パニック障害は強い恐怖心や不安とともに、さまざまな身体症状が現れる病気です。その苦しさをなかなか他人には理解してもらえないと悩んでいる方も少なくありません。パニック障害を発症すると、仕事中にパニック発作が起きることを恐れ、仕事を続けることに困難を感じる方もいることでしょう。この記事では、症状緩和に向けてパニック障害の基礎知識や治療法を紹介するとともに、パニック障害のある方が仕事を続けるための対処法や、休職・退職についても解説します。仕事を続ける場合のメリットやデメリットについても取り上げますので、ご自身あてはめながら、仕事を続けるべきかどうか検討してみてくださいね。
パニック障害とは
パニック障害とは、突然理由もなく体や心に不調が現れる不安障害のひとつです。パニック障害が起こる原因や治療法について見ていきましょう。
パニック障害の症状
パニック障害は、強い恐怖感や不安とともに身体的な不調が現れる不安障害です。身体症状は、動悸や呼吸困難、過呼吸、吐き気、めまい、発汗、手足の震えなど、人によってさまざま。何の前触れもなく起こるため、意識的にコントロールすることが難しいですが、適切な治療をおこなうことによって克服することができます。
パニック障害には、主に「パニック発作」「予期不安」「広場恐怖」という3つの症状があります。強い恐怖感や苦痛が現れる「パニック発作」は、場所や状況にかかわらず突然起こるものです。発作を何度か繰り返すうちに、「また起こったらどうしよう」という不安が消えなくなります。この状態はパニック障害の特徴のひとつで、「予期不安」といいます。
また、パニック障害は「広場恐怖」という症状を伴う場合があります。「広場恐怖」とは、パニック症状から逃れられない状況や特定の場所(広場に限らない)を避ける症状のこと。乗り物や劇場など、行動の自由が制限される場所を避けたり、人前に出られなくなったりといった状況が続き、日常生活に支障の出る可能性があります。
パニック障害には、主に「パニック発作」「予期不安」「広場恐怖」という3つの症状があります。強い恐怖感や苦痛が現れる「パニック発作」は、場所や状況にかかわらず突然起こるものです。発作を何度か繰り返すうちに、「また起こったらどうしよう」という不安が消えなくなります。この状態はパニック障害の特徴のひとつで、「予期不安」といいます。
また、パニック障害は「広場恐怖」という症状を伴う場合があります。「広場恐怖」とは、パニック症状から逃れられない状況や特定の場所(広場に限らない)を避ける症状のこと。乗り物や劇場など、行動の自由が制限される場所を避けたり、人前に出られなくなったりといった状況が続き、日常生活に支障の出る可能性があります。
パニック障害の要因
パニック障害の原因は、いまだはっきりとわかっていません。パニック障害は、健康でもかかる可能性があり、一生の間にパニック障害にかかる人は 100人に1~3人といわれています。生まれながらの先天的な要因と、幼少期の心的外傷をはじめとする後天的な要因が考えられていますが、実証にはいたっていません。
ストレスや環境の変化は、パニック障害の直接的な原因ではないと考えられています。しかし、人間関係をはじめとする精神的なストレスや、疲れなどの肉体的なストレスが、発作の原因となっている可能性も指摘されています。
ストレスや環境の変化は、パニック障害の直接的な原因ではないと考えられています。しかし、人間関係をはじめとする精神的なストレスや、疲れなどの肉体的なストレスが、発作の原因となっている可能性も指摘されています。
パニック障害の治療法
パニック障害の症状が現れたら慢性化によるうつ病等の発症予防のためにも、なるべく早く医療機関を受診しましょう。パニック障害の治療法としては、気持ちを落ち着かせる薬と発作を抑える薬の併用による薬物療法が多く用いられています。薬物療法の方針については、医師の説明を受けた上で、薬物の効果や、副作用など短所、費用の差、妊娠や授乳の有無など、自分の希望に合ったものを処方してもらえるように要望を伝えるようにしましょう。
薬物療法で症状を緩和してから、認知行動療法を併用するケースもあります。そのひとつである行動療法(暴露療法)は、パニック発作が起こりやすい場所や状況に少しずつチャレンジして、不安になれることで克服していくリハビリ的な治療法です。
薬物療法で症状を緩和してから、認知行動療法を併用するケースもあります。そのひとつである行動療法(暴露療法)は、パニック発作が起こりやすい場所や状況に少しずつチャレンジして、不安になれることで克服していくリハビリ的な治療法です。
パニック障害があっても仕事を続けるメリットとデメリット
パニック障害を発症して通勤や業務に支障が出ると、「退職するしかない」と考える方もいるかもしれません。しかし、職場の配置転換や環境調整、業務内容の変更が、症状の緩和につながる場合もあります。はたらきながら治療を続けるうちに、仕事や会社に対する見方が変わってくることもあるでしょう。退職という大きな選択をする前に、医師や上司、家族にはたらき方を相談してみることをおすすめします。
仕事を続けるという選択をした場合、どのようなメリットとデメリットが考えられるでしょうか。それぞれの具体例を紹介します。
仕事を続けるという選択をした場合、どのようなメリットとデメリットが考えられるでしょうか。それぞれの具体例を紹介します。
仕事を続けるメリット
パニック障害を発症した後も仕事を続けるメリットとして、主に下記が考えられます。
- 収入を確保できる
- 職歴にブランクが空かない
- 家族に心配がかからない
仕事を続けられれば、一定の収入があり、経済面の不安を軽くできるでしょう。
また、退職すると職歴に空白期間ができ、ブランクが長くなるほど再就職に二の足を踏んでしまうことがあります。就職活動を開始しても、「面接でブランク期間をどのように説明しよう」と悩んでしまう方も少なくありません。仕事を続けることによって、職歴にブランクができないというメリットがあります。
パニック障害と付き合うためには家族のサポートも必要です。障害について相談することは大切ですが、余計な心配をかけたくないと思う方もいることでしょう。毎日仕事に出かけることで、家族の心配を和らげることができます。
また、退職すると職歴に空白期間ができ、ブランクが長くなるほど再就職に二の足を踏んでしまうことがあります。就職活動を開始しても、「面接でブランク期間をどのように説明しよう」と悩んでしまう方も少なくありません。仕事を続けることによって、職歴にブランクができないというメリットがあります。
パニック障害と付き合うためには家族のサポートも必要です。障害について相談することは大切ですが、余計な心配をかけたくないと思う方もいることでしょう。毎日仕事に出かけることで、家族の心配を和らげることができます。
仕事を続けるデメリット
パニック障害を発症した方が仕事を続ける場合、下記のようなデメリットが生じる可能性があります。
- 大きく体調を崩し、療養期間が長くなる可能性がある
- 仕事を休みがちになり評価が下がる
- 状況が悪化すると家族に心配をかける
パニック障害は突発的に重い症状が現れるものの、発作はすぐに収まり、身体検査でも異常は見られません。発作時以外は平常通り仕事ができるため、治療より仕事を優先してしまうケースがあります。その場合、大きく体調を崩し、症状が長期化することもあります。
長く仕事を続けるためには、自分の心や体と相談しながら、時には仕事を休むことも必要です。しかし、本人以外の方からはわかりにくい障害ということもあり、仕事を休みがちになると職場からの評価に影響することもあるでしょう。
また、「家族に心配をかけたくない」と仕事を続けても、体調を崩して休みがちになると、家族の心配は増えてしまうかもしれません。仕事を続ける場合も、がんばりすぎないことが大切です。
長く仕事を続けるためには、自分の心や体と相談しながら、時には仕事を休むことも必要です。しかし、本人以外の方からはわかりにくい障害ということもあり、仕事を休みがちになると職場からの評価に影響することもあるでしょう。
また、「家族に心配をかけたくない」と仕事を続けても、体調を崩して休みがちになると、家族の心配は増えてしまうかもしれません。仕事を続ける場合も、がんばりすぎないことが大切です。
パニック障害のある方が仕事を続けるための対策
パニック発作は、工夫次第で発生の頻度を少なくできるかもしれません。パニック障害のある方が仕事を続けるためには、自分に合った対処法を見つけ、体調の安定を心がけましょう。対処法の一例として下記が挙げられます。
- 通勤ラッシュの時間帯を避ける
- 職場環境を調整する
- はたらき方を変更する
「広場恐怖」を伴うパニック障害の方は、すぐに逃げられない空間や狭い空間、人込みなどで発作を起こすことがあります。通勤ラッシュの電車や、渋滞中の車に乗り合わせないよう、通勤手段や通勤時間を検討しましょう。電車通勤の場合、特急ではなく各駅電車を選び、乗降ドアの近くにいると、「すぐに下車できる」という安心感が生まれます。
職場でも、閉塞感のあるデスク配置や緊張感のある業務は、上司に相談の上、できることなら調整してもらいましょう。窓やドア付近の席に配置変更していただくことや、ドアを少し開けた状態にしておくこともよいかもしれません。体調に応じて短時間勤務や在宅ワークに変更してもらうことも、長くはたらき続けるために取り入れたい手段です。
人によっては、光や音が不安を呼び起こすきっかけになることもあります。強い照明の下での作業や機械作業、電話対応など、自分にとって不安を強く感じる作業は一人ひとり違うでしょう。心身に支障が出る作業と、落ち着いてできる作業について、上司に相談してみてはいかがでしょうか。
職場でも、閉塞感のあるデスク配置や緊張感のある業務は、上司に相談の上、できることなら調整してもらいましょう。窓やドア付近の席に配置変更していただくことや、ドアを少し開けた状態にしておくこともよいかもしれません。体調に応じて短時間勤務や在宅ワークに変更してもらうことも、長くはたらき続けるために取り入れたい手段です。
人によっては、光や音が不安を呼び起こすきっかけになることもあります。強い照明の下での作業や機械作業、電話対応など、自分にとって不安を強く感じる作業は一人ひとり違うでしょう。心身に支障が出る作業と、落ち着いてできる作業について、上司に相談してみてはいかがでしょうか。
パニック障害のある方が退職・休職する場合
自分の症状や状況を踏まえ、仕事を続けることは難しいと判断したら、退職や休職も選択肢のひとつです
。仕事や同僚に対する責任感から、なかなか退職や休職に踏み切れない方もいるかもしれません。しかし、まずは治療に専念してから、あらためてはたらき方を考えてみてはいかがでしょうか。復職を目指す方のために、「リワーク」と呼ばれる支援制度もあります。
。仕事や同僚に対する責任感から、なかなか退職や休職に踏み切れない方もいるかもしれません。しかし、まずは治療に専念してから、あらためてはたらき方を考えてみてはいかがでしょうか。復職を目指す方のために、「リワーク」と呼ばれる支援制度もあります。
パニック障害のある方の就職事例
就労移行支援事業所「ミラトレ」では、パニック障害の方の就職や再就職をサポートしています。実際に、パニック障害と向き合いながら再就職を叶えたミラトレ利用者のストーリーを紹介します。
業務量の増加に伴うストレスでパニック障害とうつ病を発症したMさんは、退職を決意。数年間のブランクを経て、再就職に向けてミラトレに入所されました。前職で培ったPCスキルを伸ばしながら、コミュニケーション能力の向上に取り組みました。その努力が実り、ミラトレ入所から10カ月後、晴れて内定を得ることができました。現在は、職場環境や業務量の配慮を受けながら、PCスキルを活かせる仕事に取り組んでいます。
業務量の増加に伴うストレスでパニック障害とうつ病を発症したMさんは、退職を決意。数年間のブランクを経て、再就職に向けてミラトレに入所されました。前職で培ったPCスキルを伸ばしながら、コミュニケーション能力の向上に取り組みました。その努力が実り、ミラトレ入所から10カ月後、晴れて内定を得ることができました。現在は、職場環境や業務量の配慮を受けながら、PCスキルを活かせる仕事に取り組んでいます。
パニック障害と付き合いながらはたらき続けたい方には、就労移行支援がおすすめ
パニック障害があっても、障害による体調の変化や、仕事上の得意・不得意を理解することで、仕事を続ける道が見えてくるかもしれません。第三者のサポートが必要だと感じたら、専門機関の利用をおすすめします。
就労移行支援事業所「ミラトレ」では、トレーニングを通して障害理解・自己理解を促し、はたらくための力を身につけられます。就職に向けたトレーニングや就職活動のサポート、就職後にはたらき続けるための定着支援もおこなっています。就労移行支援やミラトレに関するご質問・ご相談は、お気軽にお問い合わせください。
就労移行支援事業所「ミラトレ」では、トレーニングを通して障害理解・自己理解を促し、はたらくための力を身につけられます。就職に向けたトレーニングや就職活動のサポート、就職後にはたらき続けるための定着支援もおこなっています。就労移行支援やミラトレに関するご質問・ご相談は、お気軽にお問い合わせください。
執筆 : ミラトレノート編集部
パーソルダイバースが運営する就労移行支援事業ミラトレが運営しています。専門家の方にご協力いただきながら、就労移行支援について役立つ内容を発信しています。
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