講座も、受けたからこそ就職につながった

コールセンター/BPOビジネス業界
難病の20代女性Pさんの就職事例

難病の20代女性Pさんの就職事例

20代/女性/難病

今回紹介するのは、難病の20代女性の就職事例です。就労経験がほぼなく、就職に対して不安を感じていたPさんが、ミラトレを利用して就職するまでのストーリーと現在の様子をご紹介します。

難病という身体障害

難病のあるPさんは、幼少期に手術を受け、現在は日常生活に大きな支障がないといいます。しかしながら、合併症が起きることがあり、定期的な検査とケアが必要です。
生まれつきの病気のため、ミラトレに見学に来た段階で、障害についての受容はできている様子でした。しかし、疲れやすいなどの症状があり、通院・服薬もしていたことから、就職に対して不安を感じていたようです。

障害を抱えての就職に不安感

ミラトレに来る以前の就労実績は、ほぼありませんでした。学校を卒業後、飲食店でアルバイトをしたものの、体力的につらいと感じたことと接客時に声が震えてしまうことから、3カ月程でやめてしまったといいます。

また、3カ月に一度通院する状況だったため「就職できるのか」「仕事を続けられるのか」といった不安を感じていたPさん。ご家族からの助言もあり、就労移行支援事業所の存在を知ります。色々と調べる中で、ミラトレへと見学に来られ、ご家族の勧めもあり利用を決めていただきました。

講座や疑似就労に積極的に参加し、緊張しやすい面も徐々に改善

アルバイトの経験から、体力面に不安があったため、はじめから体に負担のかかりにくい事務職を志望されていました。就労経験がほぼない方でしたので、PCスキルやビジネスマナーなどのプログラムを重点的に受けていただきます。体を動かすウォーキングの講座や、緊張しやすい電話応対のプログラムは苦手なようでしたが、それ以外の講座は積極的に参加している様子が見られました。

トレーニングの中では、作業の完成度やスピードに少し課題感がありました。支援員から、もう少しスピードを上げられるようアドバイスしたりといった工夫を施します。疑似就労では、人とのコミュニケーションを学んでもらいました。接客のアルバイト経験を通して、緊張しやすい性質があるとわかっていましたが、疑似就労で対人コミュニケーションを学んでからは、徐々に改善されていったようでした。

通所開始当初の様子やその後の変化

ミラトレ通所開始当初から、週4~5日と安定して通所できた方です。睡眠や食事などの生活習慣も整っていました。
ただ、苦手な講座の日には休むこともあったため、関わりの多いスタッフと面談し、課題を認識してもらうようにはたらきかけます。
だんだんと自分の中で「これではいけない」という意識が芽生え、苦手な講座があっても通所できるようになりました。

実習での頑張りが認められた就職活動

通所も安定しており、就職に向けて身体障害者手帳を取得したPさん。「そろそろ就職活動を始めてもよいのでは」というタイミングで、ある企業の見学と実習に行き、そのまま面接へと進みました。
緊張しやすい本人の性質もふまえ、面接の準備をしっかりとおこないます。具体的には、面接での受け答えはもっと大きな声を出すようにアドバイスしたり、事前に準備してもらった選考用の書類も支援員と一緒に添削したりしました。

企業からは、実習でよい評価を得ることができました。企業の担当者からは「すごく頑張っている」との言葉をもらっています。そして、見学、実習、面接へと進んだ1社目の企業から、無事に内定を得ました。ミラトレ通所開始から、約15カ月後のことでした。

1社目の応募先からの内定

現在は、BPO業務をおこなう企業のコールセンターで、パートタイマーとして勤務しています。1社目の応募先ということで、本人はまず見学してみようという感じで臨んだ就職活動でしたが、トントン拍子で進みました。

支援員から、「まずはコールセンターにチャレンジしてみましょう」と提案させてもらい、応募した企業です。
実際に見学や実習に行くと、職場の雰囲気やはたらいている人の様子も自分に合っていると感じたようです。
ご家族からも「いいと思う」と太鼓判を押してもらい、この企業への就職を決めます。

就職先には、疲れやすいので休憩時間を多めにとらせてほしいといった配慮を求めています。
企業側の担当者からは実習終了時、人前で話すのが苦手だということだったが、とても頑張っているといった評価を得ています。
また、滑舌に関しての指摘があったため、Webミーティングツールの録画機能を活用し振り返りをおこない、どうしたらよいか本人に考えてもらうといった、就職に向けた準備も支援しました。

就職後、大きく意識が変化しさらに成長

Pさんは就職してから「仕事スイッチ」が入ったように見受けられます。ミラトレの中では、苦手だからと避けてしまうこともありましたが、今は「仕事だから頑張ろう」という意識に変わったようです。
責任感も生まれ、自分自身に発破をかけたり鼓舞したりできるようになっています。
また、企業側のスタンスも本人とマッチしたポイントだと感じています。結果だけでなく「頑張っている」プロセスを見てくれる会社であり、成長機会をつくってくれる会社のようです。

将来についてなど、いろいろなことも気にかけてくれているそうです。就職先にはミラトレの卒業生もいるため、お互いに声を掛け合い、気に掛け合いながら、切磋琢磨できているのも本人にとってよい環境だと感じています。
ご自身も、就職を通して充実した生活を送れていると話してくれています。

はたらいた経験がほぼなかった方でしたが、自分で稼いだお金で好きなものを買ったり両親にプレゼントできたりと、とても嬉しそうな顔を見せてくれました。
現在はパートタイム勤務ですが、徐々に勤務時間を延ばしたい、コールセンター以外の別の業務にもチャレンジしたいといった目標も持っているようです。
そして、ミラトレを利用してよかったとも語っています。特に電話応対の講座に関しては「苦手だったけれど受けたからこそ、今の仕事につながっている」と話してくれました。

※プライバシー保護のため、事実を元に文章を一部再構成しています。

執筆 : ミラトレノート編集部

パーソルダイバースが運営する就労移行支援事業ミラトレが運営しています。専門家の方にご協力いただきながら、就労移行支援について役立つ内容を発信しています。