ミラトレノート
就労移行支援の
基礎
知識


地域活動支援センターは、さまざまな活動を通して、障害のある人が充実した地域生活を送れるようサポートしています。地域ごとに、障害のある人を独自の手法でサポートしていた「小規模作業所」が前身です。そのため、地域活動支援センターに移行した今も、それぞれ特色のある活動をおこなっています。地域活動支援センターには大きく分けて3つの種類があるため、「どのような違いがあるの?」と気になる人もいるでしょう。そこで今回は、地域活動支援センターの基礎知識を解説します。
地域活動支援センターの種類と活動内容
地域活動支援センターとは、障害のある人の日中活動をサポートする通所型の施設です。障害者総合支援法にもとづく地域生活支援事業のひとつとして、障害のある人に創作活動や生産活動、社会との交流の場を提供しています。
就労継続支援事業所では基本的に週5日の通所を目指しますが、地域活動支援センターは自分のペースで通えます。初めて日中活動系の福祉サービスを利用する人にとって、利用のハードルが低いサービスといえるでしょう。
地域活動支援センターのサービスは、「基礎的事業」と「機能強化事業」の2つで成り立っています。次の表を参考にしてください。
就労継続支援事業所では基本的に週5日の通所を目指しますが、地域活動支援センターは自分のペースで通えます。初めて日中活動系の福祉サービスを利用する人にとって、利用のハードルが低いサービスといえるでしょう。
地域活動支援センターのサービスは、「基礎的事業」と「機能強化事業」の2つで成り立っています。次の表を参考にしてください。
機能強化事業 | ||
---|---|---|
Ⅰ型 必ず専門スタッフが在籍 |
Ⅱ型 機能訓練や社会適応訓練を実施 |
Ⅲ型 長年、地域に根ざした活動を継続 |
基礎的事業 創作活動、生産活動 |
ここからは基礎的事業と機能強化事業について紹介します。
基礎的事業
「基礎的事業」の内容に決まりはなく、センターごとにさまざまな活動をおこなっています。下記は活動の一例です。
- 活動の一例
●ものづくり/料理、陶芸、手工芸など
●芸術活動/音楽、絵画、生花など
●運動/ヨガ、エアロビクス、柔軟体操など
●レクリエーション/ゲーム、カラオケ、野外活動、映画上映会など
●教室/漢字教室、パソコン教室など
通所者は、このような活動を通じて新たな友人や趣味と出会えるでしょう。
機能強化事業
機能強化事業は、「Ⅰ型」「Ⅱ型」「Ⅲ型」の3つの種類に分けられます。それぞれについて見ていきます。
●Ⅰ型
精神保健福祉士や社会福祉士などの専門スタッフが3名以上配置されています。医療機関や支援機関と横のつながりをもちながら、障害のある人をサポート。困りごとの相談に応じているほか、障害のある人が暮らしやすい地域になるよう、ボランティアの育成や啓発活動などをおこなっています。
利用者数/おおむね1日20名以上
●Ⅱ型
障害によってはたらくことが難しい人を支援するため、機能訓練や社会適応訓練、入浴サービスなどをおこなっています。機能訓練とは、体の機能や生活能力の向上を目的としたリハビリテーションです。社会適応訓練は主に精神障害のある人を対象に、はたらくために必要な集中力やコミュニケーションスキルの向上を促します。
利用者数/おおむね1日15名以上
●Ⅲ型
通所型の障害支援をおこなった実績が5年以上あり、その後も運営を続けているセンターです。
利用者数/おおむね1日10名以上
また2023年、Ⅳ型が新設されることに決まりました。Ⅳ型のセンターには、障害のある人と地元の人が交流を楽しめるフリースペースや、地域の空きスペースを活用したサロンが設置されます。困りごとの相談や専門機関への移行をサポートする予定です。
※出典:厚生労働省『地域活動支援センターの概要』
●Ⅰ型
精神保健福祉士や社会福祉士などの専門スタッフが3名以上配置されています。医療機関や支援機関と横のつながりをもちながら、障害のある人をサポート。困りごとの相談に応じているほか、障害のある人が暮らしやすい地域になるよう、ボランティアの育成や啓発活動などをおこなっています。
利用者数/おおむね1日20名以上
●Ⅱ型
障害によってはたらくことが難しい人を支援するため、機能訓練や社会適応訓練、入浴サービスなどをおこなっています。機能訓練とは、体の機能や生活能力の向上を目的としたリハビリテーションです。社会適応訓練は主に精神障害のある人を対象に、はたらくために必要な集中力やコミュニケーションスキルの向上を促します。
利用者数/おおむね1日15名以上
●Ⅲ型
通所型の障害支援をおこなった実績が5年以上あり、その後も運営を続けているセンターです。
利用者数/おおむね1日10名以上
また2023年、Ⅳ型が新設されることに決まりました。Ⅳ型のセンターには、障害のある人と地元の人が交流を楽しめるフリースペースや、地域の空きスペースを活用したサロンが設置されます。困りごとの相談や専門機関への移行をサポートする予定です。
※出典:厚生労働省『地域活動支援センターの概要』
地域活動支援センターの利用対象者と利用の流れ
地域活動支援センターの利用対象者は、センター所在地にお住まいの障害がある人です。対象年齢に決まりはありませんが、多くのセンターでは15歳以上もしくは18歳以上と定めています。センターによっては特定の障害を対象にしていたり、独自の年齢制限を設けていたりする場合があるため、お住まいの市区町村役所の福祉窓口などで確認してください。
地域活動支援センターを利用する流れは次の通りです。
地域活動支援センターを利用する流れは次の通りです。
- 利用の流れ
電話相談・見学予約
↓
見学・面談
↓
登録・契約
お住まいの市区町村役所の福祉窓口や相談支援事業所に相談すると、口頭での説明やパンフレットで詳しい情報を得られるでしょう。または、インターネットで「地域活動支援センター 〇〇(お住まいの市区町村)」と検索し、表示された最寄りの地域活動支援センターに直接連絡する方法もあります。多くのセンターでは見学や体験利用を受け入れているので、まずは見学の予約を入れましょう。その際、見学利用申込書の提出が必要となる場合もあります。
スタッフとの面談で、利用方法や利用条件、活動内容などを確認し、問題がなければセンターと直接契約を結びます。なかには福祉サービス受給者証や医師の意見書を提出しなければならないセンターもあるため、確認が必要です。登録が完了すると、通所を始められます。
スタッフとの面談で、利用方法や利用条件、活動内容などを確認し、問題がなければセンターと直接契約を結びます。なかには福祉サービス受給者証や医師の意見書を提出しなければならないセンターもあるため、確認が必要です。登録が完了すると、通所を始められます。
地域活動支援センターを利用するメリット
地域活動支援センターに通所すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。具体的に紹介します。
●生活リズムが整う
地域活動支援センターで日中に活動すると、体内時計が正しく動くようになります。はたらきたいと考えている人は、仕事に必要な基礎体力や生活習慣を身につけ、就労に向けた一歩を踏み出せるでしょう。
●生活や仕事の困りごとを相談できる
仕事や日常生活の困りごとはもちろん、ささいな悩みも気軽に相談できる点が魅力です。一部のセンターでは、電話でも相談を受け付けています。就労継続支援など他の福祉サービスを利用したい場合、手続きをサポートしてもらえるでしょう。特に精神保健福祉士などの専門スタッフがいるⅠ型のセンターでは、手厚いメンタルケアを受けられる可能性があります。
●地域とつながりをもてる
イベントの場で地域の人と交流したり、さまざまな生産活動をおこなったりしながら、地域とのつながりを深められます。地域の人と助け合える関係や自分の居場所をつくることは、生きがいにつながるでしょう。
●はたらく力を養える
センターごとにプログラム内容は異なりますが、パソコンの操作方法やコミュニケーション術などビジネススキルを培えます。Ⅱ型の事業所で実施している社会適応訓練を活用した人からは、「自信がもてるようになった」などの声が上がっています。
※出典:厚生労働省『精神障害者社会適応訓練事業について』
●生活リズムが整う
地域活動支援センターで日中に活動すると、体内時計が正しく動くようになります。はたらきたいと考えている人は、仕事に必要な基礎体力や生活習慣を身につけ、就労に向けた一歩を踏み出せるでしょう。
●生活や仕事の困りごとを相談できる
仕事や日常生活の困りごとはもちろん、ささいな悩みも気軽に相談できる点が魅力です。一部のセンターでは、電話でも相談を受け付けています。就労継続支援など他の福祉サービスを利用したい場合、手続きをサポートしてもらえるでしょう。特に精神保健福祉士などの専門スタッフがいるⅠ型のセンターでは、手厚いメンタルケアを受けられる可能性があります。
●地域とつながりをもてる
イベントの場で地域の人と交流したり、さまざまな生産活動をおこなったりしながら、地域とのつながりを深められます。地域の人と助け合える関係や自分の居場所をつくることは、生きがいにつながるでしょう。
●はたらく力を養える
センターごとにプログラム内容は異なりますが、パソコンの操作方法やコミュニケーション術などビジネススキルを培えます。Ⅱ型の事業所で実施している社会適応訓練を活用した人からは、「自信がもてるようになった」などの声が上がっています。
※出典:厚生労働省『精神障害者社会適応訓練事業について』
地域活動支援センターと就労継続支援の違い
地域活動支援センターと就労継続支援はどちらも障害のある人を対象とした日中活動系サービスのため、どのような違いがあるのか気になる人もいるでしょう。地域活動支援センターは主に「日常生活の安定や充実」を目的としているのに対し、就労継続支援は「はたらく場の提供と能力向上」を目指しています。
生産活動をおこなう点は共通していますが、地域活動支援センターの生産活動は就労にあたらず、給与は発生しません。また、就労継続支援にはA型とB型があり、サポート内容が異なります。違いを表にまとめました。
生産活動をおこなう点は共通していますが、地域活動支援センターの生産活動は就労にあたらず、給与は発生しません。また、就労継続支援にはA型とB型があり、サポート内容が異なります。違いを表にまとめました。
地域活動支援センター | 就労継続支援A型 | 就労継続支援B型 | |
---|---|---|---|
目的・特徴 | 日中の活動によって生活の充実を目指す | はたらきながら能力向上を目指す | はたらきながら能力向上を目指す |
利用対象者 | 地域在住の障害がある人 | はたらきたいが一般企業での就職が難しい障害のある人 | はたらきたいが一般企業での就職が難しい障害のある人 |
年齢制限 | 15歳以上もしくは18歳以上と定められている場合が多い | 18歳以上65歳未満(条件によっては65歳以上も利用できる) | 18歳以上(条件によっては15歳以上も利用できる) |
雇用契約 | なし | あり | なし |
賃金 | なし(ただし、生産活動に対し工賃が支給されることがある) | 給与が支給される(最低賃金が保障される) | 工賃が支給される(最低賃金の保障はない) |
利用料 | 無料のセンターが多い(ただし、必要経費が発生する場合がある) | 有料(原則として1割負担だが、負担額の上限あり) | 有料(原則として1割負担だが、負担額の上限あり) |
いずれも障害のある人を対象としていますが、就労継続支援ははたらきたい人を対象としているのに対し、地域活動支援センターは就労希望の有無を問いません。利用者のなかには、まず地域活動支援センターで基礎的なはたらく力を養ってから、就労継続支援に移行する人もいます。
地域活動支援センターに関するよくある質問
地域活動支援センターの利用について、よくある質問を取り上げます。
料金はかかりますか?
ほとんどのセンターは利用料がかかりません。有料のセンターでも、生活保護世帯や住民税非課税世帯の人は、免除または減額となる場合があります。また、利用料が無料のセンターでも、次のような費用が発生するケースがあるでしょう。
●創作活動で用いる材料の費用
●食事を提供するための食材費
●レクリエーションの参加費
●入浴サービスの利用料金(光熱費・水道料金)
●登録料
●保険料
利用料については役所の福祉窓口や地域活動支援センターで確認してください。
●創作活動で用いる材料の費用
●食事を提供するための食材費
●レクリエーションの参加費
●入浴サービスの利用料金(光熱費・水道料金)
●登録料
●保険料
利用料については役所の福祉窓口や地域活動支援センターで確認してください。
受給者証がなければ利用できませんか?
ほとんどのセンターは障害福祉サービス受給者証(受給者証)がなくても利用できます。ただし、センターや利用するサービスによっては、下記のいずれかを提出しなければならない場合があるため確認が必要です。
●医師の診断書・意見書
●障害者手帳
●障害福祉サービス受給者証
●地域生活支援事業の受給者証
●自立支援医療受給者証
受給者証の申請については、お住まいの市区町村役所の担当窓口で相談してください。申請から発行まで、2週間から2カ月程度かかります。
●医師の診断書・意見書
●障害者手帳
●障害福祉サービス受給者証
●地域生活支援事業の受給者証
●自立支援医療受給者証
受給者証の申請については、お住まいの市区町村役所の担当窓口で相談してください。申請から発行まで、2週間から2カ月程度かかります。
地域活動支援センターは気軽に集える憩いの場
地域活動支援センターは、「今はまだはたらく自信をもてないが、アクティブに過ごしたい」「地域の人と関わりをもちたい」という人の背中を押してくれるでしょう。努力目標や通所ノルマはなく、気軽に利用できる点も魅力です。センターごとに特色があるため、気になる人はお住まいの市区町村にある地域活動支援センターでどのような活動がおこなわれているのか、インターネットやパンフレットで確認してみてはいかがでしょうか。

執筆 : ミラトレノート編集部
パーソルダイバースが運営する就労移行支援事業ミラトレが運営しています。専門家の方にご協力いただきながら、就労移行支援について役立つ内容を発信しています。
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