就職事例

  • Twitter
  • Facebook
  • はてなブックマーク
  • LINE
  • Email

企業との相互理解が、活躍のカギ

アシスタント職/マーケティング関連
成長していけそうと思える企業との出会いで広がった未来

成長していけそうと思える企業との出会いで広がった未来

20代/女性/精神障害

今回紹介するのは、双極性障害のある20代女性の就職事例です。大学在学中に障害を発症し、就労経験がなかったFさんが、ミラトレを利用して就職するまでのストーリーと現在の様子をご紹介します。

在学中に発症し退学へ。自宅療養を続ける日々

自宅で療養しながら学習
Fさんは、大学在学中に体調を崩し障害を発症しました。家庭の事情により、家族との折り合いが悪く、眠れないことがあったと言います。家族の勧めもあり病院を受診したところ、「双極性障害」と診断されました。大学への通学は困難になり、退学に至ってしまいます。その後しばらくは自宅で療養を続けていました。

就労のための準備期間として就労移行支援事業所の利用を決意

自宅療養を続けていたFさんですが、そろそろ仕事を探して自立したいとの思いから一念発起し、障害者に特化した複数の就職エージェントに登録します。キャリアアドバイザーとの面談の中で、就労経験がまったくなく、まずは就労移行支援を受けながら就労のための準備期間が必要と判断されました。紹介された就労移行支援事業所の中から「ミラトレ」を見学に訪れ利用を決意されます。

安定通所を目標に、仕事についての理解も深める

ビジネスマナー
気持ちの落ち込みなどが原因で、最初は週に1回程度しか通所できなかったFさん。まずは生活リズムを整えることから始めました。支援員は、就寝時間の確認や服薬管理のほか、適度に身体を動かすようアドバイスし、困ったことはすぐに相談できる環境を整えました。就労移行支援事業所の利用期間が最長2年であることから、2年以内に就職したいと考えていたようです。そのためには週5日通所できるようにならないと就職活動に進めないと伝え、それを目標に、徐々に通える日数を増やしていきました。

また、就労経験がなかったため仕事のイメージも漠然としており、ビジネスマナーも曖昧な状況でした。そこで、ビジネスマナーについて学んでもらい、軽作業を伴う疑似就労を通して実際の就労をイメージしてもらうようにしました。「どういった仕事に就きたいのか」「企業に求める条件や配慮事項は何なのか」を支援員とともにじっくりと考える時間を作り、希望する条件を整理していきます。

通所開始当初の様子やその後の変化

目標の通所日数が少しずつ増え、半年ほど経つと安定して通所できるようになります。まっすぐな性格のFさんは、支援員からのアドバイスやフィードバックに対しても素直に受け止め、吸収することができました。毎日通所できるようになると、主体性・自発性をもってパソコンのスキル習得に励んでいたように見えました。

しかし、以前からコミュニケーションに課題を感じていました。特に男性への苦手意識があるようで、男性を前にすると緊張している様子が見られました。それでも、疑似就労やグループワークのプログラムには頑張って参加し、徐々に克服できるよう努力します。積極的に発言したりグループをまとめたりするわけではありませんでしたが、他の人の意見をしっかりと聞き、必要な場面においては発言する姿も見られました。

さまざまな企業と出会い、迷いながら進めた就職活動

コミュニケーション課題
安定して通所できるようになり、本人にもはたらきたい気持ちが固まってきたタイミングで、支援員から就職活動を始めようと提案します。今まで仕事をした経験がなく、具体的な業種や職種のイメージを持てていなかったようですが、「できることから始めてみたい」との気持ちが強かったようでした。

就職活動の中では、会社説明会や面談会への参加を促し、多くの企業や仕事を知ってもらうよう工夫しました。これらの会に参加することで、「会社とはどういう場所なのか」「仕事にどう取り組むのか」などの基本的なことから、それぞれの企業の取り組みまで、色々と吸収している姿が見られます。一方で、「自分はどういった仕事がしたいのか」明確な仕事像が描けず、迷いながら就職活動を進めている様子でした。支援員に意見を求めることも多かった印象です。

また、コミュニケーションに課題を抱えていたので、面接練習にも力を入れました。支援員は、面接時の所作や振る舞い、身だしなみなど、さまざまなアドバイスを送ります。練習を繰り返し、実際の面接回数を重ねるごとに雰囲気にも慣れていき、面接官の質問の意図を理解できるようになり、しっかりと受け答えができるようになっていきました。

企業実習を通じて選んだ会社は「成長していけそう」

いくつかの企業に応募し、企業実習へと進みました。いくつかの実習を経験する中、実習先の人事担当者から、ある企業を紹介されます。本人はその企業について知りませんでしたが、紹介されたことで興味を持ち、実習を受けることにしました。

紹介されたのはマーケティング業界の企業で、実習を通してキャリアを広げられる可能性があると感じたそうです。仕事への明確なイメージがなかったFさんにとって、自身の成長を描けたことは、とても魅力だったと言います。企業側からの評価も高く、実習後にこの企業への就職を叶えました。企業に求めた配慮事項は、「時短勤務から始めたいこと」「すぐに相談できる環境を整えてほしいこと」「残業はなるべく避けてほしいこと」などです。就職したのは、ミラトレ利用開始から1年6カ月後のことでした。

企業との相互理解が活躍を後押し

積極的な取り組み

はじめての仕事が始まり、とても活き活きと仕事されている様子が見られます。就職直後の定着支援の中では、職場でのコミュニケーションに関する相談がありました。従業員同士の他愛のない雑談が苦手で、何を話したらよいのかわからなかったそうです。支援員は、「無理に話そうとしなくても大丈夫」「一人で休憩したいときは一人でもよい」「天気などの当たり障りのない話をしたらどうか」といったアドバイスを送りました。徐々に慣れていったようで、最近はそのような相談はなくなり、仕事にも積極的に取り組んでいるようです。

向上心があり意欲的であると、高い評価を得ています。企業側からは、「頑張りすぎてはいないか」との心配の声もありました。しかし、決して無理をしているわけではなく、可能性を見極めて採用してくれた企業の期待に応えたい一心で精を出しているようです。「自分の強みを見つけたい」と話すFさんは、仕事に前向きに取り組みながら、いつか大学でもう一度学びなおしたいと話しています。

※プライバシー保護のため、事実を元に文章を一部再構成しています。