基礎知識

公開日:2023/5/30
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就職ガイド –はたらく選択肢-

精神障害の方が仕事で陥りがちな悩みへの対処方法やはたらき方を紹介

精神障害の方が仕事で陥りがちな悩みへの対処方法やはたらき方を紹介

精神障害とは、統合失調症やうつ病、社会不安障害など、さまざまな精神疾患の総称です。精神障害があると、心身のコントロールが難しくなり、日常生活や社会生活にさまざまな支障をきたすことがあります。近年、精神障害ある方の就職件数は増えており、活躍の場は広がっています。精神障害があっても、自分に合った仕事選びや、心身の負担をやわらげるコツをつかむことで、長くはたらくことができるでしょう。今回の記事が、自分らしいはたらき方のイメージにつながれば幸いです。

精神障害の方が抱えやすい仕事の悩み

社会で活躍している精神障害の方は、どのような悩みを感じやすいのでしょうか。主な悩みを3つご紹介します。

心身の状態が安定しない

精神障害があると、体調の変化や気分の波があります。精神障害のある方がはたらく場合、調子の良し悪しが業務スピードや仕事の成果に影響することもあるでしょう。心身の調子が悪い時、思うように仕事が進まないと「周囲に負担をかけてしまうのではないか」と悩む方も少なくありません。

特性を理解されにくい

精神障害は常に症状が現れているわけではなく、また、症状が現れていても相手にとってはわかりづらい場合があります。精神障害のある方が思うように仕事を進められなかった時、その原因が障害特性によるものだということが周囲の人に理解されないこともあるかもしれません。

状況によっては誤解を生み、人間関係に影響を及ぼすケースもあります。障害特性を周囲にどのように伝えるかや、いつ障害があることを伝えるかも、精神障害のある方の悩みの一つといえるでしょう。

ストレスやはたらきづらさを感じやすい

自分の障害特性に対する理解が深まらないまま就職すると、仕事内容や職場環境とのミスマッチが起きる可能性が高まりがちです。例として、聴覚の過敏な方が雑音の多い職場に配属されたり、コミュニケーションに不安のある方が人と話す業務に就いたりすると、はたらきづらさを感じるでしょう。

また、周囲から「何度注意しても改善しない」「やる気がないのではないか」など、マイナスの評価を受けて自己嫌悪になることもあるかもしれません。そのようなことが起きないように、ご自身の障害特性や過去に困ったことなどを振り返り、慎重に検討することをおすすめします。

仕事の悩みに対処するためのポイント

精神障害の方が悩みに対する解決の糸口を見つけるために、ご自身でできる取り組みをご紹介します。

医師に相談する

医療機関への受診にためらいを感じる方もいるかもしれませんが、自分自身の状態や障害特性を把握し、正しい体調管理をおこなうには、早めの受診をおすすめします。受診の際には、現在の状態を具体的な数字で伝えましょう。例として、睡眠障害のある方は就寝時間を、吐き気のある方は嘔吐の回数を、躁うつ症状のある方はその日の気分の状態を5段階や10段階で数値化すると、医師に伝わりやすいです。

通院や薬の服用を中断しない

自分の判断で、通院や薬の服用を怠らないようにしましょう。精神障害の症状には波があるので、治療の効果を実感できなかったり、通院が負担になったりすることがあるかもしれません。また、体調が安定すると、自己判断で治療を中断してしまうケースもあります。もし、通院や薬の服用に対して疑問やためらいを感じた場合は、その都度医師に伝えましょう。

体調管理につとめる

仕事を続けるためには、体調の変化に自分自身で気づくことも大切です。自分はどのような環境に身を置くと体調が悪化しやすいのかといった傾向とその対策、体調が下向きになる時にはどのような兆候があるのかを意識しておくと良いでしょう。体調の変化やストレスサインをメモするなど、体調の変化を把握できると、自分なりのストレス対処法や必要なサポートが見つかることもあります。

事実と気持ちを切り分ける

職場での指示や注意をありのまま受け止めることも大切です。注意を受けた時に「障害があるから注意されやすい」「障害者を差別しているのではないか」と感じることがあるかもしれませんが、憶測で考えすぎずに事実と自分の気持ちは切り分けて考えましょう。

自分の特性に合う職場への異動を希望する

自身の特性に合ったはたらき方ができれば、ストレスの蓄積防止につながります。自分自身の特性を見つめ直し、得意なことと不得意なこと、快適な環境とストレスフルな環境を書き出してみてはいかがでしょうか。一つひとつ整理してみると、自分にとって快適な職場環境やストレスの少ない仕事内容がわかるでしょう。

産業医や人事と情報共有する

産業医や人事担当者に障害や特性を伝えておくと、勤務形態や配属先について配慮してもらえることもあります。「産業医や人事への相談はハードルが高い」と感じる場合、まずは家族や友人、同僚に相談してみてはいかがでしょうか。誰かに話すことは職場で相談する勇気やきっかけにつながります。

障害に応じた仕事選びが大切。障害ごとに適したはたらき方を紹介

精神障害の種類として、気分障害やうつ病、パニック障害などが挙げられます。ここでは、各障害に応じた仕事選びのポイントや長くはたらき続けるコツについての解説記事を紹介します。

休職・退職する場合の流れ

体調管理をしていても症状の波が訪れたり、本人の努力だけでは職場からストレス要因を取り除けなかったりと、さまざまな理由で仕事を続けられなくなることがあります。休職や退職を選択した際の流れをご説明します。

医師に相談する

仕事を続けることが難しいと感じたら、医師に相談して勤務状況や職場環境、仕事上の困りごとなどを伝えましょう。医師は仕事の状況と症状を照らし合わせた上で、職場に対する業務調整の指示や、自宅療養の必要性を判断します。医師に診断書を作成してもらった上で、上司や人事に面談を申し出ましょう。

休職または退職を検討する

医師の診断書を提出した上で、上司や人事とはたらき方の相談を行いましょう。一般的には、一度休職期間を設けて様子を観察しますが、状況や症状によっては休職せず退職するケースもあります。

休職制度は会社によって異なるため、あらかじめ休職できる期間や賃金の支払い条件などを確認しておくと安心です。休職中は生活リズムの安定に気を配りながら療養に専念しましょう。休職によって心身の状態が安定したら、医師と相談しながら復職の準備をします。一般的に復職の条件として、「休職前に就労困難な原因となった症状の回復」「本人のはたらく意欲の回復」「再発防止につながる職場環境の改善」の3つが挙げられます。復職に不安のある方は、職場復帰をサポートするリハビリテーションプログラムであるリワーク制度の利用を検討しましょう。

休職後、体調によっては退職する方もいるでしょう。退職後の療養によって心身が良好な状態に落ち着いてから、就労移行支援事業所を利用して再就職を目指す道もあります。

精神障害の方の生活に役立つサポート

最後に、精神障害のある方が安定した生活を送るために役立つサポートを紹介します。上手に活用して、生活基盤を整えましょう。

精神障害があっても職場復帰を目指すなら就労移行支援がおすすめ

精神障害のある方が社会で活躍するためには、障害特性を理解することが大切です。特性を理解した上で、心身の状態を良好に保つための対処法を身につけ、自分に合ったはたらき方を見つけましょう。自分一人でこれらを身につけるのが難しいと感じる方は、専門の支援機関を利用してはいかがでしょうか。

就労移行支援事業所「ミラトレ」では、長くはたくための力を身につけられるよう、一人ひとりの特性に応じたトレーニングをおこなっています。就労に向けたトレーニングだけでなく、就職活動の支援や就職後の定着支援によって、障害に対処しながら長くはたらき続けたいという方をサポートします。就労移行支援についての疑問や、「ミラトレ」についてのご質問、障害に関するご相談など、気軽にお問い合わせください。

執筆 : ミラトレノート編集部

パーソルダイバースが運営する就労移行支援事業ミラトレが運営しています。専門家の方にご協力いただきながら、就労移行支援について役立つ内容を発信しています。