基礎知識

公開日:2026/10/29
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就職ガイド –はたらく選択肢-

適応障害のある方の転職は不利?失敗しない進め方や職場選びを解説

適応障害のある方の転職は不利?失敗しない進め方や職場選びを解説

適応障害によってはたらくことがつらくなり、「転職すべきか」「今の職場で続けるべきか」と迷っている方は多いのではないでしょうか。本記事では、適応障害のある方が転職を成功させるための進め方や、面接での伝え方を解説します。

適応障害を発症したからといって、転職が必ず不利になるわけではありません。大切なのは、症状が落ち着き生活リズムが整ってから、主治医と相談して動き出すことです。前職で何がストレスだったのかを振り返り、必要な配慮や希望するはたらき方を整理したうえで、給与だけでなく職場環境を重視して転職先を選びましょう。一人で進めるのが不安な場合は、就労移行支援などの支援機関に相談しながら進めるのも一つの方法です。

【この記事で分かること】
●適応障害のある方の転職は不利になるのか
●適応障害の症状がつらい場合に選べる4つの選択肢
●転職を成功させるための5つの進め方と、面接での伝え方
●適応障害のある方が活用できる支援サービス

※適応障害は、ICD-11(WHOの国際疾病分類 第11版)の日本語訳などで「適応反応症」という名称が用いられています。診断や治療については、必ず医療機関に相談しましょう。

適応障害のある方は転職・休職・現職継続・就労移行支援のどれを選ぶべき?

適応障害でつらいときの就労に関する選択肢は主に、現職での環境調整、休職、転職、就労移行支援の利用の4つがあります。どの選択が向いているかは、症状の回復度合いやストレスの原因によって変わります。
選択肢 内容 向いている人 注意点
現職で環境調整 部署異動や業務量の調整、勤務時間の短縮などを相談する 職場との調整が可能で、ストレス要因が特定できている人 会社の制度や理解によって実現しにくい場合がある
休職して回復を優先 診断書を提出して休み、ストレスの原因から離れて心身を休める 心身の回復を最優先したい人 焦って動き出すと再発しやすいため、十分な休養期間が必要
転職 症状が回復し、心身が安定してから転職活動を行う ストレスの原因が職場環境そのものにあった人 回復前に始めると再発のリスクが高まる
就労移行支援 生活リズムの改善やスキル訓練を受けながら転職活動を進め、就職後は定着支援も受けられる 一人での転職活動に不安があり、支援を受けながら進めたい人や、再発を防ぎ安定してはたらきたい人 利用には障害福祉サービス受給者証の取得が必要

現在の職場で環境調整を行う

部署異動や業務量の調整、勤務時間の短縮を相談することで、ストレス要因を取り除ける可能性があります。まずは上司や人事に、業務内容やはたらき方の調整ができないか相談してみましょう。

休職して心身の回復を優先する

診断書を提出して会社を休み、ストレスの原因から物理的に離れることも選択肢の一つです。回復後は、リワークの利用を検討することもできます。リワークとは、休職中の人の職場復帰を支援するためのリハビリテーションプログラムのことです。

※関連記事「リワークとは。実施機関や利用料金など活用ポイントをわかりやすく解説」

転職する

症状が回復し、心身が安定してから転職活動を行うことが基本です。回復が不十分なまま動き出すと、転職活動そのものが新たなストレスになり、再発につながることがあります。

就労移行支援を利用する

医師の診断書や意見書などをもとに申請し、障害福祉サービス受給者証が交付されれば、就労移行支援を利用できる可能性があります。生活リズムの改善やストレス対処法の習得、スキル訓練、就職後の定着支援などを、支援員と一緒に進められます。

※関連記事「適応障害で仕事を続けるメリット・デメリットについて」
※関連記事「適応障害で休職・退職する前に検討すべきポイントと退職の流れ」

適応障害のある方の転職は不利になる?

適応障害を発症したこと自体が、転職で必ず不利になるわけではありません。ただし、回復が不十分なまま転職活動を進めたり、伝え方を誤ったりすると、結果的に不利になってしまう可能性はあります。
転職が不利になるとはいえない理由は、以下の3点です。
  • 不利になるとはいえない理由
    ●ストレスの原因から離れて回復すれば、就業に支障が出にくいこと
    ●症状を開示するかどうかは、自分で選べること
    ●就労移行支援など、支援を受けながら転職を進める選択肢があること

適応障害発症後に転職活動を始めるタイミング

転職活動を始める目安は、症状が落ち着き、生活リズムが整ってきた段階です。回復しきらないうちに始めると再発のリスクが高まるため、次のセルフチェックを参考にしてみましょう。
項目 チェック
睡眠や食欲が安定している ☐
日中、決まった時間に活動できる ☐
大きな気分の落ち込みが少ない ☐
転職活動を始めることについて、主治医の同意を得ている ☐

上記はあくまで目安です。実際に転職活動を始める時期は、自己判断せず、主治医に相談しながら判断しましょう。

適応障害からの転職で失敗しやすい5つのパターン

適応障害からの転職では、失敗しやすいパターンとして以下の5つが挙げられます。

  • 失敗やすいパターン
    1.回復前に転職活動を始めてしまう
    2.給与・条件だけで転職先を決めてしまう
    3.要因や必要な配慮を整理しないまま応募してしまう
    4.通勤負荷を見落としてしまう
    5.一人で抱え込んで転職活動を進めてしまう
上記の対応によって、転職活動自体がストレスにつながったり、転職ができても職場環境が合わず、再びストレスを抱えてしまうなどの可能性があります。失敗を防ぐには、次に紹介する進め方を意識することが重要です。

適応障害からの転職を成功させる進め方【5ステップ】

適応障害からの転職を成功させるには、次の5つのステップが重要です。
  • 転職を成功させる5つのステップ
    ①十分に回復してから動き出す
    ②再発を防ぐために要因を言語化する
    ③希望する勤務条件や必要な配慮を整理する
    ④環境重視で転職先を検討する
    ⑤第三者・支援機関に相談しながら進める

十分に回復してから動き出す

心身の休養・回復を最優先しましょう。前述のとおり、転職活動を始めるタイミングは自己判断ではなく、主治医の意見や回復段階を目安にすることが大切です。

再発を防ぐために要因を言語化する

心身が回復してきたら、前職でどのような負担があったのかを振り返り、整理しましょう。何がストレスだったのかを言語化しておくことで、同じ状況・環境を避けた職場選びができるようになります。

希望する勤務条件や必要な配慮を整理する

希望するはたらき方や、必要な配慮事項を事前に言語化しておきましょう。整理しておくことで、面接で伝えやすくなるほか、職場選びの判断基準にもなります。

環境重視で転職先を検討する

給与だけでなく、通勤にかかる時間やはたらき方、職場の理解が得られるかどうか、在宅勤務や時短勤務が可能かどうかなど、環境面を重視して転職先を検討しましょう。

第三者・支援機関に相談しながら進める

一人で抱え込まず、主治医や家族、ハローワーク、就労移行支援などの専門窓口に相談しながら進めることも、転職を成功させるポイントの一つです。

※関連記事「適応障害の人の仕事選びのポイントや長くはたらき続けるコツ」

転職活動や入社後に適応障害はばれる?

自分から開示しない限り、適応障害の病歴や診断名が、応募先の会社や転職先に伝わることは基本的にありません。一方で、履歴書の経歴に空白期間がある場合は、面接で理由を確認されることがあります。また、源泉徴収票の金額やリファレンスチェックによって、休職していた期間があること自体が伝わる場合もあります。

面接での伝え方(オープン・クローズ就労)

適応障害について会社に伝えるかどうかによって、はたらき方は大きく2つに分けられます。

オープン就労
障害があることを会社に伝えて就労する方法です。一般枠・障害者雇用枠のどちらでも可能です。オープン就労は、業務内容や勤務時間などの配慮を受けやすいといえます。現在の体調、必要な配慮、再発防止の工夫を具体的に伝える必要があります。

クローズ就労
障害があることを会社に伝えず、一般枠で就労する方法です。求人の選択肢が広い一方、配慮は受けにくい特徴があります。
クローズ就労の場合、空白期間がある場合は「体調を崩して療養していたが、現在は回復しており業務に支障はない」などの事実を簡潔に伝え、虚偽の説明はしないことが大切です。

どちらを選ぶかは、適応障害の回復状況や、業務上どの程度の配慮が必要かによって変わります。なお、障害者雇用枠を希望する場合は、原則として精神障害者保健福祉手帳が必要であり、障害の状況を開示するオープン就労が基本となります。適応障害のみでは障害者手帳の取得が難しい場合もあり、障害者雇用枠を利用できるかどうかは個別の状況によって異なります。

再発の予防にはリワークや就労移行支援の活用がおすすめ

休職期間・療養期間が長引いた後の転職は、心身への負荷が大きく、ストレスを感じやすくなる場合があります。転職後に適応障害を再発した経験がある方や、再発しないか不安な方は、リワークや就労移行支援でストレスへの対処法を学び、身につける方法がおすすめです。

転職エージェントと就労移行支援の違い

転職エージェントと就労移行支援は役割が異なるため、目的に合わせて使い分けることが大切です。どちらか一方を選ぶだけでなく、状況に応じて併用を検討するのもよいでしょう。
サービス 役割 向いている人
転職エージェント 求人紹介や、応募書類・面接のサポートを行う 体調が安定しており、求人紹介や選考対策のサポートを受けたい人
就労移行支援 生活リズムの改善やスキル訓練、就職後の定着支援まで一貫してサポートする 再発への不安があり、支援を受けながらじっくり進めたい人

就労移行支援「ミラトレ」の就職事例

正社員として就職した職場で疲弊し、転職したGさん。転職先で心身の不調が続き、医療機関を受診して適応障害と診断されたあと、2度目の転職を決意しました。しかし、転職後の職場でもストレスを抱えるようになり、再び退職となりました。徐々に障害を受け入れるようになり、長期就労を目指す中で「ミラトレ」を見つけ、見学後に通所を即決しました。

基本的なトレーニングや擬似就労に取り組む中で、課題ややりたい仕事を発見し、約20日間の実習をやり抜いたことで就労に対する自信が生まれたようでした。面接練習に重点を置き、支援員と質疑応答を繰り返すなど、妥協せずに努力した結果、支援員が見つけた理想の求人に応募し、見事就職を実現しました。

※関連記事「適応障害の30代女性Gさんの就職事例」

適応障害がある方の転職に関するよくある質問

Q. 前職を短期間で辞めていても転職できますか?

A. 短期離職があっても、転職できる可能性は十分にあります。ただし、採用選考では慎重に見られる傾向があるため、退職理由や今後の見通しを整理しておくなど、適切な対策が重要です。

Q. 適応障害の症状がある場合、障害者雇用枠や障害者手帳は使えますか?

A. 適応障害で精神障害者保健福祉手帳を申請するには、初診日から6カ月以上経過していることが必要です。適応障害はストレスの原因となる環境を離れれば6カ月以上症状が持続することが少なく、取得は難しい場合があります。ただし、症状が長期化している場合や、他の精神疾患を伴う場合には、認められる可能性があります。手帳を取得すれば、障害者雇用枠での応募も可能になります。

適応障害発症後の転職活動が不安なときは就労移行支援「ミラトレ」に相談を

今回は、適応障害のある方が選べる選択肢や、転職で失敗しないための進め方、面接での伝え方についてご紹介しました。就労移行支援事業所に相談することで、アドバイスやフィードバックを受けながら、支援員と一緒に転職(再就職)を目指すことができます。
就労移行支援事業所「ミラトレ」では、生活リズムの安定やストレス対処法の習得、擬似就労による実践的なトレーニングを通じて、一人ひとりが自分に合ったはたらき方を見つけられるようサポートしています。就職活動の支援だけでなく、就職後の定着支援も行っているため、「はたらきたいけれど適応障害の再発が不安」「自分に合ったはたらき方が分からない」という方はお気軽にご相談ください。

まずは、お気軽にご相談ください

ミラトレの
確かな実績

就職率94%定着率96%

※2024年度実績

監修者:戸田 幸裕(とだ ゆきひろ)

パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー
上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】
■国家資格キャリアコンサルタント
■障害者職業生活相談員