就労移行支援とは、「障害と折り合いながら一般企業ではたらきたい」という人に、職業訓練や就職支援を提供する福祉サービスです。「気になるけれど利用方法がよくわからない」「利用したいけれど、どの事業所を選べば良いかわからない」という人もいるでしょう。そこで今回は、就労移行支援を利用するメリットや事業所選びのポイント、就職までの流れについて解説します。ぜひこの記事を活用して、いきいきと活躍できる道を見つけてください。
目次
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1.就労移行支援とは
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2.就労移行支援を利用するメリット
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2-1.職業訓練でスキルを磨ける
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2-2.生活リズムを整えられる
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2-3.自己理解、障害理解を深めて、自分に合うはたらき方や職場を選ぶことができる
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2-4.専門的な知識や経験をもつスタッフに、就職に向けた各種相談ができる
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2-5.就職を目指す仲間と一緒に目標に向かうことで、意欲を継続できる
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2-6.体験実習などで実際にはたらくイメージをつかめる
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2-7.就職後も職場への定着支援を受けられる
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3.就労移行支援を利用するデメリット
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3-1.通所期間が2年間と限られている
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3-2.通所期間中は無収入になる
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3-3.必ずしも就職できるとは限らない
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4.就労移行支援を利用して就職するために心がける4つのポイント
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4-1.事業所が自分に合っているか確認する
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4-2.生活リズムを整える
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4-3.通所と治療を両立する
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4-4.支援員と相談して計画を立てる
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5.就職に向けた事業所選びのポイント
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5-1.ポイント(1)課題解決に向けたプログラムを実施しているか
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5-2.ポイント(2)自分の障害が支援対象となっているか
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5-3.ポイント(3)雰囲気は自分に合っているか
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5-4.ポイント(4)通いやすいか
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5-5.ポイント(5)これまでの実績はどうか
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6.ミラトレでは長年のノウハウを活かし、高い就職率を実現
就労移行支援とは
就労移行支援とは、障害や難病のある人を対象に、一般就労(企業や官公庁ではたらくこと。雇用形態は、一般雇用と障害者雇用がある)をめざすためのスキル向上や就職活動をサポートする制度です。就労移行支援は、障害者総合支援法に基づく就労支援サービスのひとつです。一般企業への就職を目指す障害のある人(65歳未満)を対象に、就職に必要な知識やスキル向上のために、次のような支援をおこないます。
①はたらくための知識や能力を身につけるための訓練の提供
②自己理解・障害理解を深めて、職業適性を把握するための支援
③応募書類の添削、面接練習など就職活動の支援
④就労後のアフターフォロー(職場定着支援)
これらのサービスを提供するための支援メニューや講座の難易度は、事業所によって特徴があります。
障害福祉サービスのひとつなので利用料の補助制度があり、利用者の多くが無料で利用しています。利用条件や料金などの概要は次の通りです。
【利用条件】
●原則として18歳以上、満65歳未満
●障害もしくは難病がある
●離職中である(休職中の人が利用できる場合もある)
●一般企業ではたらくことを希望している
※65歳に達する前5年間に障害福祉サービスの支給決定を受けており、65歳に達する前日において就労移行支援の支給決定を受けていた人は、当該サービスを引き続き利用できます
※障害者手帳がなくても医師の診断・定期的な通院があれば申請可能な場合があります
※就労移行支援の利用には障害福祉サービス受給者証(受給者証)が必要ですが、申請は「利用する事業所が決定(事業所、利用者双方が合意)」してからおこないます
【通所期間】
最長2年間(事情に応じて、最長1年間の延長が認められる場合がある。ただし、地域によって対応は異なる。「延長利用することで就職の見込みがある」と判断された場合のみ適用される)
【利用料】
利用料の月額上限は、前年度の世帯収入によって異なります。以下の表を参考にしてください。
①はたらくための知識や能力を身につけるための訓練の提供
②自己理解・障害理解を深めて、職業適性を把握するための支援
③応募書類の添削、面接練習など就職活動の支援
④就労後のアフターフォロー(職場定着支援)
これらのサービスを提供するための支援メニューや講座の難易度は、事業所によって特徴があります。
障害福祉サービスのひとつなので利用料の補助制度があり、利用者の多くが無料で利用しています。利用条件や料金などの概要は次の通りです。
【利用条件】
●原則として18歳以上、満65歳未満
●障害もしくは難病がある
●離職中である(休職中の人が利用できる場合もある)
●一般企業ではたらくことを希望している
※65歳に達する前5年間に障害福祉サービスの支給決定を受けており、65歳に達する前日において就労移行支援の支給決定を受けていた人は、当該サービスを引き続き利用できます
※障害者手帳がなくても医師の診断・定期的な通院があれば申請可能な場合があります
※就労移行支援の利用には障害福祉サービス受給者証(受給者証)が必要ですが、申請は「利用する事業所が決定(事業所、利用者双方が合意)」してからおこないます
【通所期間】
最長2年間(事情に応じて、最長1年間の延長が認められる場合がある。ただし、地域によって対応は異なる。「延長利用することで就職の見込みがある」と判断された場合のみ適用される)
【利用料】
利用料の月額上限は、前年度の世帯収入によって異なります。以下の表を参考にしてください。
区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
---|---|---|
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯 ※注1 | 0円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満) ※注2・注3 | 9,300円 |
一般2 | 上記以外 | 3万7,200円 |
※注1:3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入がおおむね300万円以下の世帯が対象
※注2:収入がおおむね670万円以下の世帯が対象
※注3:20歳以上の入所施設利用者、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」に分類
※関連記事:『就労移行支援とは』
※注2:収入がおおむね670万円以下の世帯が対象
※注3:20歳以上の入所施設利用者、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」に分類
※関連記事:『就労移行支援とは』
就労移行支援を利用するメリット
就労移行支援を利用する主なメリットは次の通りです。
- 職業訓練でスキルを磨ける
- 生活リズムを整えられる
- 自己理解、障害理解を深めて、自分に合うはたらき方や職場を選ぶことができる
- 専門的な知識や経験をもつスタッフに、就職にむけた各種相談ができる
- 就職を目指す仲間と一緒に目標に向かうことで、意欲を継続できる
- 体験実習などで実際にはたらくイメージをつかめる
- 就職後も職場に定着するための支援を受けられる
それぞれのメリットについて解説します。
職業訓練でスキルを磨ける
就労移行支援事業所では、利用者一人ひとりの特性や希望に応じた個別支援計画書を作成し、スキルアップの目標やスケジュールを立てます。そのため、「自分に不足しているスキルがわからない」「就職活動と並行してスキルを習得するのは難しい」という人も、自分に合ったスキルを計画的に学べるでしょう。パソコンスキルのようなビジネススキルだけでなく、ビジネスマナーやコミュニケーションスキルなど、総合的な「はたらく力」を身につけられます。
生活リズムを整えられる
一人で就職活動に取り組む場合、毎日決まった時間に通勤する必要がないため生活リズムが乱れやすく、心身の不調を招くケースがあります。就労移行支援では、無理のないペースで通所日数を増やしながら週5日の通所をめざすため、生活リズムを整えられるでしょう。また、生活管理や健康管理の講座が提供されており、自分の特性に合った体調管理法を習得できます。
自己理解、障害理解を深めて、自分に合うはたらき方や職場を選ぶことができる
支援員との面談などを通じて、障害特性や職業適性への理解を深められます。自分を客観視すると、それまで気付けなかったことが見えてくるでしょう。強みや弱み、望ましい配慮などを整理しながら、自分に合うはたらき方を探せるため、仕事のミスマッチが起こりにくくなります。
専門的な知識や経験をもつスタッフに、就職に向けた各種相談ができる
求人情報の探し方や、履歴書・職務経歴書の書き方、自己PRのポイントなど、就職に関するあらゆる相談をおこなえます。専門的な知識と経験をもつ支援員のアドバイスは、大きな支えとなるでしょう。支援員から模擬面接や面接同行などのサポートも受けられます。
就職を目指す仲間と一緒に目標に向かうことで、意欲を継続できる
就労移行支援事業所では、職場でのチームワークを学べるようグループワークを取り入れています。それらの活動を通じて利用者間の連帯感が生まれ、就労への意欲を高め合えます。障害や就職の悩みを分かち合える仲間の存在は得がたいものとなるでしょう。
体験実習などで実際にはたらくイメージをつかめる
実際の職場を想定した模擬就労を通じて、実践力を養えることもメリットです。企業に出向いて業務に携わる体験実習をおこなっている事業所もあります。業務を体験してみると、自分に合う職場環境や仕事内容、得意不得意が見えてくるでしょう。実践的なトレーニングを通じて失敗と成功体験を積み重ねながら、はたらく自信を養えます。
就職後も職場への定着支援を受けられる
事業所によっては、就職支援だけでなく、就職後の定着支援もおこなっています。就職後、「仕事内容や職場環境の調整について相談したいけれど、上司にどう伝えれば良いかわからない」「うまく意思疎通を図れない同僚がいる」など、仕事の悩みをもつことがあるかもしれません。そのようなとき、支援員が企業との橋渡し役となって、悩みの解決をサポートしてくれます。
就労移行支援を利用するデメリット
就労移行支援を利用する主なデメリットは次の通りです。
- 通所期間が2年間と限られている
- 通所期間中は無収入になる
- 必ずしも就職できるとは限らない
それぞれのデメリットについて解説します。
通所期間が2年間と限られている
通所できる期間は最大2年間です。その間に、体調不良などやむを得ない理由で通所できなかったり、就職できなかったりした場合、通所期間を1年間延長できる場合もあります。しかし、延長を申請しても必ず認められるとは限りません。
通所期間中は無収入になる
就労移行支援の通所期間中は、無料もしくは低料金で職業訓練を受けられる反面、収入を得ることができません。通所期間中のアルバイトも原則禁止ですが、短時間のアルバイトが認められるケースもあるため確認が必要です。生活を支える手段として、雇用保険(失業保険)や傷病手当、障害年金、生活保護などの支援制度を活用できるか、市区町村役所の福祉係などに相談すると良いでしょう。
必ずしも就職できるとは限らない
就労移行支援事業所を利用して一般企業などに就職した人の割合は5割を超え、年々上昇しています。しかし、就労移行支援は就職を保証する制度ではありません。「自分に合う事業所を見つけること」「支援を糧にすること」が、就職実現の鍵となるでしょう。また、就労移行支援の模擬就労は実務経験として認められないというデメリットもあります。
就労移行支援を利用して就職するために心がける4つのポイント
就労移行支援を利用して就職するには、以下で紹介するポイントを心がけると良いでしょう。
事業所が自分に合っているか確認する
事業所によって、対応している障害や支援内容、雰囲気が異なるため、自分に合った事業所を選ぶことが大切です。精神障害や発達障害、身体障害などあらゆる障害に対応している事業所もあれば、特定の障害に特化している事業所もあります。
また就労移行支援事業所は、汎用的な訓練をおこなう「一般型」と訓練の専門性が高い「職業特化型」にわかれます。事業所の情報はインターネットでも収集できますが、障害者就業・生活支援センターやハローワーク障害者専門窓口などの専門機関に相談すると、特性や希望に合う事業所を提案してくれるでしょう。
また就労移行支援事業所は、汎用的な訓練をおこなう「一般型」と訓練の専門性が高い「職業特化型」にわかれます。事業所の情報はインターネットでも収集できますが、障害者就業・生活支援センターやハローワーク障害者専門窓口などの専門機関に相談すると、特性や希望に合う事業所を提案してくれるでしょう。
生活リズムを整える
生活リズムを安定させることで、3つのメリットがあります。1つ目は、心身の健康状態が安定し、ポジティブな気持ちで訓練や就職活動に臨めること。2つ目は、毎朝決まった時間に起床する習慣を身につけることで、就職後も遅刻を回避しながら安定的にはたらけること。3つ目は、多くの企業が「生活管理能力の有無」を選考基準のひとつにおいているため、規則正しい生活が就職活動のアピールポイントになることです。生活リズムを整えられるよう、起床や運動、食事のタイムスケジュールを作成してみましょう。
通所と治療を両立する
通所によって体力が回復し、訓練に気持ちが集中すると、治療がおろそかになってしまいがちです。しかし、本格的な就職活動が始まってから体調不良を招く恐れもあるため、医師の指示に従って通院や服薬を続けましょう。就労移行支援事業所の支援員が、通院に同行してくれる場合もあります。
支援員と相談して計画を立てる
就労移行支援を利用した場合は、就職に向けた目標を立てて、それにそったトレーニングを受けます。この目標を記入した書類を個別支援計画といいます。支援員と計画の進捗度を確認したり、軌道修正をおこなったりしながら、目標を見失わないことが大切です。
就職に向けた事業所選びのポイント
事業所選びは、訓練の充実度や就職活動の成否を左右します。以下の事項をチェックして、慎重に事業所を選びましょう。
ポイント(1)課題解決に向けたプログラムを実施しているか
「コミュニケーション面に不安がある」「パソコンスキルが不足している」など、自分の課題が明らかになっている人もいるでしょう。そのような人は、課題解決に適したプログラムをおこなっている事業所を選びます。課題が明らかになっていない人は、事業所見学や体験通所を通して、課題発見からサポートしてもらえる事業所を見つけると良いでしょう。
ポイント(2)自分の障害が支援対象となっているか
特定の障害に特化した支援をおこなっている事業所もあります。フォロー体制やプログラム内容が自分の障害に合っているか確認しましょう。たとえばうつ病の人は、「うつ病の人のサポート実績が豊富」「メンタルケアプログラムが充実している」「精神保健福祉士が在籍している」などの特徴がある事業所を選ぶと、訓練がスムーズに進む可能性があります。
ポイント(3)雰囲気は自分に合っているか
「賑やかでアットホーム」「静かで落ち着いている」など、雰囲気は事業所ごとに異なります。事業所選びの際は、インターネットや電話で得た情報だけで判断せず、実際に事業所を訪れて雰囲気が自分に合っているか確かめましょう。いくつかの事業所に足を運んで見学をして比較検討しましょう。その上で、自分に合いそうな事業所は体験利用をしてみた上で利用を決めることをおすすめします。
ポイント(4)通いやすいか
毎日のように通所することを考えると、通いやすさは重要なポイントです。自宅からの移動手段や交通費を事前に確認しておくことをおすすめします。実際に足を運んでみると、「交通機関が混雑していて毎日通うのは大変そう」「駅近ではないが、徒歩移動が気分転換になりそう」など、さまざまな気づきがあるでしょう。
ポイント(5)これまでの実績はどうか
就職実績の高い事業所は、就職支援のノウハウが豊富です。職種の希望がある人は、その分野の就職実績も確認すると良いでしょう。また、就職実績だけでなく定着実績の高い事業所を選ぶと、安心してはたらくために、定期面談をはじめ各種サポートが受けられるなど、充実した定着支援を受けられる可能性が高まります。ホームページなどで就職事例を参考にするのも良いでしょう。
ミラトレでは長年のノウハウを活かし、高い就職率を実現
どの就労移行支援事業所を選ぶかによって、その後の人生が大きく変わる可能性もあります。支援内容や雰囲気を自分の目で確かめて、慎重に選びましょう。
就労移行支援事業所「ミラトレ」は、2012年に前身である「さいたまキャリアセンター」を開設して以来、着実にノウハウと実績を積み上げています。利用されている方の障害種別は精神や知的、身体などさまざまです。進路の選択肢が広がるよう、障害者向け転職・就職支援サービス「dodaチャレンジ」と連携し、企業との関係づくりをおこなっています。就職率95%、職場定着率97%という実績を維持できるよう、プログラム内容やサポート体制の質向上を図っています。
ミラトレでは、見学や体験利用、個別相談をおこなっています。ご質問やご相談も受け付けていますので、気軽にお問い合わせください。
就労移行支援事業所「ミラトレ」は、2012年に前身である「さいたまキャリアセンター」を開設して以来、着実にノウハウと実績を積み上げています。利用されている方の障害種別は精神や知的、身体などさまざまです。進路の選択肢が広がるよう、障害者向け転職・就職支援サービス「dodaチャレンジ」と連携し、企業との関係づくりをおこなっています。就職率95%、職場定着率97%という実績を維持できるよう、プログラム内容やサポート体制の質向上を図っています。
ミラトレでは、見学や体験利用、個別相談をおこなっています。ご質問やご相談も受け付けていますので、気軽にお問い合わせください。
執筆 : ミラトレノート編集部
パーソルダイバースが運営する就労移行支援事業ミラトレが運営しています。専門家の方にご協力いただきながら、就労移行支援について役立つ内容を発信しています。
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