基礎知識

公開日:2025/11/28
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就職ガイド –はたらく選択肢-

遅刻癖はADHD(注意欠如・多動性障害)のせい?仕事で困らないための対策を紹介

遅刻癖はADHD(注意欠如・多動性障害)のせい?仕事で困らないための対策を紹介

ADHD(注意欠如・多動性障害)がある人の中には、仕事や約束など、大事な予定にもかかわらず遅刻を繰り返してしまう「遅刻癖」に悩んでいる人もいるのではないでしょうか。気をつけているのに遅刻を繰り返してしまう場合、ADHDの特性が影響している可能性も考えられます。遅刻癖があると「約束を守れない人」と捉えられ、周囲からの信用を失う恐れもあるため軽視できません。この記事では、ADHDの特性を踏まえた上で、遅刻を繰り返してしまう原因を解説すると共に、遅刻しないための対策方法や相談先についてもご紹介します。

ADHDの人が遅刻を繰り返してしまう背景

ADHD(注意欠如・多動性障害)の障害特性がある人が遅刻を何度も繰り返してしまう場合、障害特性が深く関係している可能性があります。

ADHDは、不注意・多動性・衝動性を主な特性とする発達障害です。これらADHDの特性の内、多動性は大人になるにつれて症状が緩和する傾向がありますが、不注意や衝動性といった特性は、大人になっても現れやすいといわれています。そのため、子どものころはADHDと気づかなかったものの、大人になってから職場で遅刻やミスを繰り返してしまい、社会生活などに影響が出て初めてADHDに気づくケースもあります。
  • 時間管理に関係するADHDの主な特性

    ●不注意
    集中できず気が散りやすいため、忘れ物をしたり、物をどこに置いたのか忘れて探したりすることが多い。

    ●衝動性
    衝動的な行動や感情を抑えられない傾向にあるため、予定にない行動を取るなど計画的に動くのが苦手。

    ●タイムブラインドネス(時間感覚の歪み)
    時間の見積もりに誤りがあったり、時間経過が実際よりも遅かったりするため、スケジュール管理や時間管理が難しい。

    ●計画性の困難
    タスク管理や時間管理が苦手なため、先のことまで見通しをもって効率的に進めることが難しい。
これらの特性により、ADHDがある人にとって時間管理が課題のひとつになりやすく、気をつけていても時間通りに行動するのが難しい傾向にあります。また、ADHDは睡眠障害を併発しやすく、体内時計の乱れが遅刻癖につながるケースもあるでしょう。社会生活や日常生活に支障が出ている場合、自身の特性に合わせた対策を取ることが必要です。

※関連記事「ADHD(注意欠如・多動性障害)の人の仕事選びのポイントや長くはたらき続けるコツ

ADHDの人に発生しやすい遅刻のパターン

ADHDの人にありがちな遅刻の原因について、特性を踏まえた上で見てみましょう。

時間の見積もりや計画が甘い

遅刻しないためには、時間を逆算することが大切です。たとえば、8時までに出社するには7時15分に家を出発する必要があり、6時15分までに起床しなければ…と準備にかかる時間を見積もることで遅刻を防げます。しかし、ADHDの特性がある人は、
必要な時間が正しく見積もれなかったり、必要なプロセスを計画に入れ忘れたりしてしまい、遅刻してしまうことがあります。
  • 時間の見積もりや計画が甘い理由
    ●身支度の時間がかかりすぎてしまい、家を出る時間が遅くなった
    ●乗り換えの時間を考慮するのを忘れ、予定していた電車に乗り遅れて会社に遅刻した
    ●初めて行く場所にもかかわらず、事前にアクセスを確認していなかったため道に迷って待ち合わせに遅れた など

気が散ってしまう・集中しすぎてしまう

ADHDがある人は、「うまく集中できない」もしくは「集中しすぎてしまう」ことによって遅刻しがちです。今やるべきではない作業に手をつけてしまったり、何かに集中しすぎたりして、時間に遅れてしまうことがあります。
  • 気が散ってしまう・集中しすぎてしまう理由
    ●出かける直前に、着ていたYシャツのシワが気になり、アイロンを掛け始めてしまったため時間に遅れた
    ●出かける準備をしていたが、部屋の汚れが気になり掃除を始めてしまったため時間に遅れた
    ●家を出る時間まで余裕があったので、ゲームをしていたら集中しすぎてしまい遅刻した など
上記の例のように、「集中」を上手にコントロールできない点も、ADHDのある人が「計画通りに実行するのが難しい」と感じる理由のひとつです。

大事な約束や予定があるにもかかわらず集中しすぎて時間を忘れてしまう場合、「過集中」に陥っている可能性があります。過集中は、特にADHDがある人に多く見られる症状のひとつです。対策を取ることで改善できる場合があります。詳しく知りたい人は、こちらの記事をご覧ください。

※関連記事「過集中とは?特徴や発達障害(ASD・ADHD)との関連を解説

ADHDの人が遅刻しないための対策

ADHDの特性がある人が遅刻しないためには、どのような対策をすれば良いのでしょうか。今日からできる遅刻予防策や時間管理法など、おすすめの対策をいくつかご紹介します。自分に合った対策方法を取り入れて、遅刻癖の改善にお役立てください。

やること・準備することリストの作成

身支度や持ち物、目的地までの移動手段の確認など、出かける前にやるべきことをリスト化しましょう。それぞれにかかる時間も見積もります。一連の作業を実際にやってみて時間を測っておくと良いでしょう。可視化することで見通しを立てやすくなり、遅刻だけでなく忘れ物の防止にも効果的です。

朝の準備をルーティン化する

朝起きてから出発するまでの準備工程をルーティン化しましょう。朝起きたら顔を洗う、洗濯機を回す、朝食を食べる、歯磨きをする、着替える、洗濯物を干すなど、作業の順番を決めてその通りにおこなう習慣をつけます。習慣化することで、工程の途中に予定外の作業を入れない対策にもなります。

準備は前日までに終わらせておく

予定当日に着る服や持っていく物などは、前日の夜までに準備しておきます。財布やICカードの中身も忘れずに確認しましょう。当日の朝に準備すると、見つからなかったときに予定外の時間がかかるだけでなく、焦って忘れ物をする可能性が高まります。

必需品は置き場所を決めておく

スマートフォンや鍵、財布、ICカードなど、出かける際の必需品は置き場所を決めておきましょう。そうすることで、出掛けに「見つからない」というイレギュラーな事態を防げます。

タイマーや時間管理アプリなどツールを活用する

出発時間までのカウントダウンタイマーや、リマインダー、経過時間がひと目でわかる視覚タイマーなど、アプリやツールの活用もおすすめです。「繰り返し設定」をしておけば、毎日決まった時間に通知してくれるので、他のことに気を取られてしまった際にも安心です。

周囲に協力やサポートを求める

自分で対策を取っても遅刻してしまう場合、周囲に協力を求めるのもひとつの手段です。家族に定期的に電話やメッセージを入れてもらって準備を促してもらう、職場に相談してフレックスタイム制やリモートワークを許可してもらうなど、必要なサポートを受けられるか相談してみましょう。

遅刻癖が治らない場合の相談先

さまざまな対策を試みても遅刻癖が治らない場合や、遅刻によって日常生活や社会生活に支障が出ている場合、医療機関に相談するのも選択肢のひとつです。遅刻の原因によって相談先は異なります。
  • 相談先例
    ●発達障害による場合
    心療内科や精神科、発達障害支援センター、就労移行支援事業所 など

    ●睡眠障害による場合
    心療内科や精神科、睡眠外来 など

    ●職場の悩みやストレスによる場合
    職場の相談窓口や産業医、人事部、上司、心療内科、精神科 など
遅刻を繰り返してしまうのは、精神疾患や発達障害などが原因となっている可能性があります。根本的な原因に合わせた適切な対策が必要です。専門機関に相談することで、改善の糸口が見つかるかもしれません。

「遅刻癖があり、就労に不安を感じている」というADHDの傾向がある人には、就労移行支援事業所の利用がおすすめです。就労移行支援事業所では自身の障害特性への理解を深めた上で、生活習慣を整えられるため、職業準備性の向上が期待できます。

※関連記事「就労移行支援事業所って何?利用を検討する際のメリットと8つの判断チェックポイントを紹介

就労移行支援事業所「ミラトレ」は、「就労に必要な生活習慣を身につけたい」という方を支援します

遅刻を繰り返してしまい、日常生活や社会生活に影響が出ている場合、単なる意志の弱さや怠慢ではなく、ADHDの特性が関わっている場合があります。一人で悩まず早めに専門機関に相談することが大切です。

就労移行支援事業所「ミラトレ」では、ADHDなど障害のある方を対象に就労トレーニングや就職活動支援、就職後の定着支援をおこなっています。「習慣化力」「体調管理・目標設定」といった生活講座を通じて生活習慣を整え、就労という環境の変化にも対応できるようサポートします。就労移行支援についての疑問や、「ミラトレ」についてのご質問、発達障害やうつ病に関するご相談など、お気軽にお問い合わせください。

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執筆 : ミラトレノート編集部

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