基礎知識

公開日:2026/2/27
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就職ガイド –はたらく選択肢-

ストレスマネジメントとは?実践方法を学び、ストレスを上手にコントロールしよう

ストレスマネジメントとは?実践方法を学び、ストレスを上手にコントロールしよう

ストレスマネジメントとは、自分のストレスに気づき、適切にコントロールすることです。ストレスは、日常生活や社会生活を送る上で誰もが受ける刺激への反応です。しかし、過度なストレスが慢性化すると心身に悪影響を及ぼすため、原因に対処したり反応をやわらげたりする必要があります。ストレスマネジメントによってストレスにうまく対処できれば、健康の維持やパフォーマンス向上につながるでしょう。本記事では、ストレスマネジメントの基礎知識から、実践的なテクニックまで詳しく解説します。

ストレスとは?

ストレスとは、外部からの刺激によって体や心に生じる反応のことです。私たちは日常生活の中で多かれ少なかれ刺激を受けていますが、過度なストレスが続くと心身のバランスを崩してしまいます。健康を保つためには、ストレスをゼロにすることを目指すのではなく、仕組みを理解して上手に向き合う方法を身につけることが大切です。

ストレス理論では、ストレスの原因を「ストレッサー」、それによって引き起こされる反応を「ストレス反応」と呼びます。

ストレスの原因「ストレッサー」の4分類

ストレッサーは、その性質によって主に以下の4種類に分類されます。
  • ストレッサーの4分類
    ●物理的ストレッサー
    温度、光、音、混雑など
    (職場での物理的ストレッサーとして、「室温が暑すぎる」「照明がまぶしい」「機械音がうるさい」などの例が挙げられます)

    ●身体的ストレッサー
    体調不良、病気、ケガ、睡眠不足、疲労など

    ●心理・社会的ストレッサー
    人間関係、仕事や家庭の問題、経済的な悩みなど
    (職場での心理・社会的ストレッサーとして、「業務内容にプレッシャーを感じる」「仕事量が多すぎる」「人間関係がうまくいかない」などの例が挙げられます)

    ●化学的ストレッサー
    化学物質、薬物、アルコール、タバコ、金属(職場で「金属粉じんを吸い込む」「工具を使用する」ことで、呼吸器や肌に刺激を与えるケースも)など
「自分はどのようなストレッサーに影響を受けやすいのか」を意識してみると、適切な対処方法を見つけやすくなります。

心身にあらわれる「ストレス反応」の具体例

ストレス反応は、「身体面」「心理面」「行動面」の3つの領域にあらわれます。
  • ストレス反応の具体例
    ●身体面
    疲労、だるさ、食欲不振、不眠、頭痛、肩こり、腰痛、眼精疲労、便秘・下痢、胃痛、嘔吐、動悸・息切れ、めまい、しびれ、体のふしぶしの痛み など

    ●心理面
    緊張、不安、イライラ、怒り、抑うつ、焦燥感、孤独感、物忘れ など

    ●行動面
    過食・拒食、生活の乱れ、飲酒・喫煙の増加、遅刻・欠勤、引きこもり、ミスの増加、暴言・暴力 など
ストレス反応のあらわれ方は遺伝的な要因や経験などによる個人差が大きく、ストレッサーにさらされているからといってすべての人に上記のようなストレス反応が起こるとは限りません。

はたらく人の約7割が感じる「仕事上のストレス」

厚生労働省の調査(2024年)によると、はたらく人の68.3%が仕事上で強いストレスを感じています。主な原因は「仕事の量」が最も多く、次いで「仕事の失敗、責任の発生等」「仕事の質」となっています。そのほかにも、以下のような要因が複雑に絡み合っています。
  • 複雑に絡み合う仕事上のストレス例
    ●対人関係(上司への不満、コミュニケーション不全、孤立感 など)
    ●プレッシャー(高いノルマ、ミスへの不安、部下の育成 など)
    ●環境(温度・音・光の問題、異動による変化、体制の不備 など)
    ●適性(スキルと業務難易度のミスマッチ、興味のない業務 など)
    ●生活リズムの変化(通勤ストレス、業務スケジュールへの適応 など)

    ※出典:厚生労働省「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)の概況

健康の維持に役立つ「ストレスマネジメント」

ストレスに対処し、健やかな状態を保つための取り組みを「ストレスマネジメント」といいます。ストレスが大きくなると精神疾患を引き起こすことがあるため、まずはストレスの状態を把握することが大切です。そして、ストレッサーにアプローチしたり、ストレス反応をケアしたりすることで、心身への悪影響を最小限に抑えられます。

ストレッサーやストレス反応に対処することを「ストレスコーピング」といいます。ストレスコーピングにはどのような方法があるのか、次の章で解説します。

ストレスコーピングとは。ストレスに対処する3つのアプローチ

厚生労働省のサイトによると、「コーピング」には「対処する」「切り抜ける」という意味があり、ストレス対処方法のことをストレスコーピングといいます。ストレスコーピングは、大きく分けて「問題焦点型」「情動焦点型」「ストレス解消型」の3種類です。ストレッサーから無意識に身を守る「適応機制(防衛機制)」という心のはたらきもありますが、コーピングは意識的におこなう点で適応機制と異なります。

※出典:こころの耳「ストレスコーピング

問題焦点型コーピング

問題焦点型コーピングとは、ストレスの根本的な問題、つまりストレッサーにはたらきかけ、ストレスに対処する方法です。仕事における問題焦点型コーピングとして次のような例が挙げられます。
ストレッサー コーピングの一例
仕事量の多さ 優先順位を整理し、上司に業務量の調整を相談する
職場の人間関係 率直かつ誠実(アサーティブ)な伝え方を学び、相手との適切な距離感を保つ
プレッシャーの大きさ ダブルチェックを依頼しミスを防ぐ

情動焦点型コーピング

情動焦点型コーピングは、ストレッサーに対する受け止め方や感じ方を調整して、ストレスに対処する方法です。仕事における情動焦点型コーピングとして、次のような例が挙げられます。
ストレッサー コーピングの一例
仕事量の多さ 自分のスキルを底上げするトレーニング期間だと考える
職場の人間関係 「相手が不機嫌なのは自分ではなく相手の問題だ」と一線を引いて考える
プレッシャーの大きさ 感情を紙に書き出したり、信頼できる相手に相談したりして、気持ちを整理する

ストレス解消型(気晴らし型)コーピング

ストレス解消型(気晴らし型)コーピングは、ストレス反応が起こったあと、趣味や娯楽で気晴らしをする方法です。根本的な問題は解消されませんが、気持ちをリセットしたり、活力を取り戻したりして、ストレス反応をやわらげる効果が期待できます。「3つのR」を意識すると効果的です。
なかでも、十分な睡眠や運動の習慣化は、ストレス解消に効果的だといわれています。
3つのR 概要
Rest(休息) 休養や休息によって活力を回復する方法
Relax(リラックス) 音楽鑑賞やストレッチ、瞑想などによって心と体の緊張をほぐす方法
Recreation(レクリエーション) 趣味や旅行、スポーツなどで気分転換する方法

今すぐ実践できるストレス対処法

ストレスマネジメントの第一歩は、「セルフモニタリング」です。自分の状況や気持ちを客観的に観察・分析することで、「自分がどのようなストレッサーに対し、どのようなストレス反応を起こすのか」という傾向がわかります。

また、「コーピングリスト」の作成もストレスマネジメントに有効です。自分に合うストレス対処法を思いつく限り書き出し、ストレス反応を感じたときに実践します。効果がなかった方法にも注目し、その理由を分析してみると良いでしょう。ここからは、ストレスマネジメントの具体的な方法やコツを紹介します。

記録によって自分の傾向を客観視する

セルフモニタリングは、自分の状況を振り返るだけでなく紙やアプリに記録することで、分析の精度が上がります。記録すべきポイントは次の5つです。
  • 記録すべき5つのポイント
    1)状況: 何が起きたか(ストレッサー)
    2)考え: どう受け止めたか(認知)
    3)感情: どのような気持ちか(不安、怒りなど)
    4)身体的反応: 体の変化(動悸、肩こりなど)
    5)言動:どのような行動を起こしたか、または起こさなかったか
記録を続けると、「自分の頭痛は気圧の変化によるものだと思っていたが、実際は周囲の雑音に対するストレス反応だった」など、思わぬ発見があるかもしれません。日々の記録は、ストレスを正確に把握するための材料になります。

「こころの温度」を体調のバロメーターに

セルフモニタリングのひとつに、「こころの温度」を計るという方法があります。起き上がるのも面倒なほど無気力な状態を「0℃」、気分も体調も良好な状態を「100℃」として、「今の状態は何℃くらいだろう」と計ってみる方法です。

毎日計ることで、「70℃を切ったら早めに寝る」といった自分なりの基準を作ることができます。「なぜその温度なのか」という理由も考える習慣をつけると、ストレッサーの存在に気づき、早めに対処しやすくなるでしょう。

「考え方のクセ」を見直してみる

自分の「考え方のクセ」に気づくと、ストレス反応が起こりにくくなる場合があります。たとえば、仕事でミスをしたときに「これまでの頑張りがムダになってしまった。自分はこの仕事に向いていない」と考える人は、「0か100か」という完璧思考のクセをもっている可能性があります。「ミスはしたが成長した部分もあった。ミスは次に活かそう」と加点方式で自分を評価する習慣をつけることも、立派なストレスマネジメントです。

言葉の力で心のバランスを保つ

ストレスが生じたとき、「大丈夫」「できる」「おちついて」といったポジティブな言葉を自分に投げかけると、ストレスをやわらげる効果が期待できます。また、信頼できる相手に相談することも有効です。気持ちが整理されるだけでなく、新しい視点から対処法が見つかるかもしれません。誰かに気持ちを吐き出すだけでも、心はふっと軽くなるものです。

就労移行支援事業所「ミラトレ」ではストレスマネジメントをサポート

「長く安定的にはたらきたい」という人は、ストレスマネジメントを身につけておくと健康の維持や仕事のパフォーマンス向上に役立ちます。ストレスへの対処に悩んでいる人は、周囲の人や専門機関のサポートを受けながら、ストレスマネジメントを身につけると良いでしょう。

就労移行支援事業所「ミラトレ」では、障害や難病のある方が自分らしくはたらけるよう、ストレス対処を含めた職業準備性のトレーニングをおこなっています。コミュニケーションスキルやビジネススキルの向上によって、「ストレスを一人で抱え込まないはたらき方」を目指せます。支援員と一緒に、さまざまなセルフモニタリングやストレスコーピングのなかから、ご自身に合う方法を見つけましょう。さまざまなストレッサーにさらされやすい就職活動中や就職後も、定期面談などを通じてストレス対処をサポートします。

「ストレスマネジメントを身につけ、一般企業ではたらきたい」という方は、気軽にミラトレへご相談ください。

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執筆 : ミラトレノート編集部

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