Interview

障害を受け入れて開けたシンクタンクへの道。バックグラウンドを思いやる心で、組織の連携を担う

ミラトレ新松戸

M.Mさん

うつ病

通所期間
約1年
就職先企業
株式会社三菱総合研究所

就職までの道のり

利用開始
週1日利用からスタート。
9カ月目
就職活動をスタート
1年後
就職内定!ミラトレ卒業

「普通の人」へのこだわりを手放すまで

うつ病を否定し、回復を急いでしまった研究職時代

大学では化学を専攻していましたが、4年生のときに不眠や不安に悩まされるようになりました。 うつ病と診断され薬物療法を受けることとなりましたが、体調や精神状態が不安定なときもあり、生きづらさを感じるようになりました。

何とか修士課程を修了し、一般雇用枠で化学メーカーに就職しました。職場では障害を開示していなかったため、はたらきづらさはありましたが、研究開発職という仕事内容や職場環境が自分に合っていたこともあり、薬物療法を続けながら7年間、比較的安定して勤務できました。しかし内心では、「普通の人と同じステージに戻りたい」という思いがだんだん強くなっていきました。

「完治とは、薬に頼らなくても日常生活を送れる状態だ」という誤った認識のもと、無理に薬を減らしては体調を悪くして結局薬の量を元に戻す、という繰り返しで心身を 消耗するようになりました。最終的には部署異動による環境の変化をきっかけに体調が大きく悪化。休職したものの、長い間、無気力な状態から抜け出せませんでした。今振り返ると職場環境だけでなく、自分がうつ病であることを否定する気持ちが、悪化の一因だったのだと思います。

「障害とともに生きていく」と決め、障害者雇用へ舵を切る

そのとき34歳。障害と折り合いながら一般雇用 ではたらく難しさを感じ、かかりつけ医に相談しました。「障害者手帳を取得して、障害者雇用を目指すという選択肢もありますよ」という助言を受け、生活を立て直す道が開けたように感じました。

手帳の取得を決めてから、気持ちにも変化が。それまでは、「普通の人に戻りたい」という気持ちをもっていましたが、「“普通の人” というのは、自分が作り上げた虚像に過ぎない。それを追いかけ続けるくらいなら、うつ病のまま幸せに生きる道を探す方がいいのではないか」と思い至ったのです。逆説的かもしれませんが、「障害とともに生きていこう」とうつ病を受け入れてから、症状は寛解へと向かっていきました。

はたらく力を取り戻すため、ミラトレへ

支援方針や雰囲気を比較し、ミラトレへの通所を決意

新たな道に向けて退職し、障害者雇用の情報を収集するなかで、就労移行支援の存在を知りました。ブランクが長かったため、安定してはたらくには体力の回復と生活リズムの確立が不可欠だと考え、2カ所の事業所を見学しました。

1カ所は少し騒がしい印象を受けましたが、ミラトレは会話と集中のメリハリがあり、アットホームな雰囲気でした。また、事務的すぎずフレンドリーすぎない、支援員との程良い距離感にも好印象をもちました。散歩などで体力をつけた成果でもありますが、順調に通所頻度を増やせたのは、ミラトレが「行ってみよう」と思わせてくれる場所だったからです。

擬似就労で学んだ、バックグラウンドへの配慮

ミラトレでは、実際の業務を想定した擬似就労という訓練があり、私は営業サポートチームに所属しました。さまざまな障害のある方と協働したことで、自分の物差しだけで判断することが少なくなったと感じます。

この世には、既定の手順・ルールから外れることに強い苦しみを感じる方もいて、それは善悪や優劣とは関係のないものだということを、肌で感じることができました。自分にできることが相手もできるとは限りませんし、その逆もしかり。人の言動は、障害だけでなく家庭環境や体調など、さまざまな状況の上に成り立っているので、相手のバックグラウンドを想像し、配慮することの大切さを感じました。

また、以前から慣れ親しんでいたOfficeソフトのスキルを活かし、困っているメンバーをサポートしたり、率先してタスクを引き受けたりすることもできました。PowerPointでチームの仕事内容を資料にまとめたところ、支援員に「いいものができましたね」と喜んでいただけたことが印象に残っています。

支援員と1日を振り返る時間が安心感に

他にもさまざまな講座がありましたが、型通りではなく、利用者の状況や時流に合わせたオリジナリティ豊かな内容でした。外部講師を招いての講義が開催されることもありましたが、法定雇用率など政府の障害者雇用対策に関する話は興味深いものでした。

1日の締めくくりには、支援員との1on1の振り返りがあります。深刻な悩みを相談することはなく雑談も多かったのですが、構えずに話せる場があることで「一人で悩みを抱え込まなくても大丈夫」という安心感を得られました。日常のささいなことや、心と体の変化を常に見ていてくれる支援員の存在は、大きかったと思います。

「年収」と「専門性」の両立を目指し、一般企業への障害者雇用に挑戦

自分の言葉で語るため、徹底した面接対策

就職準備で最も力を注いだのは、想定問答集の作り込みです。企業のホームページや採用情報、IR情報(投資家向け情報)まで目を通し企業研究をおこなった上で、志望動機やキャリアプランを自分の言葉で説明できるように作成。一問一答にとどまらず、深掘りされた際も回答ができるようシミュレーションを重ねました。

就活は学生時代に経験済みでしたが、障害者雇用での就活は初めてだったので、支援員のアドバイスが参考になりました。障害特性について説明する際、ネガティブな側面だけでなく、「自分の特性をどう考え、どう対処しているか」という前向きな姿勢を伝えられるよう、支援員と準備を整えました。

通所から9カ月が経ち、いよいよ就職活動をスタート。理系の素養や経験を活かしたいと思っていましたが、可能性を狭めてしまわないよう事務系の求人にも応募しました。親元を離れていたので、自立した生活を送るために「年収」も妥協できない条件でした。そのため特例子会社ではなく一般企業に応募しましたが、不採用が続き落胆した時期もあります。しかし、雇用保険の受給期間満了も迫るなか、あきらめることなく精力的に活動を続けました。

想定外の質問にも、自分の言葉で回答できた面接

三菱総合研究所との出会いは求人票でした。モビリティやエネルギーなど科学技術分野のコンサルティング業務に強みをもつ同社なら、自分の素養を活かせるのではないかと感じ、応募を決意しました。

面接はとても和やかでリラックスできる雰囲気でしたが、表面的な回答だけでなく具体的なエピソードや意見を求められることが多く、その場で自分の考えをまとめて回答する必要がありました。想定問答集はあらかじめ頭に入れておき、想定外の質問にも対応できるように心構えをしていたので、自分の言葉でうまく回答できたと思います。

面接のような緊張する場面においても、自分の考えをしっかり言葉にできたことは、大きな自信になりました。内定を真っ先に報告した母が、「もう決まったの!すごい!」と一緒に喜んでくれた声は、今も耳に残っています。

テレワークへの不安を、ミラトレの擬似就労で解消

当社 では、コロナ禍以前からリモート勤務の制度を導入し、出社とテレワークを組み合わせたハイブリッドワークをおこなっています。「テレワークに対応できるだろうか」という不安をミラトレの支援員に相談したところ、テレワーク形式の擬似就労を提案してくれました。Zoomやチャットを使った報告連絡相談や、自宅の環境整備などを事前に経験できたことで、スムーズに実務へ移行できました。利用者のことを第一に考え、柔軟に対応してくれたミラトレには、本当に感謝しています。

業務の効率化に向けて、ITスキルを習得

会社に貢献できる人材を目指し、コンサルティングを支援

現在は事業企画を担う統括室に所属しつつ、コンサルティング業務を行う組織にも兼務しています。案件分析や資料作成において、Officeソフトのスキルが役立っています。

また、これまでの経験から、相手のバックグラウンドに配慮した組織間連携を心がけています。組織間には互いに見えない部分が存在するので、相手の状況をより深く考えてから行動を起こせるようになったことは、自分として成長が感じられる点でもあります。事業戦略策定に関わる資料の作成など、責任ある仕事を任せていただけることに、大きなやりがいを感じています。

元々、無駄を省くのが得意なので、「手間のかかる作業を楽にできないか」と業務の効率化にも取り組んでいます。生成AIやプログラミングを学び、数時間かかっていた作業を10分程度で完了するツールも開発できました。自分だけでなく組織全体の業務効率化を実現できれば、他の社員もより付加価値の高い仕事に集中できますし、会社に貢献できるのではないかと考えています。

長くはたらき続けるためのセルフメンテナンス

前職よりも前向きに仕事に取り組めているので、この会社で長くはたらきたいと思っています。そのためにも、ミラトレで学んだ体調管理法を活用しながら、健康を管理しています。ミラトレでは、日々の体調を記録して、体調が変化する傾向や原因を可視化していました。自分では暑さに強いつもりでも夏になると体調が悪くなるなど、さまざまな気づきがあったので、今も体調の可視化を意識しています。最近、寝る前の読書によって精神が安定し、寝付きが良くなることに気づきました。スマホから離れて読書する時間を大切にしています。

また、困りごとに寄り添ってくれる上司や先輩がいるので、悩みを抱え込まず早めに相談することを心がけています。あまり知人が多くない私にとって、社内の先輩上司に加え、ミラトレの定着支援も 第三者と話せる貴重な機会です。支援員と話していると、「こういう考え方もあるのか」「自分はこういうふうに考えているのか」とさまざまな視点から自分の思考を整理できます。

一歩踏み出す勇気が、人生を前向きに変えるきっかけに

一人で障害や就職に向き合うのは、心細くわからないことだらけです。ミラトレは、専門的な知見からバックアップしてくれる心強い存在でした。もし、苦境のなかにあっても人生を前向きに生きたいと考えていらっしゃる方が、このインタビューを読んでくださったなら、近くのミラトレへ見学に行ってみませんか?支援員と一緒に、「自分はどうなりたいのか」「何が幸せなのか」を考えることが、人生を前向きに歩むきっかけになると思います。

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ミラトレの確かな実績 ミラトレの確かな実績

企業担当者コメント

自信をもってキャリアの階段を積み重ねてほしい

  • 株式会社三菱総合研究所
  • 人事部 HR推進グループ 主事/障がい者採用マネージャー 井上渚 様
    (2026年1月現在)

株式会社三菱総合研究所は、「社会課題を解決し、豊かで持続可能な未来を共創する」ことを使命とする総合シンクタンクです。1970年の創業以来、都市・モビリティ、医療・福祉、人材・教育など多様なテーマを取り扱い、政策立案から企業の経営・事業戦略、DX戦略まで幅広い領域で課題の解決に取り組んできました。

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進においては、障 害の有無で組織を分けず協働しています。障害のある社員の定着・活躍に向けて、支援体制の強化と社内理解の促進という二方向で取り組みを進めております。個の専門性・多様性を相互に高めあい、多様化する社会課題を公平・多角的な視点から解決することを目指し、組織体制を強化するため、2024年10月、DE&I推進室を設置しました。

人事部では 、ミラトレのような外部サービスと連携しながら、障害がある方の思いを汲み取り、目指すべき方向を一緒に模索しています。また、さまざまなバックグラウンドをもつ方に思いやりの心をもって接していけるよう、定期的なeラーニングや講習の場を設け、経営層も含めた全社的な意識の底上げを図っています。

私自身、メンターとして障害のある社員に伴走していますが、緻密な仕事ぶりに触れたり、タスク管理法を一緒に学ばせていただいたりと、仕事に好影響を受けることも少なくありません。

法定雇用率の達成も社会的責任として重く捉えていますが、採用において私たちが重視しているのは、「当社で自信をもって長期的にキャリアを積み上げていけるか」という視点です。障害がある方を選考する際、できないことばかりに目を向けてしまう後ろ向きなケースや、できないことをできると言ってしまうケースでは、入社後のミスマッチが懸念されます。でも、面接時のMさんはどちらのケースにも偏ることなく、自身の強みと配慮事項をしっかり整理している点に好印象をもちました。

Mさんの強みは、問題に対して道筋を立ててアプローチできる「構造的思考力」です。そして、物ごとに意味づけをしながら行動できるスキルをもっています。任された仕事に対し、「どのようなスキルにつながるか」という動機づけをおこないながら前向きに取り組み、自身の成長を加速されています。

ミラトレを運営するパーソルグループの「はたらいて、笑おう。」というビジョンは、当社の志向と通ずるものがあります。障害がある方のキャリアプランと企業のニーズの合致点を見出し、良好なバランスを保てるよう考えていきたいと思っています。より良い未来社会をともに創りたいという熱意のある方は、三菱総合研究所の門を叩いてください。面接を通じて「何ができるか」を一緒に探っていきましょう。

※所属・役職ほか記事の内容は取材当時のものです

就労移行支援事業所
ミラトレ新松戸
所在地 :
千葉県松戸市新松戸2-18 長谷川ビル 6F
営業時間:
8:45 – 17:45
電話番号:
047-349-3410