就職事例

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はたらいた経験がなくとも、就職して活躍

清掃スタッフ/福祉関連
就労継続支援B型事業所の閉鎖にともない、就労移行支援事業所の利用へ

就労継続支援B型事業所の閉鎖にともない、就労移行支援事業所の利用へ

20代/男性/精神障害

今回ご紹介するのは、知的障害と統合失調症のある20代男性の就職事例です。自身の障害について理解・受容ができていなかったEさんが、ミラトレを利用して就職するまでのストーリーと現在の様子をご紹介します。

就労継続支援B型を利用するも、自身の置かれた状況に違和感

仕事での軽作業
知的障害のあるEさんは、大学に進学・卒業したものの、卒業後の進路がなかなか決まらなかったそうです。学生時代のアルバイトなども含め、一般企業ではたらいた経験がありませんでした。
家族の協力のもと就職活動を進め、ハローワークの求人票から応募したのは、就労継続支援B型の事業所でした。本人の理解や事業所の説明が不十分だったためか、「福祉サービス」なのか「仕事」にあたるのかが、よくわかっていなかったようです。事業所では梱包作業や箱の組み立てなどの作業を行い、その対価として工賃を受け取っていたという点では、Eさんにとってのはじめての仕事だったと言えます。

しかし、自身の障害をきちんと受容できていなかったこともあり、「もっと別の仕事ができるはずだ」と、任せられる仕事に違和感を覚えていたようです。それにより、周りの人とのトラブルもあったと言います。

家族からの後押しもあり、就労移行支援事業所の利用を決意

1年間利用していた就労継続支援B型事業所が閉鎖されることとなり、支援員に勧められたのが「就労移行支援事業所」でした。ご本人にそれほど強い就職願望があったわけではありませんが、家族からのプレッシャーもあり、危機感は持っていたようです。

家族とともに見学に来たEさん。就職実績や本人のはたらく意思、家族の後押しもあって「ミラトレ」の利用を決意されました。

「統合失調症」の診断と、障害特性の理解

医師からの診断
ミラトレの支援員は、見学に来られたときから「統合失調症」特有の症状があると感じていました。本人から幻覚の訴えがあったこともあり、医師へ相談するよう伝えました。子どものころ療育を受けていたのですが、医師と家族の信頼関係をうまく築けておらず、薬を出されてもやめてしまうことがあったと言います。支援員が病院を紹介し医療同行を続ける中で、初めて「統合失調症」との診断を受けました。

本人が障害を受容できるよう、まずは障害特性の理解を促すようはたらきかけました。知的障害の症状も並行してあらわれるので、どちらの障害の特性によるものなのか、なぜこのようなことが起こるのかを、本人に考えてもらうように問いかけました。また、トレーニングにおいても「何をわかっていて、何がわからないのか」「どこまで理解できているのか」を客観的に知れるよう、質問も工夫しました。

通所開始当初の様子やその後の変化

就労継続支援B型を利用していた頃、足が痛いからという理由で休むことがあったといいます。ミラトレ利用当初も、頭痛などさまざまな理由で休むことがありました。支援員は「どうして痛くなるのか」と繰り返し聞きながら、「足が痛くても、少しだけ頑張ってみよう」と無理のない範囲で努力することの大切さを伝えました。そのようなはたらきかけにより連絡なしで休むことはなくなり、半年もすると安定して通所できるようになっていきました。

支援員と共に進めた就職活動

清掃業務
統合失調症と診断を受け、薬もきちんと服用していたEさんは、次第に症状が安定してきました。「手で何かを払う」といった統合失調症でよく見られる動作も少なくなり、休まず通所していることから、就職活動を開始します。

障害者雇用枠に絞って求職

子どもの頃から知的障害があり、もともと障害者手帳を取得していたため、障害者雇用枠に絞って就職活動を始めました。就職への希望が強くなかったこともあり、支援員が勧めた求人に応募するという形で進めていきました。本人へのヒアリングをする中で、自身が得意だと思っていることと現実とのミスマッチも感じられましたが、都度軌道修正しながら応募する企業を選んでいきました。

その過程で、「清掃」の仕事が向いているのではないかとの気付きがあり、ハローワークの求人から高齢者福祉施設の清掃業務の実習へと進みました。実習先の企業でスタッフの皆さんに可愛がってもらい、居心地のよさを感じたEさんは、このまま就職を決めました。ミラトレ利用開始から約9カ月後、就職活動を始めてからは約3カ月での就職内定となりました。

温かく居心地のよい職場で活き活きと

居心地の良い職場

就職先は、福祉法人が経営しており、障害者への理解も大変深い企業でした。就職時、統合失調症の症状は落ち着いていたので、知的障害の配慮事項として「指示は一つずつ」「彼のペースを見守ってほしい」ことなどをお伝えしました。

また、一般企業ではたらいた経験がなく、就職へのイメージが曖昧だったEさんに対し、「はたらくとはどのようなことか」を面談や実習の中で繰り返し伝えてきました。仕事への意識が変わり、居心地のよい職場環境によって、本人は活き活きと楽しそうにはたらけているようです。薬を飲んで体調のコントロールができるようになったこともあり、就職後の体調も安定していると言います。温かい職場で自身の仕事を認めてもらえることに喜びを感じながら、今後も仕事を続けていきたいと話しています。

※プライバシー保護のため、事実を元に文章を一部再構成しています。