基礎知識

公開日:2026/8/31
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就労移行支援の制度解説

就労支援とは?5つのサービスの違い・対象者・自分に合った選び方を解説

就労支援とは?5つのサービスの違い・対象者・自分に合った選び方を解説

就労支援は、障害や病気などによりはたらくことに困難を抱える方が、就職し、はたらき続けられるよう支える障害福祉サービスです。就労移行支援や就労継続支援など複数の種類があり、それぞれ対象者や目的が異なります。自分に合うサービスを選ぶためには、まず全体像を把握することが重要です。

本記事では、就労支援の定義から5つのサービスの違い、対象者、自分に合った就労支援の選び方について解説します。

就労支援には、一般企業への就職を目指す「就労移行支援」、雇用契約を結んではたらく「就労継続支援A型」、自分のペースではたらく「就労継続支援B型」などがあります。サービスごとに対象者や目的が異なるため、自分の体調や就職希望時期に合わせて選ぶことが大切です。

【この記事で分かること】
●就労支援の定義・対象者・利用料金
●就労支援と就職支援の違い
●就労支援5つのサービスの特徴と選び方
●就労支援サービスを利用するまでの流れ

就労支援とは?

就労支援とは、障害や病気などではたらくことに困難がある方が、自分に合った仕事に就き、安定してはたらき続けられるよう支援する制度の総称です。単一のサービス名ではなく、複数の障害福祉サービスをまとめた呼び方です。

就労支援の定義・目的

就労支援は、はたらくための準備・訓練から就職後の職場定着まで、継続的に支える仕組みです。障害者総合支援法に基づいて定められた国の制度で、本人の希望や適性に合わせたはたらき方を実現させることを目的としています。

対象となる人(障害者手帳がなくても使える場合)

対象は身体障害・知的障害・精神障害・発達障害・難病がある方で、原則18歳以上ですが、サービスにより年齢要件は異なります。医師の診断書や自立支援医療受給者証などがあれば、障害者手帳がなくても障害福祉サービス受給者証の交付を受けられ、利用できる場合があります。

就労支援の利用料金

多くの方が自己負担0円で利用していますが、利用料は原則として9割を行政が負担、残り1割が利用者負担となります。利用者負担には世帯収入に応じた上限額が設定されており、実際の負担額は世帯状況により異なるため、詳細はお住まいの自治体へ確認しましょう。

就労支援と就職支援の違い

就労支援 就職支援
支援の範囲 準備・訓練から職場定着まで支援する 求人紹介・応募書類作成・面接対策が中心
主な担い手 障害福祉サービス事業所 ハローワーク、転職エージェント等
期間 数カ月~数年(サービスにより異なる) 比較的短期
雇用契約・訓練の有無 訓練中心・就労継続支援A型は雇用契約あり 訓練なし・就職後は雇用契約に基づき勤務

ハローワークや転職エージェントでは対応が難しいケース

状況によっては、ハローワークや転職エージェントだけでは対応が難しいケースがあります。就職先を探す支援のみで十分な方もいれば、次のような場合はより継続的な就労支援が向いています。
  • 難しいケース
    ●体調や生活リズムを整える段階から支えてほしい
    ●自己理解や適職の整理から始めたい
    ●就職後に長く続けられるか不安があり、定着まで伴走してほしい
ハローワーク・転職エージェントと就労支援は、それぞれ役割が異なるため、自分の状況に合った支援を選択することが大切です。

就労支援の種類・5つのサービス

就労支援は主に次の5種類に分類され、目的や雇用契約、報酬の有無などがサービスごとに異なります。
  • 5種類
    ●就労移行支援
    ●就労継続支援A型
    ●就労継続支援B型
    ●就労定着支援
    ●就労選択支援
サービス名 目的 雇用契約 報酬
就労移行支援 一般企業への就職 なし なし
就労継続支援A型 雇用契約に基づく就労 あり 賃金
就労継続支援B型 自分のペースでの就労 なし 工賃
就労定着支援 職場定着の支援 ー ー
就労選択支援 自分に合った支援機関やサービス選びを支援 ー ー

就労移行支援

就労移行支援は、一般企業への就職を目指す方向けのサービスです。対象は原則18歳以上65歳未満で、訓練、就職活動、就職後一定期間の定着支援を含む一連のサービスを受けられます。標準利用期間は原則2年で、給料は発生しません。

※関連記事「就労移行支援とは」
※関連記事「就労移行支援事業所って何?利用を検討する際のメリットと8つの判断チェックポイントを紹介」

就労継続支援A型

就労継続支援A型は、一般就労が難しい方が雇用契約を結んではたらくサービスです。賃金が発生し、利用期間の定めはありません。

※関連記事「就労継続支援A型とは?利用方法や他サービスとの違いについて」

就労継続支援B型

就労継続支援B型は、雇用契約を結ばず、体調や特性に合わせて自分のペースではたらけるサービスです。成果に応じた工賃が支払われ、利用期間に原則の上限はありません。

※関連記事「就労継続支援B型とは?A型・就労移行支援との違いや事業所の選び方を解説」

就労定着支援

就労定着支援は、就職後、長くはたらき続けられるように支えるサービスです。就労先の労働環境や業務内容に順応できるよう、企業・医療機関・支援者と連携しながら、生活面も含めて相談できます。利用期間は最長3年で、就労移行支援事業所が就労定着支援事業所を兼ねているケースも多くみられます。

就労選択支援

就労選択支援は、2025年10月から始まった、本人に適した支援機関選びや仕事探しを支援する新しいサービスです。2025年10月からは就労継続支援B型を新たに利用したい方が原則対象となり、2027年4月からは就労継続支援A型を新たに利用したい方、標準利用期間を超えて就労移行支援を利用する方も原則対象となる予定です。

※関連記事「就労選択支援とは?施行までの背景や内容、対象者や利用の仕方を解説」

自分に合った就労支援の選び方

自分に合った就労支援を選ぶには、現在の体調や生活状況、はたらき方の希望、必要なサポートを整理することが大切です。「今の自分に何が必要か」を考えながら、支援を検討しましょう。

まずは自分に合う就労支援をチェックしてみましょう

以下の選び方はあくまでも目安であり、最終的な利用可否は自治体の判断によります。
  • チェック
    ●一般企業への就職を目指したい → 就労移行支援
    ●雇用契約のある環境ではたらきたい → 就労継続支援A型
    ●体調に合わせて無理なくはたらきたい → 就労継続支援B型
    ●就職後もサポートを受けたい → 就労定着支援
    ●自分に合う制度が分からない → 就労選択支援・相談窓口

自分に合う就労支援のセルフチェックリスト

次の項目で、当てはまるものにチェックを入れてみましょう。チェックが多い支援ほど、現在の希望や状況に近い選択肢です。ただ、複数の支援に当てはまる場合もあるため、最終的には自治体や支援機関に相談しましょう。

就労移行支援が向いている人

一般企業への就職を目指している □
就職活動をサポートしてほしい □
ビジネスマナーやPCスキルを身につけたい     □
はたらいた経験が少なく不安がある □
就職後の定着支援も受けたい □

就労移行支援A型が向いている人

まずははたらく経験を積みたい ☐
雇用契約のある職場ではたらきたい ☐
体調の配慮を受けながら賃金を得たい ☐
一般就労にはまだ不安がある ☐

就労移行支援B型が向いている人

体調に波がある ☐
毎日通所できるか不安 ☐
自分のペースではたらきたい ☐
まずは生活リズムを整えたい ☐

就労選択支援・相談窓口が向いている人

自分にどの制度が合うのか分からない ☐
就職と福祉サービスのどちらを選ぶべきか迷っている ☐
客観的なアドバイスが欲しい ☐

※就労定着支援は就職後の支援のため省略

就労支援サービスを利用するまでの流れ

相談から利用開始までは、「相談・情報収集」→「見学・体験」→「受給者証申請」→「利用契約」→「利用開始」の流れで進みます。見学から契約までは、約1カ月~2カ月が目安です。
主な相談先としては、以下が挙げられます。
  • 相談先
    ●市区町村の障害福祉窓口
    ●障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)
    ●地域障害者職業センター
    ●ハローワーク専門援助窓口
    ●就労移行支援事業所

就労支援に関するよくある質問

Q. 障害者手帳がなくても利用できますか?

A. 医師の診断書や自立支援医療の受給により利用できる場合がありますが、最終的には自治体の支給決定によります。就労移行支援の場合、障害福祉サービス受給者証があれば利用可能です。

Q. 在職中・休職中でも利用できますか?

A. 原則として未就労の方が対象ですが、一定の要件を満たせば休職中でも利用できる場合があります。まずは相談窓口へ問い合わせるのがおすすめです。

Q. 本人ではなく家族だけでまず相談できますか?

A. 本人が動きにくい場合、家族だけの相談を受け付ける窓口や事業所があります。就労移行支援では、本人がいなくても家族だけで相談や見学ができる場合が多いです。

自分に合う就労支援を知りたい方は、就労移行支援ミラトレにご相談を

本記事では、就労支援の定義から就職支援との違い、5つのサービスの特徴、選び方、利用までの流れを解説しました。自分に合う就労支援が分からない場合は、専門の支援員に相談することが近道です。
就労移行支援「ミラトレ」では、就職に向けたスキル習得だけでなく、一人ひとりの特性や体調に合わせた支援を行っています。実際の職場を想定した擬似就労や就職活動のサポート、就職後の定着支援まで一貫して受けられることが特徴です。
「自分にどの就労支援が合うのか分からない」「就職に向けて何から始めればよいか迷っている」という方は、まずはお気軽にミラトレへご相談ください。

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監修者:戸田 幸裕(とだ ゆきひろ)

パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー
上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】
■国家資格キャリアコンサルタント
■障害者職業生活相談員