近年うつ病の患者数は増加しており、誰にとっても身近な病気であるとも言えることから、うつ病は「心の風邪」とも呼ばれます。仕事のストレスや業務過多などが原因で、うつ病を発症する方も少なくありません。うつ病と診断された方の中には、このまま仕事を続けられるのかと不安になる方もいるでしょう。ここでは、うつ病になったら仕事はどうしたらよいか、仕事を続けるメリット・デメリットなどを紹介します。
うつ病とは
うつ病とは、誰もがかかる可能性のある気分障害の一つです。元気がなくなる、気持ちが鬱々とする、やる気が出ない、怒りっぽくなる、興味または喜びが喪失するといった症状があらわれます。他にも、不眠、食欲不振、頭痛、腹痛、下痢が続くなどの身体症状があらわれ、日常生活に支障が出る状態です。いずれの症状も2週間以上続くと自力での回復が難しいと判断されます。
本人にとって落ち込む要因となれば、何でもうつ病の発症要因になり得ます。親しい人との死別や大きな事故、過重労働、異動・昇進など、その要因はさまざまです。辛い体験や悲しい出来事がうつ病を引き起こすと多くの方は考えているかと思いますが、結婚や出産、進学、就職などの一般的に嬉しい出来事の後にも発症することがあります。
厚生労働省が運営している「こころの耳」には、簡単なストレスチェックが掲載されているので、自分でチェックしてみるのもよいでしょう。
本人にとって落ち込む要因となれば、何でもうつ病の発症要因になり得ます。親しい人との死別や大きな事故、過重労働、異動・昇進など、その要因はさまざまです。辛い体験や悲しい出来事がうつ病を引き起こすと多くの方は考えているかと思いますが、結婚や出産、進学、就職などの一般的に嬉しい出来事の後にも発症することがあります。
厚生労働省が運営している「こころの耳」には、簡単なストレスチェックが掲載されているので、自分でチェックしてみるのもよいでしょう。
日常生活に支障が出るようなら、医療機関を受診しましょう。うつ病と診断されたら、まずは十分な休養が何よりも大切です。仕事をしている人は「休職」を選択するのもよいでしょう。しっかりと心と体を休ませ、医師の判断に従って治療に専念することが大切です。うつ病は、症状が改善しても再発する可能性が高い病気ですので、決して自己判断で薬を飲むのをやめたり、通院をやめたりせず、主治医に相談しながら治療を進めましょう。
うつ病を抱えながら仕事を続けるメリット・デメリット
うつ病と診断された方の中には、さまざまな理由から仕事を続けたい、休職・退職したくないという方もいるかもしれません。うつ病を抱えながら仕事を続けるメリットとデメリットを紹介します。
仕事を続けるメリット
うつ病を抱えながら仕事を続けるメリットとしては以下が挙げられます。
- 収入が確保できる
- 職歴にブランクが空かない
- 家族に心配がかからない
うつ病を抱えながら仕事を続ける大きなメリットとなるのが、収入面の安定でしょう。生活費など経済的な心配がかからず、安定した収入を得られる点は、仕事を続けるメリットとなります。また、退職し療養に専念するとなると、再就職を考えた際に職歴にブランク期間が生じてしまいます。ブランク期間が長くなるほど、再就職の際に足踏みしてしまうこともありますので、ブランクを空けたくない人にとってはこの点もメリットといえそうです。
そして、経済的にも安定し、毎日仕事へ行けることは家族に心配をかけなくてもすみます。変わらず日常を過ごしているように見えますので、余計な心配をかけないという点では、こちらもメリットとなるでしょう。
そして、経済的にも安定し、毎日仕事へ行けることは家族に心配をかけなくてもすみます。変わらず日常を過ごしているように見えますので、余計な心配をかけないという点では、こちらもメリットとなるでしょう。
仕事を続けるデメリット
では反対に、うつ病の方が仕事を続けるデメリットを見てみましょう。デメリットとしては、以下が挙げられます。
- 大きく体調を崩し、療養期間が長くなる可能性がある
- 仕事を休みがちになり評価が下がる
- 家族に心配がかかる
うつ病は見た目にはわかりにくい病気です。無理してはたらいていた場合、症状が悪化し大きく体調を崩してしまうことも考えられます。その場合は、長期間の療養が必要となる可能性もあるでしょう。また、うつ病は体調が安定せず、日によって症状が変わることもありますので、仕事を休んでしまうこともあります。
休みがちになると、上司からの評価に影響を及ぼすことも考えられます。このように、日によって仕事へ行けたり行けなかったり、体調が悪そうに見えたりを繰り返すと、身近な家族の心配も増えてしまうかもしれません。
うつ病を抱えていても、気分が安定しているときや体が元気なときは問題なくはたらけますが、気分が落ち込んでいるときや体調が不安定なときはいつも通りにはたらけなくなるでしょう。
ストレスから症状が悪化し回復までに時間がかかり、長期間休職しなくてはならない状況にもなりかねません。回復のことだけを考えれば、無理にはたらくのではなく、仕事から離れるのが理想です。
休みがちになると、上司からの評価に影響を及ぼすことも考えられます。このように、日によって仕事へ行けたり行けなかったり、体調が悪そうに見えたりを繰り返すと、身近な家族の心配も増えてしまうかもしれません。
うつ病を抱えていても、気分が安定しているときや体が元気なときは問題なくはたらけますが、気分が落ち込んでいるときや体調が不安定なときはいつも通りにはたらけなくなるでしょう。
ストレスから症状が悪化し回復までに時間がかかり、長期間休職しなくてはならない状況にもなりかねません。回復のことだけを考えれば、無理にはたらくのではなく、仕事から離れるのが理想です。
それでも仕事を続けるための対策
うつ病と向き合いながら仕事を続けるためには、ストレスを溜めないようにする工夫や、症状の波とうまく付き合っていくことが大切です。仕事を続けるための対策をいくつか紹介します。
生活リズムを整える
まずは十分な睡眠と健康的な食事をとり、生活リズムを整えましょう。生活リズムの乱れは、疲れやストレスにつながりやすく、うつ病の症状が悪化してしまう可能性があります。朝は決まった時間に起きて朝食をとり、夜は早めに寝るようにしましょう。仕事が休みの日は無理をせず、家でゆっくりと過ごすことも大切です。
気分の浮き沈みがあることを理解する
うつ病には、気分の浮き沈みがあります。日によって変わることを、きちんと理解しておくことが大切です。午前中は調子が悪く、お昼から夕方にかけて症状が軽くなる人が多いようですが、人によっては午前中の方が気分がよく、夕方にかけて気分が重くなる場合もあります。
どのような状況で調子を崩しやすいのか、同じような状況が起こったときにどう対処できるのかを検討しておけるとよいでしょう。午前と午後で調子の波があるようでしたら、業務量や出勤時間を調整するなどの工夫もできるかもしれません。
どのような状況で調子を崩しやすいのか、同じような状況が起こったときにどう対処できるのかを検討しておけるとよいでしょう。午前と午後で調子の波があるようでしたら、業務量や出勤時間を調整するなどの工夫もできるかもしれません。
周囲の理解を得る
うつ病のある方が仕事を続けるためには、周囲の理解を得ることも大切です。うつ病は孤独を感じやすいため、周囲に仕事やプライベートの悩みを話せる人がいると、ストレスの緩和につながります。
また、職場に理解してくれる人がいると心強いでしょう。人事や上司と定期的に面談をしてもらい、日々変化する自分の症状や困りごとを伝えられると、はたらきやすさにつながります。職場に理解を促すことが難しい場合は、主治医やカウンセラー、産業医などに相談してみることもおすすめです。
また、職場に理解してくれる人がいると心強いでしょう。人事や上司と定期的に面談をしてもらい、日々変化する自分の症状や困りごとを伝えられると、はたらきやすさにつながります。職場に理解を促すことが難しい場合は、主治医やカウンセラー、産業医などに相談してみることもおすすめです。
無理をしない
心身の調子が優れないときは、無理をせず休みましょう。長く仕事を続けるためにも、調子が悪いときは勇気をもって休むことが大切です。
前述した通り、気分の浮き沈みがあるうつ病の場合、具合がよいときには多少無理をしてでも仕事を進めよう、少し残業しようと考えてしまいがちです。しかし、週の後半に体調を崩したり、休日に体を休めても疲れが取りきれなかったりと、どこかにひずみが生じる可能性があります。長期のプロジェクトに携わるとなると負担も大きくなりますので、代われる人がいるなら代わってもらったり、短期スパンの仕事を一つずつやり切る方に舵を切ったりと、無理のないはたらき方ができるとよいですね。
前述した通り、気分の浮き沈みがあるうつ病の場合、具合がよいときには多少無理をしてでも仕事を進めよう、少し残業しようと考えてしまいがちです。しかし、週の後半に体調を崩したり、休日に体を休めても疲れが取りきれなかったりと、どこかにひずみが生じる可能性があります。長期のプロジェクトに携わるとなると負担も大きくなりますので、代われる人がいるなら代わってもらったり、短期スパンの仕事を一つずつやり切る方に舵を切ったりと、無理のないはたらき方ができるとよいですね。
仕事を続けるのが難しければ休職・退職への道を
仕事との両立が難しくなったら、休職・退職という道を選択することも大切です。服薬を守って、体調管理に気をつけていても、なにかの拍子に体調をコントロールできなくなることもあります。そのような場合には、主治医に相談しましょう。医師は本人から話を聞いた上で、症状や就労状況、職場環境、生活環境などを総合的に踏まえ、休職すべきかを判断します。主治医の意見を持って、上司や人事に面談をお願いしましょう。
休職後の復職に不安がある場合には、リワーク制度も利用できます。リワークは、病院や就労移行支援事業所でも受けられます。また休職の後、退職を選択する方もいるでしょう。しっかりと療養し心身の回復が見られたら、就労移行支援事業所を利用して再就職を目指す道もあります。
休職後の復職に不安がある場合には、リワーク制度も利用できます。リワークは、病院や就労移行支援事業所でも受けられます。また休職の後、退職を選択する方もいるでしょう。しっかりと療養し心身の回復が見られたら、就労移行支援事業所を利用して再就職を目指す道もあります。
うつ病の方がはたらき続けるためには就労移行支援がおすすめ
うつ病と向き合いながら仕事を続けるためには、症状の特性を理解し、コントロールできるようになることが大切です。自分一人でこれらを身につけることが困難な場合は、専門の支援機関を利用しましょう。
就労移行支援事業所「ミラトレ」では、トレーニングを通して障害理解・自己理解を促し、はたらくための力を身につけられます。就職を目指すためのトレーニングだけでなく、就職活動の支援やはたらき続けるための就職後の定着支援も行っていますので、うつ病に対処しながら長くはたらくことを前提に支援しています。就労移行支援についての疑問、ミラトレに関するご質問やご相談など、お気軽にお問い合わせください。
就労移行支援事業所「ミラトレ」では、トレーニングを通して障害理解・自己理解を促し、はたらくための力を身につけられます。就職を目指すためのトレーニングだけでなく、就職活動の支援やはたらき続けるための就職後の定着支援も行っていますので、うつ病に対処しながら長くはたらくことを前提に支援しています。就労移行支援についての疑問、ミラトレに関するご質問やご相談など、お気軽にお問い合わせください。
執筆 : ミラトレノート編集部
パーソルダイバースが運営する就労移行支援事業ミラトレが運営しています。専門家の方にご協力いただきながら、就労移行支援について役立つ内容を発信しています。
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