障害のある方が就労移行支援事業所を利用したい場合、「障害福祉サービス受給者証」を申請し、取得しなければなりません。受給者証を取得すれば、行政からの給付金を受けながら、就労移行支援などの障害福祉サービスを利用することができます。障害者手帳をすでにお持ちの人でも、就労移行支援サービスを利用するためには受給者証の取得が必要です。今回は、障害福祉サービス受給者証について、申請の流れや取得時のポイントと合わせて解説します。
受給者証とは
受給者証には、給付を受ける利用者の障害福祉サービスの内容や支給量などが記載されます。利用者はこの受給者証に基づいたサービスを受けることができます。
申請の流れと準備するもの
1.事業所の利用申し込み・行政の窓口に申請
就労移行支援事業所に見学や相談へ行き、利用したい事業所を決定しましょう。事業所への利用申し込みをし、利用が内定している状態で自治体の障害福祉課などに必要書類を揃えて申請します。
2、障害支援区分認定調査
申請先の市区町村職員や認定調査員が、心身の状況を総合的に判定するため訪問調査やヒアリングを行います。就労移行支援事業所のサービスを利用できるだけの体力があるか、体調が整っているか、就職に向けた意欲や気持ちがあるかといった、ご本人の状態確認をはじめ家族、介護者の状況を調査するようです。
3.サービス利用計画作成・提出
就労移行支援事業所を利用して、どのような期間でどのような就職を目指すのかといったサービス利用計画を作成します。利用者本人が作成してもよいですが、作成が難しい場合は、指定相談支援事業者に作成を依頼するのが一般的です。作成後は、給付の申請をした行政の窓口に提出しましょう。
4.暫定支給の決定
自治体によっては、受給者証の暫定支給が行われる場合もあります。作成したサービス利用計画が適切かを判断するため、暫定支給期間中には、利用希望者に対し一定期間就労支援を行います。その中で、支援内容が合っているか、追加で必要なサポートがないかなどを調整します。暫定支給期間は、開始月から最長で2カ月間です。
5.個別支援計画の作成
暫定支給期間中や、支給を待つ間に、サービス提供事業所が主体となり個別支援計画を作成します。受給者証の交付後は、この個別支援計画をもとに就労移行支援が行われるため、暫定期間中の支援内容に補足等が必要であれば、調整して作り込みます。
6.支給決定と受給者証の交付
個別支援計画が受理され、就労移行支援サービスの内容が利用者に通知されると、受給者証が交付されます。申請から約2週間~2カ月後となることが多いようです。
- 印鑑(認印)
- 申請者の氏名や住所が確認できるもの
- 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳等の障害者手帳
- 自立支援医療受給者証(精神疾患を理由として通院している方に交付される証書)
- 障害や病名が確認できる医師の診断書(主治医の意見書)
受給者証取得時のポイント
就労移行支援事業所の多くは、受給者証の申請サポートも行っています。市区町村へ連絡したり、セルフプランの作成をお手伝いしたり、場合によっては市区町村への申請に同行したりすることもあります。利用が内定していれば、市区町村の担当者への後押しも可能です。体験利用や見学・相談を通して、利用したい就労移行支援事業所が決定したら、これらのサポートが可能かも確認するとよいでしょう。
以前就労移行支援事業所を利用し就職したものの、離職してしまい再度事業所を利用したいという場合、市区町村の審査に時間がかかる傾向があります。受給者証の申請が2回目の方も、事業所のサポートをうまく利用するとスムーズに進むでしょう。
取得後について
受給者証を取得すると、記載された給付決定期間中であれば、そのまま使用することができます。ただし、利用する障害福祉サービスを変更したい、期限を延長したいなど、受給者証に記載の支給内容を変更しなければならない場合は、更新の手続きや新たな支給手続きが必要となることもあります。
サービス利用時のお金について
まとめ
執筆 : ミラトレノート編集部
パーソルダイバースが運営する就労移行支援事業ミラトレが運営しています。専門家の方にご協力いただきながら、就労移行支援について役立つ内容を発信しています。
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