基礎知識

公開日:2026/1/31
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就職ガイド –はたらく選択肢-

人の視線が怖いのは病気?社交不安障害の症状と対処法を解説

人の視線が怖いのは病気?社交不安障害の症状と対処法を解説

大勢から注目される場面で不安になったり緊張したりするのは、誰にでもある当たり前のことです。しかし、その不安や緊張が強く、苦痛を伴うことで心身に不調が生じている場合、社交不安障害や他の病気・障害の可能性があります。日常生活にも影響が出ている場合、それは個人の性格特性や能力不足によるものではなく、適切な対処や治療が必要な状態かもしれません。この記事では、社交不安障害の原因や症状を解説するとともに、人の視線が怖いときの対処法や相談先についても紹介します。

他人の視線が怖いと感じるのは社交不安障害かも

人前に立ったり、初対面の人と話したりする際に不安や緊張を感じるのは、ごく自然な反応です。大抵は、経験を重ねるうちに少しずつ慣れて緊張は和らいでいくため、過度に心配する必要はありません。ただし、他人と接する際や周囲から注目される場面で強い恐怖や不安を感じ、そうした場面を避けることで日常生活に支障が出ている場合には、社交不安障害の可能性が考えられます。

社交不安障害とは不安障害のひとつで、「社交不安症」「社交恐怖」とも呼ばれています。対人恐怖症や赤面症なども社交不安障害に含まれます。人見知りや内向的な性格の問題と間違われやすいため、自分が社交不安障害だと気付いていないケースもあるでしょう。

社交不安障害は重症化すると、赤面や発汗、動悸、震え、呼吸困難などの症状があらわれることがあります。その場合、社会生活を避けて引きこもりがちになってしまうこともあります。こうした症状に悩まされている人は、精神科や心療内科への相談をおすすめします。

社交不安障害の原因と症状

社交不安障害は、10代から20代で発症するケースが多く、進学や就職など人生における重要な場面で支障をきたす可能性があります。発症の原因ははっきりしておらず、自律神経の乱れや個人の性格、育った環境などさまざまな要因が複雑に関係していると考えられています。

社交不安障害がある人は、次のような状況で強い不安や恐怖を感じる傾向があります。
  • 強い不安や恐怖を感じる状況例
    ●人前で発表・発言する
    ●初対面の人と話す
    ●電話対応
    ●人前で文字を書く
    ●人前で食事をする
    ●飲み会やパーティーに参加する など
また、社交不安障害の症状として、以下のような反応があらわれることがあります。
  • 社交不安障害の反応例
    ●赤面
    ●動悸
    ●発汗
    ●手足の震え
    ●めまいや吐き気
    ●腹痛
    ●呼吸困難
    ●口の乾き
    ●パニック発作 
    ●気分の落ち込み
    ●不眠症状 など
社交不安障害の症状は人と接する場面で起こりやすいため、悪化すると外出が難しくなり、日常生活や社会生活が制限されてしまいます。二次的にうつ病など他の精神疾患を併発する恐れもあるため、注意が必要です。

社交不安障害の治療方法は主に「薬物療法」と「心理療法」の2種類

社交不安障害は、適切な治療によって改善が期待できる疾患です。主に薬物療法と心理療法という2つの治療法があります。

薬物療法

薬物療法では、脳内の神経伝達物質のバランスを整えることで、不安や恐怖心を和らげることを目指します。一般的に、不安を抑える抗不安薬や、心のバランスを整えるSSRIなどを使用します。定期的な服薬によって、症状を緩和する効果が期待できます。

心理療法(認知行動療法)

心理療法では、認知行動療法などを用いて心理的問題にアプローチします。例えば「自分は何をしてもうまくできないダメな人間」など、ネガティブな考えをもつ人は、周囲からの視線や評価に過敏になり恐怖を感じやすい傾向があります。こうした誤った固定観念や認知の歪みを、認知行動療法によって健全な思考パターンへと整えていきます。

また、不安を感じる場面にあえて段階的に触れていく、段階的暴露療法(エクスポージャー法)という治療法もあります。成功体験を積み重ねることで自信を養い、不安や恐怖を和らげる方法です。

社交不安障害に似ている病気

社交不安障害と同じような症状があらわれる病気や特性もあります。

全般性不安障害

全般性不安障害とは、日常生活全般において不安や心配を感じる病気です。人前での発表など、特定の場面で不安や恐怖を感じる社交不安障害と違い、日常生活のあらゆる場面で過度な不安が続くのが特徴です。

うつ病

うつ病は、気分が落ち込んで憂うつになり、何もやる気が出ないといった精神症状とともに、さまざまな身体症状があらわれて日常生活に支障をきたす精神疾患です。具体的な身体症状として、不眠や食欲不振、疲労感などが挙げられます。強い不安感や動悸・息切れなどもあらわれることから、社交不安障害と間違われることがあります。

HSP(Highly Sensitive Person)

HSPは、生まれつき感受性が強く敏感な気質をもつ人のことであり、病気や障害ではありません。しかし、社交不安障害と似た特性をもっており、その過敏性から日常生活に影響を及ぼす場合もあります。

統合失調症

統合失調症は、思考や感情、行動など、脳のさまざまな機能をまとめることが難しくなり、幻覚や妄想などの症状があらわれる病気です。統合失調症のサインには、不安感や緊張、周囲に対する過敏さなど、社交不安障害と似ている症状があります。

発達障害(ASD・ADHD)

ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)など発達障害のある人は、その特性によって人の視線に過敏になり、不安を抱きやすい傾向にあります。変化への対応が苦手な特性をもつ人は、他人との接触を避け引きこもりがちになるなど、日常生活に支障をきたす場合があります。

人から注目されるのが怖いときの対処法

周囲の視線が怖いと感じる人は、専門的な治療と並行して次のような対策を試してみましょう。

リラクゼーション法を実践する

認知行動療法の一種でもあるリラクゼーション法を取り入れて、意識的に心と身体をリラックス状態へ導きます。
  • リラクゼーション例
    ●深呼吸:鼻からゆっくりと息を吸い込んだら、数秒止めたのち口からゆっくりと吐き出します。この際、腹式呼吸を意識しましょう。副交感神経を優位にすることで、心身の緊張が緩みやすくなり気分や心拍を落ち着かせる効果が期待できます。

    ●マインドフルネス・瞑想:過去や未来ではなく「今」この瞬間に意識を向け、ありのままの自分を観察します。評価や善悪については考えず、「目の前のことに集中する状態」を保つことで心情を穏やかにする効果が期待できます。

    ●筋弛緩法:息を吸いながら体の一部分に力を入れ、吐きながら力を抜きます。まずは手からはじめ、腕、肩、背中と全身おこなっていきます。すべての部位をおこなう必要はなく、緊張やこわばりが強い箇所だけでも構いません。筋肉を意識しながらおこなうことで、心身のリラックスにつながります。

イメージトレーニングをする

成功する自分の姿を想像して、緊張を和らげます。イメージが具体的であるほど高い効果を期待でき、自信を生み出す一種の成功体験となります。繰り返し「成功」をイメージすることで、「失敗するかもしれない」という不安が軽減され、リラックス効果が期待できます。

人の視線が怖いときの相談先は

人の視線に悩んでいる人は、一人で抱え込まずに相談することをおすすめします。相談先として、次のようなものがあります。

公的機関の相談窓口

国や地方自治体が設置している相談窓口があります。基本的に無料で利用できるのが特徴です。主な相談窓口として、以下のものが挙げられます。
  • 相談窓口例
    ●保健所:心の健康、保健、医療、福祉に関する相談、ひきこもり相談など、幅広い相談に応じています
    ●精神保健福祉センター:心の健康や精神科医療、社会復帰などの相談に対応。各都道府県・政令指定都市に1カ所ずつあります
    ●市町村の保健センター:医療や福祉についての身近な相談に対応しています

心療内科・精神科

人の視線を苦痛に感じ、日常生活に支障が出ている場合、社交不安障害やその他の病気、障害が関係している可能性があります。そのような悩みをもつ人は、専門の医療機関に相談することをおすすめします。症状を緩和するためには、医師の正確な診断と適切な治療を受けることが大切です。

家族・同僚・上司など信頼できる相手

一人で悩みを抱え込んでしまうと視野が狭まり、思考がネガティブになりがちです。悩みを口に出すだけでも、ストレス解消になることもあるので、家族や同僚、上司など、信頼できる身近な人に相談するのもおすすめです。

就労移行支援事業所

就労移行支援事業所とは、一般企業への就職を希望する障害や難病のある人を対象に、就職に必要なスキルや知識の習得を支援する福祉サービスです。人の視線が怖いことが障害や病気によるものの場合、就労移行支援の利用対象となる可能性があります。

就労移行支援事業所では、一人ひとりの課題や能力を踏まえた上で、就職活動のサポートから就職後の職場定着支援まで総合的な支援をおこなっています。

※関連記事「就労移行支援事業所って何?利用を検討する際のメリットと8つの判断チェックポイントを紹介

人の視線に恐怖を感じて悩んでいる人は就労移行支援事業所「ミラトレ」に相談しよう

人の視線に恐怖を感じ、それが日常生活や仕事に支障をきたしている場合、社交不安障害や他の病気・障害の可能性があります。そのまま放置すると、症状が悪化し慢性化するリスクもあるため、少しでも気になる症状があれば医療機関への受診をおすすめします。

社交不安障害のある人が長くはたらき続けるためには、自身の特性を理解することが重要です。

就労移行支援事業所「ミラトレ」では、障害のある人が自分らしいはたらき方を見つけ、長くはたらき続けられるよう、障害理解や就労をサポートしています。社交不安障害や発達障害の特性によって「はたらく上で困難がある」「就職に不安がある」といった悩みがある方は、気軽にご相談ください。

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執筆 : ミラトレノート編集部

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