就職事例

公開日:2022/1/31更新日:2023/3/29
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長く障害と向き合ってきたからこそ、就労移行支援事業所を利用した理由

事務職/サービス業
うつ病の40代男性Qさんの就職事例

うつ病の40代男性Qさんの就職事例

40代/男性/うつ病

今回紹介するのは、うつ病の40代男性の就職事例です。長く障害に向き合いながらはたらいてきたQさんが、ミラトレを利用してスキルを身につけ異職種への就職を叶えたストーリーと現在の様子をご紹介します。

うつ病と向き合いながらはたらくも症状が悪化し退職

40代男性のQさんは、以前は化粧品関係の研究職としてはたらいていましたが、業務の忙しさからストレスを抱えうつ病を発症したそうです。その後うつ病と向き合いながら仕事を続け、介護職に6年間従事されました。しかし、身内の不幸が大きなショックとなり、不眠や気分の落ち込みなど症状が悪化してしまいます。医師の勧めもあり、介護職を退職することとなったそうです。

偶然目にした新規開所のお知らせがきっかけでミラトレへ

体の調子を整えながら社会復帰を目指したいと考えていたとき、タイミングよく就労移行支援事業所のオープンのお知らせを目にしました。自身で就労移行支援事業所について調べ、新規オープンした「ミラトレ」へと見学に来られます。開所当初は人数も少なく落ち着いた雰囲気だったため、ミラトレの利用を決意。前職を退職された翌月より、ミラトレの利用を開始していただきました。

グループワークを通してスキルが向上

PCスキルのプログラムや、グループワークに積極的に参加していただきました。利用当初は受け身な性格で、報連相がうまくいかないなどの様子も見られましたが、グループワークを通して性格も徐々に明るくなり、本人のスキル向上にもつながったと感じています。疑似就労では、新しく入った方へのレクチャーなどもできるようになりました。

利用者の中でも年長者だったこともあり、穏やかに他の利用者さんとコミュニケーションがとれたり、面倒見のよい一面が見られたりしました。疑似就労では作業部のリーダーとしての役目も担い、メンバーとのコミュニケーションや進捗管理なども行っていただきました。

一方で作業の中ではミスすることも多く、その点が課題でした。新たな作業を行う際には、相談事項が多すぎてレクチャーする側の時間を取りすぎてしまうこともありました。それに対し支援員は、簡潔明瞭に報連相ができるよう、報告や相談事項を断片的にメモにとってから行うようアドバイスしています。

通所開始当初の様子

もともと体を動かすことが好きな方でしたので、体力面での心配は特になく、最初から安定して通所できた方でした。うつ病との付き合いも長く、主治医のアドバイスに従って生活ができていたため、生活リズムも整っていたと感じています。また障害受容についても、最初からきちんとできていた方でした。

異職種への挑戦も、ブレずに進められた就職活動

通所も安定しており、疑似就労の中でもリーダーとしての役割を全うしていましたので、本人と相談の上、企業見学会への参加から就職活動を始めました。早く就職しなければと焦る様子は特には見られなかったものの、通所開始から1年経過した頃から、本人の中で就職への意欲が高まってきたと感じています。

就職活動は事務職に絞って進めました。研究職や介護職には戻らないという自己理解がしっかりしていたため、この軸がブレることはありませんでした。実際の就職活動では、面接問答集に取り組んだり、模擬面接での練習を重ねた結果、自分の言葉できちんと意思を伝えることができていたと感じています。

実習に行った際には、フィードバックされた内容を手書きでまとめるなど、自分なりに工夫されていました。実習を通して、事務職としてはたらきたいという気持ちがより強まったと言います。

一方で、履歴書への記載ミスなど、ケアレスミスが多い一面もありました。実習の中でもタイプミスが多いというフィードバックをいただいたため、スキルアップのトレーニングに取り組んでもらいます。これらを少しずつ改善していった結果、ミラトレ通所開始から1年4ヶ月後、希望していた事務職としての就職を無事に叶えることができました。

就職先とミラトレのサポートが本人のやる気を後押し

現在、その他サービス業の事務職としてはたらいているQさん。研修制度が充実しておりキャリアアップのチャンスがある点や、実習を通して職場環境が自分に合っていると感じたことから、こちらに就職を決めたそうです。現在は契約社員としてはたらいていますが、正社員登用を目指し、日々の業務に取り組んでいます。

月に1回ほど強い頭痛があるため、薬の服用に加えて10分間休憩させてほしいと、職場にはあらかじめ伝えているようです。定着支援の中では、周囲の様子が気になると支援員に相談がありました。周りの話を聞きながら、自分のできることをやるようアドバイスを送っています。定期的に支援員との面談も実施しており、就職後の1年間は毎月、その後は3ヶ月に1回のペースで続けています。

現在まで継続してはたらけているのは、何よりも本人の頑張りの成果でしょう。本人にやる気があることに加え、上司の方もきちんとフィードバックしてくれる環境がある点や、ミラトレの支援員も交えながらサポートしている点も、企業とフィットしているポイントだと感じています。企業側からはミスに対する指摘が実習中にもありましたが、セルフチェックをしながらケアレスミスをなくすようフィードバックしていただいたことで、徐々に改善できているようです。

目標に向かって生き生きと。プライベートも充実

就職してすぐの頃は、契約が更新されるかおどおどしていましたが、現在は自信がつき堂々とサブリーダーも務めているそうです。業務リーダーや正社員も目指しているQさん。そのためにも、自己判断力を高めていこうとしている様子が見られます。今後は、チームメンバーの話を聞いて業務の切り分けをしたり、リーダー不在時はリーダーの代役を務めたりしていきたいと話してくれています。

プライベートでは、趣味の音楽活動や室内での運動などを楽しんでいるそうです。体を動かすことで心の状態がよくなることを認識されているため、心と体のバランスを整えながら生活されています。ミラトレに対しては、「面談や企業とのやり取りなども含め、就職前後のサポートが充実していた」「支援員と良好な関係を築くことができた」と話してくれました。

※プライバシー保護のため、事実を元に文章を一部再構成しています。

執筆 : ミラトレノート編集部

パーソルダイバースが運営する就労移行支援事業ミラトレが運営しています。専門家の方にご協力いただきながら、就労移行支援について役立つ内容を発信しています。