基礎知識

公開日:2021/7/19更新日:2026/8/31
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就労移行支援の制度解説

障害福祉サービス受給者証とは?対象者や申請の流れ・取得条件を解説

障害福祉サービス受給者証とは?対象者や申請の流れ・取得条件を解説

障害福祉サービス受給者証とは、障害福祉サービスを利用するために市区町村が交付する証明書です。障害者手帳を持っていない場合でも、条件を満たせば取得できるケースがあります。受給者証を取得すれば、就労移行支援などの障害福祉サービスを利用できるようになり、所得に応じて利用料の負担も軽減されます。

今回は、障害福祉サービス受給者証について、利用できるサービスの種類や条件、申請の流れ・必要書類、取得時のポイントを解説します。

障害福祉サービス受給者証は、就労移行支援や就労継続支援などの障害福祉サービスを利用するために必要な証明書です。障害者手帳がなくても取得できる場合があり、市区町村で申請を行います。申請から交付まではおおむね2週間~2カ月程度かかるため、早めに準備を進めることが大切です。

【この記事で分かること】
●障害福祉サービス受給者証の役割と障害者手帳との違い
●受給者証で利用できるサービスの種類
●受給者証の対象になる人と申請の条件
●申請から交付までの流れ・必要書類・利用料金

障害福祉サービス受給者証とは

「障害福祉サービス受給者証」とは、一般的に受給者証と呼ばれるものです。障害者総合支援法に基づき運営している事業所の障害福祉サービスを利用する際に必要な、各市区町村より交付される証明書です。障害福祉サービスは、介護の支援を受ける「介護給付」、訓練等の支援を受ける「訓練等給付」に分かれていますが、就労移行支援は「訓練等給付」の一つです。

受給者証に記載される内容

受給者証には、給付を受ける利用者の障害福祉サービスの種類、支給量、支給決定期間、負担上限額などが記載されます。

受給者証を取得するメリット

受給者証に記載された障害福祉サービスを利用できるようになります。また、サービスの利用にかかる費用の負担を軽減できる場合があります。

障害福祉サービス受給者証と障害者手帳などの違い

障害福祉サービス受給者証と障害者手帳、自立支援医療受給者証は、役割と発行元が異なる証明書です。受給者証は障害者手帳を持っていなくても、医師の診断書や意見書があれば申請・取得できる場合があります。
名称 障害福祉サービス受給者証 障害者手帳 自立支援医療受給者証
主な目的 障害福祉サービス全般の支給内容・量を証明する 障害の程度を証明し、各種福祉制度の利用対象であることを示す 精神通院医療などの医療費助成を受ける
発行元 市区町村 都道府県・政令指定都市 市区町村
就労移行支援の利用に必要か 必須 必須ではない 不要

障害福祉サービス受給者証で利用できる障害福祉サービスの種類

障害福祉サービスは、大きく「介護給付」と「訓練等給付」に分かれます。就労移行支援などの就労系サービスは、訓練等給付に含まれます。
給付区分 サービス名 概要
介護給付 居宅介護、生活介護など 日常生活や身体介護に関する支援
訓練等給付
 
就労移行支援 一般就労を目指す人向けの訓練・支援
就労継続支援A型/B型 雇用契約の有無に応じた就労の場の提供
就労定着支援 就職後の職場定着に向けた支援

介護給付と訓練等給付の違い

介護給付は日常生活における介護面の支援を目的とし、訓練等給付は就労や自立に向けた訓練を目的とする点が異なります。就労移行支援を検討している場合は、訓練等給付の対象として申請を進めることになります。

就労系障害福祉サービス(就労移行支援・就労継続支援A型/B型・就労定着支援)

就労移行支援は、一般企業への就職を目指す人向けの訓練サービスです。就労継続支援A型/B型は雇用契約の有無によってはたらき方が分かれる就労の場で、障害や疾患などで一般企業への就労が難しい方のために提供されています。A型は雇用契約を結んだうえでの就労、B型は雇用契約を結ばず、工賃が発生する形です。就労定着支援は、就職後に長くはたらき続けられるようフォローするサービスです。それぞれのサービス内容や違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。

※関連記事:就労移行支援とは
※関連記事:【就労移行支援と就労継続支援の違い】2つの支援の内容・どちらが自分に向いているのか

障害福祉サービス受給者証の対象になる人と申請の条件

障害福祉サービス受給者証は、以下の人が対象となります。
  • 対象
    ●身体障害者
    ●知的障害者
    ●精神障害者(発達障害を含む)
    ●障害児
    ●難病患者
就労移行支援の場合は原則として18歳以上65歳未満など、一部のサービスには年齢要件が設けられているケースがあるため、事前に確認しましょう。

障害者手帳がなくても申請できる場合

障害者手帳を持っていない場合でも、医師の診断書や意見書、自立支援医療受給者証などがあれば、障害福祉サービス受給者証を申請・取得できるケースがあります。申請を検討する際は、市区町村の窓口や主治医に必要な書類をあらかじめ確認しておくと、手続きがスムーズに進みます。

障害福祉サービス受給者証の申請の流れと必要書類

受給者証を申請する場合の手続き方法は自治体によって異なりますが、おおむね以下のような流れとなっています。
  • 流れ
    1.事業所の利用申し込み・行政の窓口に申請
    2.障害支援区分認定調査
    3.サービス利用計画作成・提出
    4.暫定支給の決定
    5.個別支援計画の作成
    6.支給決定と受給者証の交付
受給者証の取得は、原則として利用したい事業所が決定してからとなる点に注意しましょう。
申請方法
1.事業所の利用申し込み・行政の窓口に申請
就労移行支援事業所に見学や相談へ行き、利用したい事業所を決定しましょう。事業所への利用申し込みをし、利用が内定している状態で自治体の障害福祉課などに必要書類を揃えて申請します。

就労移行支援事業所への問い合わせ方や見学時のポイントはこちらも参考にしてください。

※関連記事:就労移行支援事業所へ問合わせる際の事前準備と、見学の時に確認すべき5つのポイントを解説

2.障害支援区分認定調査
申請先の市区町村職員や認定調査員が、心身の状況を総合的に判定するため訪問調査やヒアリングを行います。就労移行支援事業所のサービスを利用できるだけの体力があるか、体調が整っているか、就職に向けた意欲や気持ちがあるかといった、ご本人の状態確認をはじめ家族、介護者の状況を調査するようです。

3.サービス利用計画作成・提出
就労移行支援事業所を利用して、どのような期間でどのような就職を目指すのかといったサービス利用計画を作成します。利用者本人が作成してもよいですが、作成が難しい場合は、指定相談支援事業者に作成を依頼するのが一般的です。作成後は、給付の申請をした行政の窓口に提出しましょう。

4.暫定支給の決定
自治体によっては、受給者証の暫定支給が行われる場合もあります。作成したサービス利用計画が適切かを判断するため、暫定支給期間中には、利用希望者に対し一定期間就労支援を行います。その中で、支援内容が合っているか、追加で必要なサポートがないかなどを調整します。暫定支給期間は、開始月から最長で2カ月間です。

5.個別支援計画の作成
暫定支給期間中や、支給を待つ間に、サービス提供事業所が主体となり個別支援計画を作成します。受給者証の交付後は、この個別支援計画をもとに就労移行支援が行われるため、暫定期間中の支援内容に補足等が必要であれば、調整して作り込みます。

6.支給決定と受給者証の交付
個別支援計画が受理され、就労移行支援サービスの内容が利用者に通知されると、受給者証が交付されます。

申請に必要なもの・書類

受給者証を申請する際に必要なものは、市区町村によって異なるため事前に確認しましょう。一般的には、以下のものが必要になることが多いです。
項目 チェック
印鑑(認印) ☐
申請者の氏名や住所が確認できるもの ☐
身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳等の障害者手帳 ☐
自立支援医療受給者証 ☐
障害や病名が確認できる医師の診断書(主治医の意見書) ☐

また、これらの他に収入がわかる書類や健康保険証等の提出を求められることもあります。申請する市区町村や申請者の状況によっても異なるため、事前に障害福祉課の受付窓口に確認するとよいでしょう。

申請から交付までの期間の目安

申請から交付までは、おおむね2週間~2カ月後が目安です。必要な書類や審査にかかる期間は自治体によって差があるため、早めに窓口へ相談しておくと安心です。

障害福祉サービス受給者証取得時のポイント

障害福祉サービス受給者証をスムーズに取得するためには、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
  • ポイント
    ●早めに利用したい事業所を決める
    ●事業所の申請サポートを活用する
どの就労移行支援事業所を利用したいか決めずに受給者証を取得することは困難な場合が多く、市区町村の窓口でまず利用事業所を決めるよう指摘される場合もあります。受給者証の発行には時間もかかるため、早く利用したい、就職したい場合には、早めに体験利用を通して利用したい事業所を決定するとよいでしょう。また、就労移行支援事業所の利用が適切かどうかも事前に検討し、家族や主治医に相談することも大切です。

就労移行支援事業所の多くは、受給者証の申請サポートも行っています。市区町村へ連絡したり、セルフプランの作成をお手伝いしたり、場合によっては市区町村への申請に同行したりすることもあります。利用が内定していれば、市区町村の担当者への後押しも可能です。体験利用や見学・相談を通して、利用したい就労移行支援事業所が決定したら、これらのサポートが可能かも確認するとよいでしょう。

以前就労移行支援事業所を利用し就職したものの、離職してしまい再度事業所を利用したいという場合、市区町村の審査に時間がかかる傾向があります。受給者証の申請が2回目の方も、事業所のサポートをうまく利用すると手続きがスムーズに進むでしょう。

障害福祉サービス受給者証取得後の流れと利用料金

障害福祉サービス受給者証の取得後は、利用事業所との契約を経てサービスの利用を開始します。利用料金は、世帯の所得に応じた上限が設けられています。

事業所との契約・利用開始

受給者証の取得後は、利用したい事業所と利用契約を結び、通所開始となります。就労移行支援事業所「ミラトレ」の場合、利用契約書、重要事項説明書、個人情報保護に関わる同意書の3点が利用開始に必要な書類です。就労移行支援事業所では、作成した「個別支援計画」に則って就職に向けたプログラムを受けます。

受給者証を取得すると、記載された給付決定期間中であれば、そのまま使用することができます。ただし、利用する障害福祉サービスの変更や期限の延長など、受給者証に記載の支給内容を変更しなければならない場合は、更新の手続きや新たな支給手続きが必要となることもあります。

利用料金と自己負担

実際にサービスを利用する際の自己負担額は、厚生労働省によって定められています。利用料の原則1割を負担し、世帯の所得に応じた月ごとの負担上限額が設けられている仕組みです。就労移行支援事業所「ミラトレ」では、9割以上の利用者が自己負担なし(無料)で利用されています。

※関連記事:「ミラトレ」の利用料金

有効期限と更新手続き

障害福祉サービス受給者証の有効期間は、利用するサービスや自治体によって異なります。継続してサービスを利用する場合は更新手続きが必要となり、多くの自治体では有効期間の終了前に案内が届きます。更新時には、あらためて必要書類の提出や手続きを行います。

障害福祉サービス受給者証についてよくある質問

Q. 申請してからどれくらいで届きますか?

A. 申請から交付までは、約2週間~2カ月後が目安です。自治体や書類の状況によって前後します。

Q. 引っ越したら手続きは必要ですか?

A. 新しい住所の市区町村で、転入手続きとあわせて受給者証の新規支給申請を改めて行う必要があります。同じ市区町村内での引っ越しであっても、住所変更に伴う更新手続きが必要です。

Q. 障害者手帳がなくても受給者証を取得できますか?

A. 医師の診断書や意見書、自立支援医療受給者証などがあれば、障害者手帳がなくても申請できる場合があります。

障害福祉サービス受給者証取得の際は「ミラトレ」にご相談ください

障害福祉サービス受給者証は、就労移行支援などの障害福祉サービスを利用するために市区町村が交付する証明書であり、障害者手帳がなくても医師の診断書等があれば取得できる場合があります。申請から交付までは2週間〜2カ月程度かかるため、利用したい事業所を早めに決め、申請サポートを活用することが重要です。

就労移行支援事業所「ミラトレ」では、受給者証の申請に関する相談や書類準備のサポートを行っています。また、見学や体験利用を通じて、自分に合ったはたらき方や必要な支援について相談することも可能です。利用開始後は、生活リズムの安定やビジネススキルの習得、擬似就労による実践的なトレーニングを受けながら、履歴書の作成や面接対策などの就職活動支援を受けることができます。さらに、利用者一人ひとりが安心して長くはたらき続けられるよう、就職後の定着支援も行っています。受給者証の取得や就労移行支援の利用を検討している方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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監修者:戸田 幸裕(とだ ゆきひろ)

パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー
上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】
■国家資格キャリアコンサルタント
■障害者職業生活相談員