就職事例

公開日:2021/11/26更新日:2023/3/29
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コミュニケーション課題を上手に活かし、好きな分野ではたらく

コールセンター/BPOビジネス業界
適応障害の30代男性Oさんの就職事例

適応障害の30代男性Oさんの就職事例

30代/男性/適応障害

今回紹介するのは、適応障害の30代男性の就職事例です。話し好きで一方的にしゃべり過ぎてしまう傾向のあったOさんが、ミラトレを利用して就職するまでのストーリーと現在の様子をご紹介します。

ストレスに気づかぬ振りをした結果、適応障害との診断

建設業や営業、コールセンター、スーパーマーケットでの接客など、さまざまな仕事を経験してきたOさんには、もともと音に対して過敏な面があったそうです。建設業に従事していた際、建設現場での音をストレスに感じていました。しかし、現場を離れるわけにはいかず、ストレスを抱えながらも現場ではたらく日々が続いたそうです。その内に、頭痛や腹痛といった症状があらわれ、電車にのることが困難になったことから病院を受診。適応障害と診断されました。

再就職を目指すために必要と感じ「ミラトレ」へ

建設業の会社を退職後に症状が改善し、電車にのれるようになったことから、再就職を希望しました。インターネット検索をする中で「就労移行支援事業所」の存在を知り、ミラトレに見学に来られます。見学時は明るく元気な印象でしたが、ヒアリングすると生活リズムが整っておらず、睡眠不足であることがわかりました。スタッフが親身に相談にのってくれたことでミラトレに対し好印象を持ち、利用を決めてくださいました。

PCスキルやコミュニケーションの課題に取り組む

ミラトレを利用される際、PCスキル向上に意欲的な様子だったOさん。基礎的なところからのスタートでしたが、トレーニング中の様子を見ながら支援員がおすすめのプログラムをアドバイスし、積極的に受講してもらいました。

利用当初は障害受容という点においても、しっかりとできているとは言い難い様子でしたので、支援員との面談などを通して本人に伝えるようにしました。おしゃべりが好きで、話し出すと舞い上がってしまうような様子も見られましたが、自身でコントロールしようとする場面も見られるようになります。もともと優しい性格で、周囲にも気を遣うタイプの方でしたので、他の利用者とのコミュニケーションも特に問題ありませんでしたが、ついついしゃべり過ぎてしまう点は、ご自身でも自覚があり改善しようとしていたようです。

通所開始当初の様子やその後の変化

ミラトレ通所開始から安定して通所できましたが、睡眠時間は3~4時間と短い方でした。しかし、コロナの影響から在宅支援に切り替わったこともあり、短い睡眠時間でもそこまで大きな問題にはならず、トレーニングに支障をきたすこともほぼありませんでした。気圧の変化が原因で、頭痛や腹痛などを訴えることもありましたが、回数としてはさほど多くなく、全体を通して安定して通所できた方だと感じています。

また、メンタルケア講座などを通して、リラックスすることや自分の考え方を学んでもらい、障害受容へとつなげることもできました。以前はストレスを抱えながらも、無理をしてしまう傾向があったため、自分の内面からの声に耳を傾けられるよう、トレーニングしてもらいました。

生き生きと話せた面接での課題も、徐々に修正できた

本人から早く就職したいとの希望もあり、就職についての相談は比較的早い段階からありました。もともと症状も落ち着いていたことや、本人に合いそうな求人があったことから就職活動を始めます。同時に睡眠時間の改善も図りました。就職するにあたって睡眠時間は大事であると支援員がアドバイスした結果、7時間睡眠ができるようになったのです。

就職活動では、書面でも自分のことをアピールしすぎる傾向があったため、応募書類の作成に少しつまずきます。面接ではあまり緊張する様子もなく、生き生きとはっきり話す様子が印象的でした。質問されたことと答える内容がずれる場面がありましたが、面接練習をしたり、支援員が疑問に思ったらすぐに声がけしたりすることで、徐々に修正できるようになります。

本人は、ノルマが少なくストレスのかかりにくい仕事を志望しました。そこで、コールセンター勤務の経験が活かせる仕事や、障害者雇用の方が多くはたらく会社などに絞って就職活動をすすめます。コールセンター業務は好きな分野である上に、課題でもあった「おしゃべり好き」な面を上手に活かせると考えたのです。そしてミラトレ利用開始から8カ月後、BPO事業のコールセンターから内定を得ることができました。

好きな分野で過去の経験を活かしたい

現在、BPO事業をおこなっている企業のコールセンターで、パートタイマーとしてはたらいているOさん。電話対応や書類確認などの業務を担当されています。以前にもコールセンターに勤務した経験があり、自分の好きな分野で仕事をしたい、経験を活かしたいという気持ちから、この企業への就職を決めました。

就労実習の際に、企業側からよい評価を得られたことも就職につながったと感じています。しかし、コミュニケーション面においては、一方的に自分のことを話す傾向があるため、少し指摘を受けました。支援員が間に入り本人の特性を伝え、困る場合には止めてもらうようお願いしました。

就職後の定着支援の中で、本人からはパートタイムからフルタイムではたらけるようになりたいとの希望を聞きます。今はまだ欠勤することもあるのですぐには難しいかもしれないが、睡眠や食事に気をつけて、フルタイムを目指していこうとアドバイスしています。

体調や勤怠をさらに安定させて正社員を目指したい

職場の方たちに恵まれている点や自分の得意な作業が多くある点、ノルマがなくストレスの少ない職場である点などが、本人と企業がフィットしたポイントだと感じています。業務内容も職場の雰囲気も、本人に合っている企業への就職が叶いました。同じ企業ではミラトレ卒業生もはたらいていて、お互いを気にかけながらコミュニケーションを取り合えていることも、支えとなっているようです。

現在のOさんは、頑張った自分へのご褒美として特別な物を買い、仕事をさらにがんばるよう自分を鼓舞する様子なども見られます。フルタイムの正社員を目指したいとの希望も持ち、体調・勤怠を安定させられるように努めています。就職後はミラトレ利用当時よりもさらに生き生きとしており、ミラトレを利用し「支援員がきちんと話を聞いて寄り添ってくれたことがよかった」との感想も話してくれました。

※プライバシー保護のため、事実を元に文章を一部再構成しています。

執筆 : ミラトレノート編集部

パーソルダイバースが運営する就労移行支援事業ミラトレが運営しています。専門家の方にご協力いただきながら、就労移行支援について役立つ内容を発信しています。