基礎知識

公開日:2026/7/31
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就職ガイド –はたらく選択肢-

ひきこもり状態から社会復帰するには?向いている仕事や活用できる支援機関を解説

ひきこもり状態から社会復帰するには?向いている仕事や活用できる支援機関を解説

ひきこもりやニート状態から社会復帰を目指したいと思っていても、「自分にできる仕事はあるのだろうか」「ブランクが長くてもはたらけるだろうか」と不安を感じ、一歩を踏み出せずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ひきこもりやニート状態の方に向いている仕事や社会復帰までの流れ、活用できる就労支援機関について解説します。

ひきこもり状態から社会復帰を目指す場合は、焦って就職活動するのではなく、生活リズムを整えながら外出や人との関わりに少しずつ慣れていくことが大切です。また、自分に合った仕事に就くために就労支援機関を活用することで、無理のないペースで就職や職場定着を目指しやすくなります。

【この記事で分かること】
●ひきこもりやニート状態から社会復帰を目指すための流れ
●ひきこもりやニート状態の方に向いている仕事の特徴と職種
●活用できる就労支援機関の種類や特徴

ひきこもりやニート状態から仕事を探す際によくある不安

ひきこもりやニート状態から仕事を探す際は、外出や人間関係、体力面などへの不安を抱える方も少なくありません。しかし、こうした不安は珍しいものではなく、自分のペースで少しずつ社会との接点を増やしていくことで、社会復帰を目指すことができます。

外に出ることへの不安

家で過ごす時間が長くなると、外の光や人の多さ、車の音などの刺激を強く感じやすくなり、外出すること自体が大きな負担に感じられる方も少なくありません。

人間関係への恐怖心

「上司や同僚とうまく話せるだろうか」「職場になじめるだろうか」と悩む方も多く、特に過去の人間関係でつらい経験がある場合は、その不安がより強くなることもあります。

体力や集中力への不安

生活リズムの乱れや運動不足で、毎日決まった時間に通勤できるか、長時間はたらき続けられるか不安を感じる方もいます。最初からフルタイムを目指す必要はなく、短時間勤務や訓練を活用してスモールステップで慣れていくことが社会復帰への近道です。

ひきこもりとニートの違い

「ひきこもり」と「ニート」は混同されやすい言葉ですが、それぞれ定義が異なります。
  • 定義
    ●ひきこもりの定義:仕事や学校に行かず、かつ家族以外との交流をほとんどせずに、原則的には6カ月以上自宅にとどまっている状態
    ●ニートの定義(若年無業者):15〜34歳の非労働力人口のうち、通学も家事もしていない人
ひきこもりは生活状況や社会との関わり方に着目した状態を指し、ニートは年齢や就業・就学状況によって定義される点が異なります。ただし、どちらも社会や仕事との関わりに不安やハードルを感じている方が少なくありません。

※参考:厚生労働省「ひきこもり」の定義など
※参考:厚生労働省 フリーター・ニートの推移

ひきこもり・ニート状態から社会復帰するまでの流れ

ひきこもり・ニート状態から社会復帰を目指す際は、不安を減らせるように以下のような準備を進めていきましょう。
焦って就職を目指すのではなく、心身の状態に合わせて段階的に準備することをおすすめします。
  • 準備
    1.生活リズムを整える
    2.外出する機会を増やす
    3.支援機関へ相談する
    4.就労訓練を行う
    5.就職活動を始める

生活リズムを整える

社会復帰への第一歩は、規則正しい生活を送ることです。昼夜逆転の生活をしている場合は「朝決まった時間に起きて朝日を浴びる」「食事や就寝時間をできるだけ一定にする」など、少しずつ生活リズムを整えていきましょう。
生活リズムが安定すると体調管理がしやすくなり、就職活動や就職後の生活を継続する土台づくりにもつながります。

外出する機会を増やす

生活リズムが整ってきたら、少しずつ外出する機会を増やしましょう。いきなり長時間外出する必要はありません。近所を散歩したり、コンビニやスーパーへ買い物に行ったりするなど、短時間の外出から始めることが大切です。
外出に慣れることで体力がつくだけでなく、人や社会との接点を少しずつ取り戻すきっかけにもなります。

支援機関へ相談する

一人で抱え込むと不安が募り、なかなか前に進めないこともあります。就労支援機関に相談すれば、状況に応じたアドバイスを受けられるほか、自分に合った支援制度や就職先の情報も得られます。
また、相談員との面談やプログラムへの参加を通じて、人と関わる機会を少しずつ増やせることも支援機関を利用するメリットです。不安や困りごとがあれば、気軽に相談してみましょう。

就労訓練を行う

社会復帰への準備が整ってきたら、就労移行支援などで就労訓練を受けるのも有効です。就労訓練では、仕事に必要なビジネススキルを身につけられ、実践的トレーニングによってコミュニケーションスキルを高めることができます。継続して通所することで生活習慣や体力が整い、「毎日通えた」「仕事をやり遂げられた」といった成功体験が自信につながります。

就職活動を始める

就労訓練などを通じて職業準備性が身に付いたら、就職活動を始めましょう。仕事を選ぶ際は、仕事内容だけでなく、勤務時間や通勤方法、職場の雰囲気なども確認し、自分のペースではたらける環境を選ぶことが大切です。
焦って「とにかく就職先を見つけること」を優先するのではなく、「長く安心してはたらき続けられること」を目標に、自分に合った仕事を探していきましょう。

ひきこもりやニート状態の方に向いている仕事の特徴と具体的な職種

ひきこもりやニート状態から社会復帰を目指す場合は、不特定多数とのコミュニケーションが少なく、業務手順が明確で、自分のペースではたらける仕事を選ぶことが大切です。ここでは向いている仕事の特徴を、具体的な職種例とあわせて紹介します。
特徴 仕事例
対人関係のストレスが少ない 清掃、警備員、倉庫作業、データ入力
マニュアル化されている 軽作業、商品補充
在宅ではたらける Webライター、動画編集、プログラマー
短時間勤務しやすい 清掃、軽作業、データ入力

対人関係のストレスが少ないこと

単独での作業が中心となる仕事や、固定のメンバーとのやり取りで業務が進む仕事は、対人関係による負担を抑えやすい傾向があります。接客や突発的な対人対応が発生しない仕事であれば、初対面の人と話すことが苦手な方でも取り組みやすいでしょう。工場の軽作業、警備員、清掃スタッフなどが代表的です。

ルーティンワークやマニュアルが明確なこと

業務手順が決まっている仕事は、毎回新しい判断を求められる場面が少なく、安心して作業を進められます。マニュアルが整備されている職場であれば仕事を覚えやすく、自信にもつながります。データ入力、コンビニやスーパーの商品補充、飲食店の洗い場などが始めやすい仕事です。

在宅勤務(リモートワーク)や短時間勤務を選択できること

通勤や長時間勤務に不安がある場合は、在宅勤務や短時間勤務を選べる仕事も選択肢の一つです。体調や生活リズムに合わせて無理なくはたらくことで、負担を抑えながら経験を積めます。在宅勤務がしやすい仕事には、Webライター、Webデザイナー、動画編集、ITエンジニアなどがあります。

ただし、向いている仕事は人それぞれ異なります。仕事内容だけでなく、勤務時間や職場環境、サポート体制も確認し、自分が無理なく続けられる仕事を選ぶことが大切です。

ひきこもりやニート状態にある方が活用できる就労支援機関

就労支援機関の種類 対象 詳細
ひきこもり地域支援センター ひきこもり状態にある人・その家族 ひきこもりに特化した相談窓口
地域若者サポートステーション(サポステ) 15~49歳の仕事や学校に行っていない人 就職相談や職場体験、就職活動のサポートなどを行っている
ハローワーク 年齢制限なし 求人の紹介や職業訓練の案内、就職に関する相談などを行っている
就労継続支援 A型:18~65歳未満
B型:18歳以上
※原則として障害福祉サービス受給者証を所持している方
軽作業などを通して、はたらく習慣や体力を養う障害福祉サービス
就労移行支援事業所 障害がある原則65歳未満で、一般就労を望んでいる人
※原則として障害福祉サービス受給者証を所持している方
一般就労に向けた訓練や就職活動を支援する障害福祉サービス

ひきこもりやニート状態にある方が社会復帰を目指す場合、いくつか利用できる支援機関があります。まずは相談したい方は「ひきこもり地域支援センター」や「地域若者サポートステーション(サポステ)」、求人紹介や職業訓練を受けたい方は「ハローワーク」が選択肢となります。
また、障害のある方は、就労継続支援や就労移行支援といった障害福祉サービスを利用しながら、体力づくりや就労訓練、就職活動のサポートを受けられます。自分の状況や目標に合った支援機関を活用し、無理のないペースで社会復帰を目指しましょう。

ひきこもり地域支援センター

ひきこもり地域支援センターは、本人やその家族が無料で相談できる行政窓口で、各都道府県・指定都市を中心に設置されています。「本人が相談に行きたがらない」といった場合でも家族だけで相談でき、状況に応じて医療・保健・福祉・就労など必要な支援機関につないでもらえます。就職を急ぐ前に、まず現状を整理したい方や、家族が相談先を探している段階でも利用しやすいのが特徴です。

地域若者サポートステーション(サポステ)

地域若者サポートステーション(サポステ)は、はたらくことに不安を抱える15~49歳を対象とした就労支援機関です。就職相談だけでなく、コミュニケーション講座や職場体験など、一人ひとりの状況に合わせた段階的なプログラムがそろっています。「いきなりはたらくのは不安」「まずは人と話すことに慣れたい」という段階の方でも、社会とのつながりを少しずつ取り戻せるよう支援してもらえるのが特徴です。

ハローワーク

ハローワークは年齢制限がなく、誰でも利用できる公共の就職支援機関です。担当者に相談しながら求人を探せるほか、応募書類の作成や面接対策のアドバイスも受けられ、ブランクがある方やひきこもり・ニート状態の方でも就労について相談できます。職業訓練(ハロートレーニング)で必要なスキルを身につけてから就職を目指すこともでき、障害者専用の窓口もあるため障害のある方も利用しやすくなっています。

就労継続支援

就労継続支援は、障害や心身の不調により一般企業ではたらくことに不安がある方を対象とした障害福祉サービスです。週1回・数時間程度から利用できる事業所もあり、体調や生活リズムに合わせて無理のないペースで通えるのが特徴です。

就労継続支援にはA型とB型があり、A型は事業所と雇用契約を結ぶため最低賃金以上の給与が支払われます。一方、B型は雇用契約を結ばず、体調に合わせてより柔軟にはたらける点が異なります。

※関連記事「就労継続支援A型とは?利用方法や他サービスとの違いについて
※関連記事「就労継続支援B型とは?A型・就労移行支援との違いや事業所の選び方を解説

就労移行支援事業所

就労移行支援事業所は、障害のある方が一般就労を目指す際に利用できる障害福祉サービスです。障害者手帳がなくても利用できる場合がありますが、利用には、自治体での手続きを経て「障害福祉サービス受給者証」を取得する必要があります。
ビジネスマナーやパソコンスキルなどの訓練に加え、履歴書の作成や面接練習といった就職活動のサポートも受けられます。さらに、就職後も職場に定着できるよう事業所と企業が連携して支援する場合があり、「長くはたらき続けること」まで見据えられる点が大きな特徴です。

※関連記事「就労移行支援事業所とは?通所のメリット・デメリットと利用検討チェックリスト

ひきこもりやニート状態にある方の就労支援や仕事に関するよくある質問

Q.長年のひきこもりやニート期間があり職歴がなくても、就職できますか?

A.ひきこもりやニートの期間、職歴だけで採用が決まるわけではありません。生活リズムを整え、就労に向けた準備を進めながら、自分に合った仕事を探すことで就職できる可能性はあります。不安がある場合は、就労移行支援事業所などで就職活動のサポートを受けることもおすすめです。

Q.40代のひきこもりでも就労移行支援を利用できますか?

A.一般就労を目指す障害のある方であれば、40代でも利用できます。就労移行支援では、生活リズムを整えながら、就労に必要な知識やスキルを身につける訓練や就職活動のサポートを受けられます。利用条件があるため、まずは自治体や事業所へ相談しましょう。

ひきこもりやニート状態から就労を目指す方は就労移行支援「ミラトレ」に相談しよう

ひきこもりやニート状態から社会復帰を目指す際は、焦らず生活リズムを整え、自分に合った仕事やはたらき方を見つけることが大切です。一人で悩まず、就労移行支援などの支援機関を活用しながら、就労訓練や就職活動を段階的に進めることで、安心して社会復帰を目指しやすくなります。

就労移行支援事業所の「ミラトレ」では、コミュニケーション講座や実践的トレーニングなど、職場で役立つプログラムをご用意しています。擬似就労の時間を設けているため、実際の仕事を想定しながらタスク管理や時間管理の方法を身につけることもできます。「ミラトレ」では、仕事を安定して続けるための習慣づくりをサポートしています。まずは、お気軽に「ミラトレ」の支援員にご相談ください。

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監修者:戸田 幸裕(とだ ゆきひろ)

パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー
上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】
■国家資格キャリアコンサルタント
■障害者職業生活相談員