ミラトレノート
就労移行支援の
基礎
知識


就労移行支援の利用を検討している人のなかには、「就労移行支援を利用すれば本当に就職できるのか」「就労移行支援卒業後の就職先は?」と疑問に思う人も多くいらっしゃると思います。就労移行支援を利用して就職先を見つけるためには、自分に合った事業所を選ぶのがポイントです。自信をもって就職活動をおこなうには、障害や病気の特性を理解した上で強みを伸ばすための適切な支援が必要です。この記事では、就労移行支援を利用して就職するメリットや就職先を見つけるポイントについて解説するとともに、実際の就職先や就職事例もあわせて紹介します。
目次
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1.就労から定着までをサポートする就労移行支援とは
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2.就労移行支援を利用しての就職先
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3.障害のある人の主な就職先
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4.就労移行支援を利用して就職するメリット
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4-1.生活リズムが安定する
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4-2.適切な自己管理能力が身につく
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4-3.仲間ができる
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4-4.円滑な対人コミュニケーションを図れるようになる
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4-5.就職活動時に「はたらけること」を証明できる
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4-6.就職後もはたらき続けるためのサポートが受けられる
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5.就労移行支援を利用して就職先を見つけるポイント
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5-1.自分に適した就労移行支援事業所を選ぶ
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5-2.支援員と二人三脚で取り組む
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5-3.多様な業界や業種を検討する
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5-4.障害者雇用での就職を検討する
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6.就労移行支援を利用した就職事例
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6-1.就労移行支援事業所の存在を知り、再就職への不安が和らいだ
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7.自分に合った就労移行支援事業所を利用して就職を目指そう
就労から定着までをサポートする就労移行支援とは
就労移行支援とは、一般企業への就職を目指す障害がある人や難病がある人に対し、就労訓練や就職活動支援などのサポートをおこなう通所型の福祉サービスです。就職に向けた準備から就職活動、就職後の定着支援まで、さまざまな支援をおこなっています。
対象者は、一般企業ではたらきたいと考えている、満18歳から64歳までの障害のある人や難病の人です。ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動性障害)といった発達障害や統合失調症などの精神障害、身体障害、知的障害などが当てはまります。就労移行支援でのトレーニングを通じて知識や能力を向上させることにより、個々の適性に合う職場への就労が見込め、なおかつ就労を希望する人を対象としています。
障害や病気によりはたらきづらさがある人は、一人で就職活動をおこなうことに不安を感じるかもしれません。就労移行支援事業所では支援員のサポートを受けながら、リハビリやトレーニング、スキルアップを図り就労を目指せます。
就労移行支援サービスの利用料は、本人の前年度の年収(配偶者がある場合はその人の年収を合算)に応じて月ごとの負担上限額が設けられていますが、無料で利用できるケースがほとんどです。参考として、パーソルダイバースが運営する就労移行支援事業所「ミラトレ」では、9割以上の方が自己負担なしで利用されています。ただし、前年に就業しており収入があった場合には、所得に応じて自己負担が発生することもあります。
就労移行支援について、対象となる条件やサービス内容など詳細を知りたい人は下記の記事を参考にしてください。
※関連記事:『就労移行支援とは』
対象者は、一般企業ではたらきたいと考えている、満18歳から64歳までの障害のある人や難病の人です。ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動性障害)といった発達障害や統合失調症などの精神障害、身体障害、知的障害などが当てはまります。就労移行支援でのトレーニングを通じて知識や能力を向上させることにより、個々の適性に合う職場への就労が見込め、なおかつ就労を希望する人を対象としています。
障害や病気によりはたらきづらさがある人は、一人で就職活動をおこなうことに不安を感じるかもしれません。就労移行支援事業所では支援員のサポートを受けながら、リハビリやトレーニング、スキルアップを図り就労を目指せます。
就労移行支援サービスの利用料は、本人の前年度の年収(配偶者がある場合はその人の年収を合算)に応じて月ごとの負担上限額が設けられていますが、無料で利用できるケースがほとんどです。参考として、パーソルダイバースが運営する就労移行支援事業所「ミラトレ」では、9割以上の方が自己負担なしで利用されています。ただし、前年に就業しており収入があった場合には、所得に応じて自己負担が発生することもあります。
就労移行支援について、対象となる条件やサービス内容など詳細を知りたい人は下記の記事を参考にしてください。
※関連記事:『就労移行支援とは』
就労移行支援を利用しての就職先
厚生労働省の調査によると、就労移行支援を利用した人が一般就労に移行した割合は、2022年で57.2%と前年から0.9%増加しています。
※参照:厚生労働省『2-1.就労系福祉サービスの現状等』
就労移行支援を利用しての主な就職先としては、つぎのような業種・職種が挙げられます。
※参照:厚生労働省『2-1.就労系福祉サービスの現状等』
就労移行支援を利用しての主な就職先としては、つぎのような業種・職種が挙げられます。
業種別 | 列見出し2 |
---|---|
サービス業 医療・福祉 運輸・郵便 卸売・小売業 学術研究・専門技術 教育・学習支援 建設業 公務 宿泊・飲食サービス 情報通信 生活関連・娯楽 製造業 独立行政法人 不動産・物品賃貸 |
事務 軽作業 サービス 技術系 販売 接客業 |
障害のある人の主な就職先
つぎに、障害のある人が多くはたらいている業種や職種を見ていきましょう。
厚生労働省が発表した「令和5年度障害者雇用実態調査結果報告書」をもとに、障害のある人の就職先について、業種別・職種別に割合の多かった上位3位は以下の通りです。
身体障害者の雇用者数の割合
厚生労働省が発表した「令和5年度障害者雇用実態調査結果報告書」をもとに、障害のある人の就職先について、業種別・職種別に割合の多かった上位3位は以下の通りです。
身体障害者の雇用者数の割合
業種別 | 職種別 | |||
---|---|---|---|---|
1位 | 製造業 | 21.3% | 事務的職業 | 26.3% |
2位 | 卸売業・小売業 | 21.2% | 生産工程の職業 | 15.0% |
3位 | サービス業 | 14.9% | サービスの職業 | 13.5% |
知的障害者の雇用者数の割合
職種別 | 業種別 | |||
---|---|---|---|---|
1位 | 卸売業・小売業 | 32.9% | サービスの職業 | 23.2% |
2位 | 製造業 | 15.4% | 運搬・清掃・包装等の職業 | 22.9% |
3位 | サービス業 | 13.2% | 販売の職業 | 16.8% |
精神障害者の産業別雇用者数の割合
職種別 | 業種別 | |||
---|---|---|---|---|
1位 | 卸売業・小売業 | 25.8% | 事務的職業 | 29.2% |
2位 | 製造業 | 15.4% | 専門的・技術的職業 | 15.6% |
3位 | サービス業 | 14.2% | サービスの職業 | 14.2% |
発達障害者の産業別雇用者数の割合
業種別 | 職種別 | |||
---|---|---|---|---|
1位 | 卸売業・小売業 | 40.5% | サービスの職業 | 27.1% |
2位 | サービス業 | 14.6% | 事務的職業 | 22.7% |
3位 | 製造業 | 10.2% | 運搬・清掃・包装等の職業 | 12.5% |
※参照:厚生労働省『令和5年度障害者雇用実態調査結果報告書』
就労移行支援を利用して就職するメリット
就労移行支援を利用して就職する主なメリットについて紹介します。
生活リズムが安定する
毎日決まった時間に就労移行支援事業所に通所することで、生活リズムが安定するようになります。障害が要因で心身の不調を経験した人のなかには、睡眠障害や寝付きの悪さなどにより生活リズムを崩してしまった人もいるかもしれません。そのような人もはたらくことを踏まえ、事業所へ毎日通うことで規則正しい生活リズムへ少しずつ近づけていけます。
適切な自己管理能力が身につく
就労移行支援を利用して就職するメリットとして、自己管理能力が身につけられる点が挙げられます。障害のある人がはたらく上での自己管理においては、自分の障害特性を理解した上で自身が「できること」と「できないこと」を把握できていることが何より大切です。
自身にとってのストレス要因は何であるか、どこまで周りの人にあわせて業務ができるのかなどを理解できていれば、過度な負担なくはたらき続けることができるでしょう。長く安定してはたらくために、心身の調子を自身の力で管理していける能力を、就労移行支援で習得していきます。
自身の強みと弱みを把握し、自己管理能力を身につけることはすなわち自己理解につながるため、就職活動においても有用となります。
自身にとってのストレス要因は何であるか、どこまで周りの人にあわせて業務ができるのかなどを理解できていれば、過度な負担なくはたらき続けることができるでしょう。長く安定してはたらくために、心身の調子を自身の力で管理していける能力を、就労移行支援で習得していきます。
自身の強みと弱みを把握し、自己管理能力を身につけることはすなわち自己理解につながるため、就職活動においても有用となります。
仲間ができる
同じ目標に向かう仲間ができるのも、就労移行支援を利用するメリットのひとつです。年齢や経験は異なっても、障害や困りごとをもつ人と事業所で出会うことは、大きな支えとなるでしょう。一緒に頑張っていける仲間がいれば、生活やトレーニングに意欲が生まれることも期待できます。
円滑な対人コミュニケーションを図れるようになる
就労移行支援事業所へ通うことで、職場での適切な行動や意識のもち方を学べるため、円滑な対人コミュニケーションを図れる可能性があります。仕事が長続きしない人のなかには、コミュニケーションに苦手意識のある人も多いことと思います。特に、精神障害・発達障害のある人は、はたらく上で不可欠な集団行動そのものが得意ではない人もいるでしょう。就労移行支援では、ビジネス上でのコミュニケーションの取り方や「報告連絡相談」を、職場での具体的な場面に即した形で身につけることができます。
就職活動時に「はたらけること」を証明できる
就職活動時に「はたらける状態であること」を証明できるのも、就労移行支援を利用するメリットといえます。
事業所に週5日安定して通所している実績が「はたらく準備が整っている」ことの証明となり、自信につながるだけでなく企業側にも具体的な根拠として示すことができます。
事業所に週5日安定して通所している実績が「はたらく準備が整っている」ことの証明となり、自信につながるだけでなく企業側にも具体的な根拠として示すことができます。
就職後もはたらき続けるためのサポートが受けられる
就労移行支援を利用して就職すると、就職後もはたらき続けるためのサポートが受けられるメリットがあります。「職場定着支援」といって、職場での悩みや困りごとなどの相談に応じてくれるサポート体制が設けられています。就職後の半年間、自身の強みや弱みを熟知したスタッフが月に1回職場におもむき、悩み相談や職場とのフォローをおこなってくれます。「就職できても長く続けられるか不安」という人にとっては心強い支援となるでしょう。
就労移行支援を利用して就職先を見つけるポイント
自分に適した就労移行支援事業所を選ぶ
事業所によって、対応している障害や支援内容、雰囲気が異なるため、自分に合った事業所を選ぶことが大切です。精神障害や発達障害、身体障害などあらゆる障害に対応している事業所もあれば、特定の障害に特化している事業所もあります。
また、サービス内容や設備、雰囲気は事業所によって異なります。無理なく通所して、スムーズに就職活動へ移行するには、自分の希望条件や目的に合った事業所を選ぶことが大切です。
「事業所の雰囲気は自分に合っているか」「心を開けそうな支援員はいるか」など、実際に事業所を訪れてみないとわからないこともあります。ほとんどの事業所では見学や体験利用を受け付けているので、できれば複数の事業所を見学し、自分の目で確かめてみましょう。
就労移行支援事業所選びについて詳しく知りたい人は、こちらの記事もご覧ください。
※関連記事:『就労移行支援の利用前に知っておきたい、事業所選びのポイント』
また、サービス内容や設備、雰囲気は事業所によって異なります。無理なく通所して、スムーズに就職活動へ移行するには、自分の希望条件や目的に合った事業所を選ぶことが大切です。
「事業所の雰囲気は自分に合っているか」「心を開けそうな支援員はいるか」など、実際に事業所を訪れてみないとわからないこともあります。ほとんどの事業所では見学や体験利用を受け付けているので、できれば複数の事業所を見学し、自分の目で確かめてみましょう。
就労移行支援事業所選びについて詳しく知りたい人は、こちらの記事もご覧ください。
※関連記事:『就労移行支援の利用前に知っておきたい、事業所選びのポイント』
支援員と二人三脚で取り組む
就労移行支援では、まず支援員と相談しながら就職に向けた目標を立てて、それに沿ったトレーニングをおこなっていきます。通所期間中は、支援員と計画の進捗度を確認したり、軌道修正したりしながら支援員と二人三脚で目標達成を目指します。
そのため、支援員には現状や不安・悩みを共有・相談しましょう。不安や悩みを解決しないまま就職活動をおこなってしまうと、ストレスが増える恐れがあります。1人で抱え込まないよう、コミュニケーションを取りながら支援員と一緒に進めていくことが大切です。
そのため、支援員には現状や不安・悩みを共有・相談しましょう。不安や悩みを解決しないまま就職活動をおこなってしまうと、ストレスが増える恐れがあります。1人で抱え込まないよう、コミュニケーションを取りながら支援員と一緒に進めていくことが大切です。
多様な業界や業種を検討する
多様な業界や業種を検討するのも、就職先を見つけるポイントです。業界や業種を絞りすぎてしまうと、求人数が限られてくるため就職の難易度が高くなるケースが考えられます。そのため、これまで興味のなかった業界や業種も選択肢に含めることをおすすめします。調べたり、支援員に相談したりしながら、自分にはどのような仕事が向いているのかを考えてみることも大切です。
障害者雇用での就職を検討する
障害者雇用での就職も検討しましょう。障害者雇用とは、障害のある人が障害のない人と同様にはたらく機会を得られるよう設けられた特別な採用枠です。障害があることを前提としているため、障害者手帳を取得している人が対象で、一般雇用とは異なる採用基準での就職となります。
障害者雇用では、障害の特性や病気の症状に対して、職場から合理的配慮を受けやすくなります。それにより、職場内においても障害の特性と配慮事項を理解してもらいながら、自分らしく長くはたらける可能性があるでしょう。
※関連記事:『障害者雇用ではたらくとは?一般雇用との違いや障害者手帳の種類についてまとめました』
障害者雇用では、障害の特性や病気の症状に対して、職場から合理的配慮を受けやすくなります。それにより、職場内においても障害の特性と配慮事項を理解してもらいながら、自分らしく長くはたらける可能性があるでしょう。
※関連記事:『障害者雇用ではたらくとは?一般雇用との違いや障害者手帳の種類についてまとめました』
就労移行支援を利用した就職事例
就労移行支援を利用して再就職した事例を紹介します。
就労移行支援事業所の存在を知り、再就職への不安が和らいだ
前職在職中にさまざまな不調が表れ、心療内科を受診しうつ病と診断されたE.Kさんは、1年間の休養後再就職を目指します。しかし、ブランクが空いたことで不安が大きかったため、就労移行支援事業所の利用を検討。3つの事業所を見学し体験利用をした結果、一番自分に合っていると実感した「ミラトレ」の利用を決意しました。
通所中は支援員からの手厚いサポートにより、安心感をもってプログラムや就職活動に取り組めたといいます。就職活動では応募書類の添削や模擬面接を支援員と一緒に繰り返しおこない、万全な状態で本番に挑み、見事就職に成功しました。
※関連記事:『E.Kさんの就職事例 チャレンジ精神をもち、業務の領域拡大に貢献したい』
通所中は支援員からの手厚いサポートにより、安心感をもってプログラムや就職活動に取り組めたといいます。就職活動では応募書類の添削や模擬面接を支援員と一緒に繰り返しおこない、万全な状態で本番に挑み、見事就職に成功しました。
※関連記事:『E.Kさんの就職事例 チャレンジ精神をもち、業務の領域拡大に貢献したい』
自分に合った就労移行支援事業所を利用して就職を目指そう
就労移行支援事業所を利用するメリットや実際の就職先などについて紹介しました。就労移行支援を利用して就職するには、自分に合った事業所を選ぶことが大切です。そのためには、見学や利用体験を通じて自分の目で確かめることをおすすめします。
就労移行支援事業所「ミラトレ」は開設以来、着実にノウハウと実績を積み上げています。利用されている方の障害種別は精神や知的、身体などさまざまです。進路の選択肢が広がるよう、障害者向け転職・就職支援サービス「dodaチャレンジ」と連携し、企業との関係づくりをおこなっています。就職率95%、職場定着率97%という実績を維持できるよう、プログラム内容やサポート体制の質向上を図っています。
面接対策から就職後の定着支援まで総合的な就労支援により、「自分らしくはたらく道を見つけたい」という方をバックアップします。ミラトレの利用方法やサービスについて気になる方は、気軽にお問い合わせください。
就労移行支援事業所「ミラトレ」は開設以来、着実にノウハウと実績を積み上げています。利用されている方の障害種別は精神や知的、身体などさまざまです。進路の選択肢が広がるよう、障害者向け転職・就職支援サービス「dodaチャレンジ」と連携し、企業との関係づくりをおこなっています。就職率95%、職場定着率97%という実績を維持できるよう、プログラム内容やサポート体制の質向上を図っています。
面接対策から就職後の定着支援まで総合的な就労支援により、「自分らしくはたらく道を見つけたい」という方をバックアップします。ミラトレの利用方法やサービスについて気になる方は、気軽にお問い合わせください。

執筆 : ミラトレノート編集部
パーソルダイバースが運営する就労移行支援事業ミラトレが運営しています。専門家の方にご協力いただきながら、就労移行支援について役立つ内容を発信しています。
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